襲来
昨日、敦たちが見つけた鉱山跡地らしき所へ、向かった。
森の中をズイズイ進んでいくと、鉱山入口へとたどり着く。
「ふーっ。意外とこの辺は、森が深いから、人もそうそう来れない場所だな。より好都合だ」
和人は近くの岩に腰をかけた。
「出来れば、ここを他の誰にも見つかることなく、事を進めたいと考えている。いずれにしても、この中を調査してどの程度ダイヤを採掘出来るのか目途をつけておきたい」
和人の言葉に、皆頷く。
「入口を敦、夏樹、ユリに見張っていて欲しいけど、良いかな?」
「ラジャー!」
夏樹が元気よく反応する。
「もし、人が近くに来た場合、接触せずにどこか、隠れて様子を見てくれ。その時この入口から中に入りそうになったら接触をお願いしたい。」
「危ない感じのやつだったらどうすればいい?人数が多いとさすがに僕一人でやるのは難しいよ・・・」
敦が心配そうに和人に尋ねる。
「決して無理はしなくていいよ。敦の判断で危険だと感じたら、逃げてくれて構わない。だから、ファーストコンタクトだけは、夏樹とユリに隠れてもらっていた方が良いと思う。」
「わかった。うまくやってみるよ」
「敦が危険だと判断した場合、逃げる前に、必ずこの入口から洞窟内に聞こえるように大声で叫んで欲しい。俺達も何かあったと判断出来れば、そこで対応を考えることが出来るから」
「僕に任せて!和人君を危険な目には合わせな#$%!」
敦の背筋が一瞬冷たくなった。
被り気味に、和人が言葉を重ねる。
「よし!じゃぁ、美月と美鈴と俺で中を確認してくる!見張り頼んだよ!」
3人は洞窟の中へと入って行った。
―洞窟内―
中は光が全く入らないためか、松明による明かり以外は、ほとんど何も見えない。
進んでいくと、入口と比べて少しだけ道が広がり、大人二人がすれ違うことが出来る程度である。
「あ・・の、」
美月がとても小さなか細い声を出しながら、和人の腕を掴む
「ん?どうした?」
「その・・・」
美月は俯いたまま、何かを言いかけている。松明の光のせいか、頬も赤らんで見えた。
「どうした?やっぱり、暗いから怖い?」
「あ!美月さん・・・もしかして、」
美鈴は何か気付いた様子だが、美鈴の言葉にかぶせ気味に、先ほどのか細い美月の声からは想像出来ないはっきりとした声で
「Rest room!!」
あまりにも、流暢で舌を巻きまくりではあったが、はっきりそう聞こえた。
「え?」
和人は思わず、聞き返す。
「同じこと・・・言わせないで・・・その・・」
「Res\*+?><」
頬を赤らめながらも、しっかりと和人を向いて、再度発しようとしたところを、和人が遮る。
「分かった!わかったから、つまりあれな、トイレなwなんでその単語だけ英語なのw」
和人も美鈴も、美月の天然ぶりに、笑っていた。
「もう・・・恥ずかしいじゃないですか・・・その・・」
「わかった、とりあえず、俺はそっちの方に居るから」
少し先の方に歩き、美月達に問題ないことを促す。
「和人さん!・・・耳塞いでてください!!」
美月は声を張り上げた。
「え?・・・大?」
和人が心配そうに尋ねる。
「ちーがーいーまーすー!!!!洞窟の中音響くから・・・」
美月は半分、泣きそうな声になっている。
「あ、ごめん!本当ごめん・・・」
美月は無視しながらしゃがみ、美鈴に松明で足元を照らしてもらう。
そのときだった・・・
「ぎーゃーーーーーーーっ!!!!!」
美月のエグイ悲鳴が聞こえる。
和人は一目散に美月のもとへ走った。
「どうした!!!」
美月の指をさしている方向に、暗闇の中で横たわっている「何か」人の形をした物がある。
和人は、その、「何か」に近づき、手を伸ばそうとした。
「うっ・・・」
和人は思わず目を逸らした。松明を近づけその何かを確認した。
「こ、これは・・・しかも・・・なんでこんなところに・・・」
明かりの先にあった「何か」は、衣服を着たままの完全に白骨化した人間であった。
「ここは、人が住んで居たのか?・・・いや・・・でも・・・住んでいた形跡があるような建物も何もそんなもの見てないしなぁ・・・」
和人はしばらく黙りこむ。
「ヴーっ・・・・」
涙目で美月は和人見つめている。
びたんっ
「いたーっ!!!!俺が、何したって言うん*?|~」
和人が考え込んでいた正面には美月が座っている。
意図せず目線が足元に向かっていたことに気付いた和人は、後ろに大きく飛び退き、全力で頭を床に擦りつける。
「本っ当にっ!本当に!申し訳ありませんでした!!!!!」
プフッ
美鈴は思わず吹き出した。
「と、とりあえず、その、びっくりして大声を出した私も悪いですし・・・」
「全っ力で責任を取らせて頂きます!!」
未だ、和人は地面に頭を擦りつけている。
「あの、その、いいですから・・・分かりましたから、普通にしてください。」
和人が顔上げ、安堵した表情になる。
「責任は全力で取る。その言葉、言質を取りましたので覚悟してくださいね」
ニコッっとほほ笑む美月の言葉に、和人は背中が一瞬ヒヤリとしたが、とりあえず流す。
「さて、ここで仏様とご対面をしてしまったわけだが・・・、ダイヤのこともそうだが、この島に居住区がある可能性がある。まだ、見つけていない場所があるのかもしれない」
「まぁ、まずは、もう少し先に進んでみて、ダイヤの原石を取れるだけ取って帰ろう!」
「はいっ!」
流されたことを少し不満そうにしていた、美月も気持ちを切り替えられたように見える。




