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ラーメン屋さんのなまえが「原罪」
ハリガミがしてあり、墨書でちからづよく原罪とかいてある迫力。威力。
「原罪」
と書かれている。
ハリガミはくずれかけた、それじたい何かの破口をおもわせる壁に貼ってある。
だれがそんなことをするのか。
壁が成しているのは、すたれた、と言おうか、はっきり廃屋だろうラーメン店なんです。
夕日が一幅の絵画の様に装飾している廃墟は、むしろ寒々したいたましさが潔くて、清涼な痛覚として、わたくしをうったんですが。
それにしたって、にんげんというのは、痛覚がえがく図形なんでしょうかね。
では星座の様にしずかに漂っているのが正解なんだ。やっぱり。知っていたよ。
「原罪」
と書いてあるのは、うごかなくて良いのにあちこち動くのを已めないことを。
みえないゆびでさしているんです。
「原罪」という屋号のラーメン屋さんで。
皮膚のない痛みを讃する、餐する。
「きりとられた一瞬の絵画を網膜に刺青する」
「刺青がむしろ、わたくしである」
「機械は肉の機械」