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悠久のクロスファンタジア 〜DUAL WORLD〜  作者: はとかぜ
第4章 死霊術師(ネクロマンサー)編
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第105話 ゾンビだらけ

「よし、ここから適当に見回りをするぞ。見つけたら電話で連絡してくれ。倒せるなら倒して構わない」


場所は中央区西部、私たちは二手に分かれて調査することになった。


私は冬木と一緒になった。高層ビルが建ち並ぶ日本経済の中心地点、ここでゾンビは出てほしくないが、実際はもう既に出ているらしい。


「ふいぃー、修司おらんくなったし、コンビニでも寄るか〜」


(頼りない……)


マイペースというか、なんというか、彼が本当に戦えるのかすごく気になる。


「君〜かわいいねぇ。いつか俺と一杯やらへん?」


「すみません、それはちょっと……」


「まあ、そやなー、べっぴんさんやもんな!」


しかもコンビニ店員をナンパしている……もしやコイツ、うまい言葉で女性を落として遊びまくるタイプのカスなのか?


「私先に出てますよ」


「わかったわー」


私はコンビニの自動ドアを通って外に出る。




「……そういうの迷惑だから辞めてくれないかなぁ……」


お忍びでお出かけしてたのに、たくさんの報道陣に囲まれていた芸能人って、こんな気持ちだったんだと思う。


何故かは知らんが、コンビニを出たら目の前にはたくさんのゾンビがいた。


そしてさっきとは全く違う血みどろの光景も、また広がっていた。


(もういいや。倒しちゃおう。もう人間みんな逃げたっぽいし、多少オーバーでも問題ないよね?)


ゾンビの手が私の身体に触れそうになったその瞬間、私は魔法を発動させる。


「不快」


私の周囲にいたゾンビはノータイムで燃え尽き、消し炭になる。私はその流れで、手のひらに火球を作る。




「『オーバーバーン』」


オレンジ色に染まる閃光が一帯を包み込み、道路に沿うように大量に出現したゾンビを、大火力で一気に焼き尽くす。


乗り捨てられた車も消し飛んだようだが、そんなものは知らない。


人の体が焼ける臭いと、巻き上がった灰と粉塵が充満する、




「どうしたー……何が起こったんや……?」


「ゾンビが出たから消毒した」


「汚物は消毒ってか?元ネタもこんなことせえへんわ、ボケ」


冬木は騒ぎを起こしたからなのか、それからすぐにコンビニから飛び出してきた。


これでも火力を抑えたのだが、やっぱりビルの外壁が焦げたりガラスが溶けたりしている。道路のアスファルトも焦げ付いたり、割れていたりして、全面補修が必要そうだ。


「何もしないよりはマシでしょ」


「それ言われるとキッツいなぁ」


冬木はこのことを高宮先輩とかの方に伝えるらしい。ここでの現場検証を行えば何かがわかるかもしれないからだ。


突発的ではあったけど、ゾンビは私がコンビニからでた時、既にたくさん現れていた。


狙っているとも取れる動きだった。


(結局私には敵わなかったし、そんなに気張っても意味ないけどね)




◇◇◇


「中々派手にやりましたね……」


「大丈夫やろ?この程度この仕事やってりゃよくある話、それくらいは政府も理解している」


「それにしてはオーバーキルじゃないか……?」


すぐに駆けつけた警察と他の2人とともに、私は事情聴取と現場検証を行っていた。


主に戦闘時の状況を聞かれた。私が魔法であらかた吹き飛ばしてしまったため、ゾンビの人数はもう全くわからなかったらしいし、身元も判別出来ないみたいだ。


「だが……今回このコンビニをピンポイントに狙ってきたのか?」


「私が出たときにはもうスタンバイしてたんだよ。びっくりしたよ」


「……なるほどな……実は、これまでゾンビが出現はしているが、今回と同じく必ずと言っていいほど、付近に自警団の所属者がいたらしい」


「そうなの?なら犯人って馬鹿じゃないの?それか私たち狙い?」


そう言うと、鷺沼さんは下を向いてしばらく黙り込んだ。




「だよな……普通に考えればそうだ。俺たち狙いだとすれば辻褄は合う……だが、もしそうなら何故本気で殺しに来ない?この程度じゃ俺たちが死なないのはわかっているはずだ」


「確かに……もう事件は何回も起きているんですしね」


殺さずにゾンビを使ってこちらを攻撃し続ける理由……


「考えていてもきりがない。今は都崎からの連絡を待って事件を解決していくしかないな」


鷺沼さんは誰かに電話をかけていた。


事件の全貌は、未だ遥か遠い場所にあった。

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