鉄鉱石
7月25日―――。
太陽が昇り、木の隙間から陽の光が差し込む。目が覚めた6人は、昨日話した内容をユリに説明した。
和人、美月、ユリの3人は食材確保のため、海へと向った。
「へー!こちら側には、人が居ないんですね!なんだか、反対側に比べるとプライベートビーチみたいで綺麗ですー」
ユリは同じ島の中でも、別世界のようだと感動している。
「まぁ、あのヘリさえ来なければね・・・」
そういうと美月もうつむいた。ヘリが到着し10分後に爆発し、中に残っていれば木端微塵になることをユリにも説明する。
「そ、そんなことが、、、あちらの船は人を降ろした後に、船に戻ろうとした場合、問答無用で射殺されていました。最初乗る時に説明があったのですが・・・本当にそうなるとは思いもしませんでした・・・・船内に隠れる何てことは出来ないし、そんな場所もないような、ただただ広い何もない空間に閉じ込められて運ばれたので・・・。」
「何かどっちもどっちだなー。とりあえず、切り替えて食材集めて戻ろうか!」
そういって、岩場へと向った3人。
・・・。
「ちょっとやばいな。この場所だけで獲り続けてたから、物が無くなってきている。」
「本当だ・・・私が初めて見た時より、貝さんも居なくなってますね・・・」
「別な場所も探すか、海の中まで行って獲れるようにしないと、岩場だけだときついかも・・・」
「とりあえず、今日は獲れるだけ獲って、方法は皆で考えよう。道具がないとどちらにせよ、厳しいからな。あと、美月は足切らない様に気を付けて。もちろんユリさんも」
「らじゃー!」
そういうと3人は食材確保を行い、次々と魚介類を調達していく。
「ふーっ、さてそろそろ戻るか。今日はちょっと別ルートで戻りながら、木の実とバナナを取って行こうと思う」
?!?!
「和人さん!今、バナナって言いました?!?!」
「うん、実はバナナの木があるのを見つけてたんだけど、食材は出来るだけ獲り過ぎないようにコントロールしておきたいから黙ってたんだ」
「早くいってくださいよ!!バナナ!!!!」
美月はやけに興奮している。
「えwそんなに好きなの?」
「そりゃーもちろん!!!ここにきて果物が食べれるとは思ってもいませんでしたー」
「あの、、、私も、その、好きです、バナナ。」
何故か少し恥ずかしそうに、ユリがボソッとつぶやいた。
「わかったわかった、帰りに獲っていこうか」
帰り道、バナナの木の前で3人が立ち止まる。
「えっと・・・、和人さん、これどうやって獲るんですか?」
「そりゃ、登るに決まってるじゃん」
和人は自分の持っていた食材を包んだTシャツを地面に置くと、猿の如く木を登り始める。
「和人さん、お猿さんみたいー」
「ほら、落とすから、ちょっと離れてて!」
和人は木になっているバナナを次々と地面に落とし終えると、木から下りた。
「じゃあ、3人で手分けして、バナナ持ってこ」
「はい!」
ユリと美月は嬉しそうに腕いっぱいにバナナを持って歩いた。
「お!帰って来た!」
「和人君!!これはまさかの、バナナか!!」
興奮した敦が目を輝かせている。
「そうだよ、そんなにバナナ好きなのか?!」
「そりゃそうだろ!!バナナだぞ!!」
「わ、わたくしも、大好きですよ、バナナ」
「お嬢様もですかw皆バナナ好き過ぎだろw」
気づくと夏樹がバナナの皮をむき食べている。
「うへー、これ苦いよー」
「当たり前だろ!!まだ食べれないだろ!青すぎるw、まぁしばらく置いておけば食べれるからw多分w種類によっては甘くならないらしいけどな。まぁそんときは焼いて食べれば食えるだろ」
「ばななー!!!たべたいー!」
皆、地団駄を踏んでいる。
「はいはい、わかったから、それじゃぁ、敦と夏樹は、貝類火にかけて、俺と美月で干物になるように準備しとくから、美鈴は・・・そのまま待機でOK。ユリも・・・そのまま待機でOK」
「わたくしも何かします!!」
「わたしもー!!」
「そうだなー、じゃあ、水を汲みに行こうか」
役割を与えられて二人ははしゃいでいる。
それぞれが、準備をして食事をする。それなりに、生活が出来てきていると、和人は実感していた。
「それじゃー、いただきます!」
6人はそれぞれ好きなものを頬張る。
「探索隊についてだけど、絶対守ってほしいのは、美鈴時計で6時前にはここに着くように帰ってくること。あまり暗くなると、今の状況では危なすぎるから。」
「了解!それは問題ないよ。それと、松明を持って行って、何かあれば燃やして知らせるでしょ??」
「いや、昨日確認してきたけど、やっぱり人が多く居るこの状況でむやみに居場所が分かるような状態を作るのは危険かもしれない。一応3人で1チームだから、その方法を使わなくても、対応出来るのであれば、そうして欲しい。3人とも動けなくなるような状況になれば最悪、その方法を取っても構わないけど」
「らじゃー!」
6人は食事を終え、敦、夏樹、美鈴は探索隊として出発の準備をした。
「じゃあ、行ってくる!」
「うん、くれぐれも気を付けて、無理はしないように、それと、この貝を砕いたのを持って行って。木の印から離れた方向に行く場合は、これを置きながら進めて行けば良いから。むやみに印を増やすと道が分からなくなっちゃうだろうし。」
「OK!出発!!」
3人は出発し、和人達は洞穴で待機をする。待機中は暇なので、近くにある物で、美鈴とユリが寝るスペースを作っていた。
「隊長!どっちに行きますか!!」
夏樹は何故かテンションが高い。
「よし、そうだな、とりあえず、バナナの木をもっと見つけよう!!」
「わたくしも全力で探します!!!」
敦調査隊の目標はバナナの木へと変わっていた。そうして、3人はしばらく森を進んだ。
「よし、この辺から、目印となる木がある方向とは別な方向へ行ってみよう!バナナの木は・・・・右か!左か!僕には決められない!夏樹ちゃんに任せた」
「え、うち?!」
いきなり振られた夏樹が困っていると、美鈴が即答した。
「左です!!!わたくしの感がそう言っております。間違いなく、バナナは左です!!」
「よ、よし!じゃあ左だ!とりあえず、進みながら、この貝がらを少しずつおいて行けばいいんだよな」
敦は歩きながら、貝殻を落としていく。ついでに美鈴が木に○印をつけている。
「美鈴さん!印付けたらわからなくなるよ!」
「大丈夫ですよ!島の反対側へ向った際には×印をつけてましたから、それにちょうど島の中心で90度左に曲がって進んでいるので、○印をつけておくと後々役に立ちますよ」
それはその通りである。
「美鈴ちゃん、意外と考えてたのねw」
「はい!」
美鈴は目を輝かせている。
「さて、美鈴時計は今何時くらいかな?」
「今、日本時間で凡そ3時5分です」
「ほー、となると、もう2時間は歩いているのか。帰りの時間も考えるともうそろそろ戻らないとな」
「あーあ、バナナないー」
夏樹はバナナを見つけられず、うなだれている。その時だった。
「あ!!!!」
敦が声を上げる。
「え!!!バナナ来た!!!???」
「やっと、見つかりましたのですね、バナナ・・・」
「違うよwほら、あそこ洞窟??か分かんないけどなんかある!」
敦が指差した方向には、洞窟らしきものがあった。
「よし、行ってみよう!!」
3人は洞窟らしきところで、足早に向った。
「あれ、これって・・・」
洞窟の前で立ち止まると美鈴がつぶやいた。
「ん?」
「確か、わたくしの勘違いでなければ、鉱山というところではないでしょうか」
「え?!鉱山?!なんでそんなものがここに・・・」
洞窟の中には、木で出来た梁らしきものがあり、確かに鉱山のようにも見える。
「どうする、これは、報告しに戻った方が良いかな?それとももう少しだけ中見てみる?」
「行こうよー、せっかくだし、ちょっとだけ見ていこ!」
「そうだな、鉱山だとしても何があるかくらいは見てみないとな」
3人は、暗い鉱山の中へ、入って行く。
「何か、雰囲気怖いよー、うちこうゆうの苦手」
「夏樹ちゃんが行こうって言ったじゃんー。言いだしっぺだよー」
「そうだけどー、」
ぽたっ・・・ぼちょんっ・・・・
「ひゃっ」
美鈴が声を上げる。
「きゃー!!!」
思わず夏樹が叫ぶ。
「落ち着けって!!ただの水滴!!」
「なんだよー、何かやばいやつかと思ったじゃんー」
「あー!!!」
美鈴がまた声を上げた。
「今度は何!!うち、もう無理―」
「これって、もしかして、ダイヤモンド?なわけないよね・・・」
「え、どれ?!」
夏樹と敦は、美鈴が指差した方向に松明を近づけ見てみる。そこには、ダイヤのような、ただの水晶のような濁った透明なものが、洞窟内の壁にめり込んでいる。
「・・・これはダイヤの原石の可能性があるよ!ちょっと掘り出して、持って帰ろう!」
敦は周りに転がっていた石で、ダイヤらしきものの回りを削りだし、小さな石ころのようなものを取出した。
「どうだろ、これに関しては、素人だからなー・・・。原石かどうかもわからないや、僕」
「わたくしも、カット前の原石を見たことはありますが、この状態では何ともわかりませんね。一度持ち帰って、水で洗って磨いてみましょう」
「こんなとこに本当にダイヤモンドとかやばくない?!超大金持ちなれるかも、うちら」
夏樹ははしゃいでいる。
「いやいや、ここにダイヤモンドがあったってそれこそ、宝の持ち腐れだと思うよ、本当に」
「まぁ、確かに、ここは何も存在しないもんね・・・せっかく、うちが、大金持ちなれるチャンスだと思ったのにー」
「まぁまぁ夏樹さん、これがダイヤと決まったわけではありませんので、時間も遅いですし、居住スペースへ戻りましょう」
「はーい」
3人はダイヤらしきものを大事にポケットにしまいこみ、洞窟を出た。辺りは陽が沈み始め薄らと暗くなっている。
「やばー、急いで、帰ろ!」
敦たちは、来た道を少し足早に戻った。薄暗い森の中は段々と暗くなり、居住スペースの場所へ着いたころにはすっかり夜になっていた。
「ふー!ぎりぎりセーフ!」
「いやいや、若干アウト気味だろ、暗いし。まぁ無事に戻ってきてくれて良かった。」
「じゃじゃーん!!!和人!美月!ユリ!すごーい報告があります!!!」
夏樹は超ハイテンションでポケットから物を取出す。
「ん?何か良い物見つけた??」
「・・・石ころ?」
美月が夏樹の手からダイヤらしきもの受け取り、観察している。
「あの・・・わたくしの見たててでは、ダイヤの原石なんじゃないかと思っています。」
「え?!ダイヤ?」
和人達は驚く。
「いやいや、ないない、ここは日本って言ってたし、そんなダイヤが取れるような地殻はないよ・・・ん?待てよ、本当にダイヤだとすると・・・」
ぼそぼそと、和人がひとりごとを言っている。
「えっと、その確証はないのですけど、多分・・・そうなのではないかと」
「まぁまぁ、ダイヤだろうとなんだろうと、僕達がここに居る限りは何にも役に立たない石ころだよ」
「ふ、ふ、ふはははは」
いきなり、和人はおかしくなった。
「和人さん?とうとう壊れましたか?」
美月が心配そうに尋ねる。
「いやいや、これが笑わずにいられるわけがないよ!!!!・・・んーでも、これがどれだけの量獲れるかもわからないしな・・・大きさも10カラット以上がごろごろ獲れないと話にならないけど・・・いや、待てよ、仮説正しいとして、漂砂鉱床と隆起による地形だとしたら・・・これはやばいことになるな・・・そうなるとこの位置もある程度は予想がつく」
また、独り言をぶつぶつと言っている。
「和人君?」
「よし、明日は、俺と美月と美鈴でもう一度その場所へ行ってくる。それと、それがダイヤだと仮定した場合、俺達は最大のキーパーツを手に入れたんだ。前に美月達には話したけど、[国家設立計画]を本気練る時が来たかもしれない」
「どうゆうこと??ここには、何もないし、通信手段すらないのに・・・何も出来ないよ?」
皆不思議そうに、いや、壊れたかもしれない和人を心配する眼差しである。
「もし、この発見が全て俺の予想通りだとすると、本格的に俺たちの権利を十分に主張出来る自由な国を作れるかもしれない」
「え?!どうゆこと?教えてくださいよー和人さんー」
美月が駄々をこねる。
「んーそうだな、じゃあ最大のヒント・・・」
「ヒントとかケチ―」
「まぁまぁ、ヒントは・・・地形と、海賊。この発見がもたらす意味は2つあるってことだよ。あとは本物かどうか確認してからかな。多分原石でもある程度綺麗に洗ったら、美鈴が判断出来るでしょ?」
「はい、原石と言えど、光の屈折で明らかに他の石とは異なって見えますので」
「よし、じゃあ、夜飯食べて、早めに寝たら、明日すぐ出発だ!」
「なんかよくわかんないけど、和人が言うなら、らじゃー!」
6人は、謎の新たな希望を見つけ、少し興奮気味に一晩を過ごした。
7月26日―――。
翌朝、美月が目を覚ますと、和人は既に起きて何か考え事をしているようだった。
「和人さん!おはよう」
「おー、美月おはよー、起きるの早かったねー」
「和人さんこそ、こんな朝早くから、何してるんですかー?」
「ちょっとね、昨日の発見があってから、本格的に動き出さないとって思って、色々考えてたんだよねー」
「もーそうやって、いっつも一人で考えて決めてしまうのは、良くないと思います!!私にも教えて下さいよー」
「まぁ、ちょっとまだ、考えが煮詰まってないから、もう少しまとまってから話すよ」
「ういー!おはー、二人とも早いねー」
夏樹が目を覚ました。それにつられて、敦、ユリも目を覚ます。
「ねー、うち、水浴び行ってくるけど、美月とユリも行く?」
「行きたいです!」
「行くー!!」
「美鈴は・・・どうする?まだ寝てるみたいだけどw」
「起きるまで待っててあげようか」
「いや、うちにまかせて」
溜めてあった水で手を濡らした夏樹は、美鈴に近寄る。そして、美鈴の服のをそっと持ち上げて、お腹の辺りに手を入れた。
きゃーっ!!
突然美鈴が悲鳴を上げる。
「びっくりしましたよ、夏樹さん!!!起こし方が過激すぎます!!」
「あはは、やりすぎちゃったかな?美鈴怒ったー?」
「怒ってます!」
「なっちゃんやり過ぎだよー」
「てへっ、ごめんごめん、美鈴も水浴び行こう?」
「もう、そうゆうことであれば、普通に起こしてくだされば、起きましたよ!」
「ごめんごめん、じゃ行こうか!」
「じゃぁ、俺らは・・・」
「STAY!!!」
まだ何も行っていない和人は、何故か、夏樹から罵声を浴びる。
「えw俺まだ何も言ってないんだけどw」
「和人さーん、ダメですよ、STAYです」
美月も同調する。
「わたくしは、その和人さんが、そういうことなら、その、助けていただきまし$#%&」
「ちょ!!美鈴!!」
「私もその、敦さんと和人さんであれば、あの時助けて頂けなければ、ここには居ないので、そのくら#$%&」
「ユリまで!!」
「ちょっとちょっと、大丈夫だよ、僕達はそんなことしないって、ここで待ってるから。ねぇ、和人君?」
「お、おう!当たり前だろそんなことしないよ俺、なぁ!美月!」
・・・。
美月は相当不機嫌になっている。和人は完全に無視されているが、何故怒っているのか分からない。
理由は・・・まぁ、美鈴が地雷を踏んだからなのだが・・・。
「まぁまぁ、美月、いこう!ほら!美鈴もユリも!」
「はーい」
無事に女子グループは水浴びへと出かけた。和人と、敦は昨日収穫した材料で食事の準備をしている。
「和人君、僕達も女子が戻ってきたら水浴び行かない?」
突然の誘いに戸惑う和人。
「お、おうまぁ、そうだな、いつも一人で言ってたけど、たまには男同士で行くか!」
何故か浮かれ気分になった敦を見て、和人は少し不安になった。
「さっぱりー!和人達も行っておいでよー!」
水浴びを終えた美月達が戻ってきた。
「う、うん、じゃぁ、行こうか」
和人と敦は水浴びへと向った。
「和人君さぁ、どう思う?」
「ん?何が?」
「いや、なんていうか、気づいたら女子が増えすぎてるなぁと思って」
「た、確かに・・・」
特に意図した訳でもないが、気づいたら、周りは女子ばかりという異様な光景になってしまっていた。
「まぁ、僕は人数が増えるのは良いんだけど、いざこざだけはいやだなーと思ってさ」
「そこだよな、ある程度信頼出来る男の人数は増やしておきたいってのはあるけど、やっぱり人間だから、人数が増えすぎるとうまくいくものも、うまくいかなくなる可能性が高くなるからなぁ」
「和人君は、これから何をするつもりなの?ハーレム帝国でも作るの?・・・いや、冗談はさておき、国を作るって言ってもそう簡単じゃないと思うんだけど。インフラの物資調達は必須になると思うし・・・、まぁどこまでやるのか分からないけど、一番の問題はこの島以外の普通の国とどうやって関係をもつかだよね」
「そう、その通り。じゃぁ、これは敦には話しておこうかな」
2人は川に到着して、水浴びを始める。
「何??国づくりについてとか?海賊とか地形とか、いまいち分からなかったんだけど僕・・・」
「そうだね、もしもの話だけど、昨日敦達が見つけたものが、ダイヤだとしたら・・・、どんなことが分かる?」
「うーん、そもそもダイヤって日本で採掘出来ないものじゃないっけ?」
「その通り!御名答!つまり?」
「ここは日本からだいぶ離れた別な国の島ってこと??」
「んー、その可能性を否定は出来ないけど、俺らヘリでここまで来たよね?恐らく、俺がいたところから5時間は飛んでたと思う。しかも、多分あれは、軍用ヘリ。じゃなきゃこんな飛行時間の確保は出来ないと思う。民間のヘリで長くても3時間くらいだろうし」
「つまり、日本からはある程度距離があるけど、外国ではない・・・沖縄くらいってことかな?でも、それでもダイヤが採掘されるのっておかしいんじゃないの?しかも島国にダイヤって・・・普通大きい大陸にあるんじゃないの?」
「いやー、実に惜しい。俺の考えでは、沖縄というより台湾寄りの島になるかなここは。ダイヤは敦の言う通りどこでも採掘出来るものじゃないんだけど、大きな大陸以外にも、台湾付近の地殻はブルーグランドのパイプ、つまりダイヤを含んだ土地がある可能性が高い。つまり、その付近の島だったら、火山活動が盛んだった時代に、一部分切り離されて、偶然小さな島になっている可能性もある。それがここかもしれないって話さ」
「ふむふむ、なるほどね、ただ、それだとダイヤが取れたとしても、この島から出られない限りはどうにもならないよね?」
「そこで、次のキーワード、海賊だよ」
「海賊?!海賊なんて、いつの時代の話してるんだよー、ワン○○○とかのマンガじゃないんだからさー」
「敦・・・、海賊は今の時代も存在しているんだよ。例えばそうだな・・・密漁船?って言えば分かりやすいかな?もし、場所が想定通りなら、この島に某国の海賊船が寄る可能性は高い。ここが、カリブ海なら、それこそ、マンガに出てくるような金品を略奪する海賊に会えたかもだけどなw」
「なるほどね、それを待って、取引って訳だ。」
「その通り、そこで、俗世間の通貨が手に入ってしまえばあとは、それを増やすだけ。こんなことは言いたくないが、金があれば大抵何でも出来てしまうからなー。まぁ、国とか大きいこと言わなくても、俺達が不自由しないくらいには生活出来ちゃうんじゃないかな」
「そうだね、そうなると僕的には最高なんだけど」
「まぁ、とりあえず・・・」
和人はおもむろに、ダイヤらしき石を取り出して洗い出した。
「おー」
「どんな感じ?僕宝石とかよくわからないからさ」
「いやー、これは、俺にも分からん、持って帰って美鈴に見てもらおう」
「OK」
二人は水浴びを終えて、居住スペースに戻った。
「二人とも遅いよー、男二人で何してたのー」
夏樹がからかう。
「いや、そりゃ男二人の秘密ってやつだからw」
和人は敦に、さっきのことは言うなよと、目で相図を送った。
「お腹すいた!!食べよ!」
6人は準備しておいた、食事を堪能する。
「っで、美鈴にお願いあるんだけど、これ」
和人はさっき洗ったダイヤらしきものを手渡す。
「どう?」
美鈴は光にかざして、中をじっと見ている。
・・・。
「・・・和人さん・・・、これ、間違いなくダイヤです。水晶ではないですよ」
「えー!!!!やっぱり?!やっぱりダイヤだったのー!」
夏樹は相当驚いている。
「よし、決まりだな、予定変更」
「なんで?獲りに行かないの??」
「いや、人数を増やして獲りに行こう。これは最優先事項だ。というより全員で獲りにいく」
「この場所はどうするの?」
「とりあえず、ここ何日か様子を見てたけど、ここに人が来る気配もなかったし、まぁ特にこれといって人が来ても問題はないだろう。それより、出来るだけ大きい状態のダイヤの原石をたくさん確保しておくことに専念しよう」
「食事は??」
夏樹が心配そうに尋ねる。
「それなら、この間獲って来た干物のストックと、バナナが結構な数あるから、すぐにはどうこうならないだろう。一応、誰か他の人に見つかって食べられないように、出発する前に隠してから行くけど」
「らじゃー!」
少しの食料と、松明を持ち、和人達はダイヤ採掘に向った。