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冬馬君の秋と冬  作者: だかずお
22/72

とけたみデート


夜、多網の部屋に布団を敷き詰め、子供たちは布団の中で語っている。

この瞬間のたまらんこと、たまらんこと。

夜中の語り合いは、始まっていた。

内容は明日のスーのデート。


「いやぁーいよいよだね、私こういうの大好き」人の恋愛事情を見るのが大好き、きみちゃんはテンションあげあげマックスである。


「明日スー、うまくいくと良いな」冬馬君が言う。


「小夜さん良い人だったしね」と、大喜。


多網は鼻くそをほじっている。

プシュー ついでにこいた。


「明日はみんなで、スーのデートを成功させよう」


「おーーーーーっ」

多網家の夜は盛り上がる。


「スーが結婚したら、僕らは恋のキューピッドだ」と、冬馬君


「明日重要」鼻息荒く多網


「明日は燃えるで〜〜〜〜」きみ子爆発中


「ワクワクするぅー」ニンマリ大喜


明日は一体どうなるか?皆スーのデートに胸を踊らしている、更にはスーの家に一泊、その夜は結果も出てるし色々語れそうだ。


その頃、スーは?と言うと。


布団の中、頭に流れるテーマソングはラブストーリーは突然に。

スーは何度も自分が小夜さんにカッコイイと思われるシーンを想像していた。


蜂が飛んでくる、ブゥーンッ

「出たな化け物」


「小夜さんに向かってくるものはこうだ」蜂を手で掴み放り投げた。


「まっ、とけたみさんったら痺れるぅー」


「いやいや、フッツーのことですから」


だが、空想は終わり、とけたみのピュアなハートは、既に緊張によりバクバクである。

あー明日どうなるかなぁ、フゥー、これで嫌われたら僕には、もう出会いなんてないだろうな。

ふと、浮かんだ親の顔。

両親は僕が結婚したら、そりゃ嬉しいんだろうな。

スーの両親は顔には出さないが、明日のスーのデートにスー同様、期待し、緊張しているようだった。

スーにも、なんとなく親の気持ちは分かる。

小夜さんは素敵な女性だったなぁ。

ずっと憧れてたなぁ、女性とのデート。

40年たって、ようやく夢が叶ったなぁ。

目がウルウルしてくるスー、なんだか、ありがたいなぁ。

40年かけ、ようやく掴んだ夢。


窓を開け、空を見上げた。

「ううーっ、冷え込んできたなぁ、こないだまで暑かったのが嘘みたい」


「星はポツポツ見えるなぁ」

しかし、明日、サーも子供達も来てくれるなんて、僕は良い友達を持ったなぁ(また言うが、何しに来るんだと思うが)。


「緊張するけど、楽しもう」

ずっとスーが七夕の時、短冊に祈り続けてきた事、それは、女性とデートが出来ます様に、だった。


明日どう言う結果になっても、後悔しない様にしよう。

何故かスーは鏡の前に立ち、自分の顔を見つめ、クシで頭をとかし始めた。

そして、突然ポーズを決め

「小夜さん、今夜は楽しかったぜベイブ」


「あっ、なんかちょっと違うんだよなぁ」


「こんな事、言っちゃったりして」

クルッ、鏡に背を向け、顔だけ振り返った奴は言った。


「アイラブユー SAYA」


「ちょっと、これは渋いかな」(いや、渋くはないだろう)


気づけば、朝がやって来た。


サーや子供達は支度をして、ちょうどスーのデート場所に向かってるところ。


玄関で響き渡る多美の「チャーーーーーーー」

全然、無言ではないが、無言の圧力だった(なんぢゃ)


「ちゃーーーーーーーーーーっ」


「ちゃーーーーーーーーーーーーっ」


ガチャ


「なんか、みんなでこうして車乗ってると、旅行に行く時を思い出すね」冬馬君が言った。


「だけど、スーの家に泊まれるから旅行みたいなもんだね」と、大喜。


「そうだった、ひやっほー」


みんなは車の中、上機嫌である。

「しっかし、スー、デート大丈夫かな?」心配する大喜


「まあ、隠れながらフォローするけどね」ニンマリきみ子は笑う。


車を運転するサーも「今頃、とけたみさん、緊張してるよきっと」


「うまく行くと良いなぁ〜〜」子供達が言う。

多網はケツが痒いらしくボリボリかいている。(いちいち書かんでいい)


「僕らは、邪魔しない様に影ながら応援しようね」

(どの口が言うんじゃい、サーは洋服の下、ボーリングユニフォームを装着していた)


ブゥゥゥ〜ンッ 車は向かう、スーと小夜さんのデート場所へ。



その頃、とけたみ家の朝食時


皆は緊張していた。

無論、父と母はデートに触れない様、興味がない様、心配してないように振舞っているのだが。


「あっ、かっ、母さん お茶」


「はっ、はい おっ、おっとさん、あっ、お父さん」


とけたみは緊張のあまり、味噌汁にソースを入れてしまった。

「あっ、間違えた」


その様子を見た父、こりゃ私が緊張をほぐさねば。

「おいっ、小夜さん ハッ」何故か父は息子の名前を小夜さんと間違えちゃっちゃった。


ビクッ とけたみの身体が一瞬後ろにのけ反る。


「はいっ、お父さん」

何故か母はオシボリを持ってくる。


「母さん何やってるんだ、頼んだのは味噌汁のおかわりだろ」(お水だろ)お茶や!


とけたみは、ご飯を口ではなく、間違えて鼻に入れ様としてしまい、鼻のまわりにご飯がくっついたった。

(んな、あほな)

「間違えちゃった」


父は息子の気持ちをデートからそらそうと、最近の仕事はどうなんだ?と、とけたみに聞くことにした。


「そう言えば、デートはどうなんだ?」

あっ、間違えちゃっちゃったっ。


ギョッとして、スーの身体はピョンと一瞬、空中に跳ねたそうな。


「あっ、かっ、は、デートじゃない、あっ、小夜さんじゃなかった、しっ、仕事だよ」


朝からこんな調子である。


ようやく、ミステリアスなひと時を終え、いよいよ出陣。


あまりの緊張にとけたみの脚は震えていた。

あーっ、今日、日本語喋れるかな?

「ワタシノナマエハとけたみデス」

大丈夫だ、喋れた。(相当緊張しているようだ)。


とけたみさんが選んだデート場所は広い公園だった。


空は晴天。

清々しい程、青々とした青空。

男は向かう、向き合う、それは小夜さんとだけではない、己自身とも(おっ、なんだか、カッコイイ事言っとるぞ)


己の魂をかけた男の出陣、見ていてくれ真堂丸(およっ?)


男は玄関から、外に羽ばたいた。


羽ばたけ鷹よっ!!


よしっ、行くぞっ。


僕は生まれ変わった。



プニュ


あっ


うんこ踏んだった。





つづく



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