目覚めちゃうだ
ーーーー雨ーーーー?
ポッりと頬に雫が落ちた
ゆっくり目を開ける。
ナタリが泣いている。ハンナさん、ジャックさん、ローズさん、、、、
「……夢?」
「ああぁあー良かっだぁぁぁでずわぁぁ」
ナタリがラナを抱きしめた。
「えっ!?ナタリ!?えっ!?えっ!?」
状況を呑み込めないラナはキョロキョロと周りを見渡し、
「私…志恩さんと……!ゴブリンは!?」
意識を失う前に、最後に見たモノを思い出し、背筋が凍りつく、、!!、ふと自分を見直すと掛けられた上着の下に破かれた服が見え血の気が引く
「大丈夫よ!ラナ、ゴブリンは死んでるわ、ラナも無事だったわ!大丈夫、、大丈夫ですわよ!」
ナタリはラナを抱きしめながら何度も大丈夫と言い続け落ち着かせた。
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一先ず落ち着き、
「志恩さんは?志恩さんは無事ですか!?」
「シオン?、、それって黒目黒髪の男の人ですの?」
尋ねるナタリにコクんと頷く
「あ、、、それなら、、、」
言葉を濁すナタリが後ろを指差す。
その先には、
全裸で両手両足を縛られた志恩の姿があった。
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「…どう言った状況ですか?……」
「えーっとね、まず言葉が通じなくって、彼に出会った時の状況から危険人物かもしれないから拘束して、服は暗器などの武器を隠し持っているかもしれないでしょ!?...........あとジャックの趣味.......ですわ」
あぁ、なるほどとラナは状況を把握し
「ナタリ、、もしかすると志恩さんは賢者かもしれません。」
余りにも予想外の一言に、呆けてしまったが、
「あり得ないですわ!あの男はラナのパ、パ、パ、(パンツをずらそうとしてた男が賢者なわけないですわ!)」 って言えるわけ無いですわ!!!!!
パ、パ、パっと呟くナタリを不思議に思いながらラナは耳に付けていた赤い石をナタリに差し出す。
「何ですの?コレって魔鉱石ですわね、、」
「コレには音魔法が付与されています。」
!?
「なんですって!?音魔法!?付与!?」
思いもしない言葉に目を見開き驚愕する。音魔法は、10万人に1人と言われる程珍しい属性で、しかも付与は、ドワーフの中でも限られた物しか使えない秘伝とされる技師だ。
「……ちょっと興味が湧いてきましたわ。あの男の事詳しく教えてもらえるかしら?」
◇ ◇ ◇




