ミトコウモンとはなんですか?
「へっへっ、二人ともめちゃくちゃ可愛いじゃねえか」
一人の男が私の顎をクイッとし、いやらしい目で見てきた。私は確かに手足縛られて身動きが出来ない、フリをしていました。
足首の巻き方が弱かったのか、縄はスルリとほどけた。
目の前にいる汚らしい男に私は微笑んでみた。
「お、なんだなんだ。急に可愛いらしい顔をしやがって。どーれどれ可愛いがってやるー…」
バキッ!!
「ぐはっっ!!?」
すかさず私はその男に蹴りをいれました。レディとしてははしたないですが、緊急事態です。
「ぎゃー!こっちこないでよ!」
泣きながらジャスミン様は逃げようとしていた。
「フォッフォッ!良いではないか、良いではないか」
「どっかの時代劇かよ!!」
泣きながら、何やらツッコんでいた、ジャスミン様。
私は確かに足は自由だけど、まだ何人も男性がワラワラとやってきて、焦りだした。私一人ではどうにかできない。剣さえあれば…
困ったわ…ジオ様…
私…まだ貴方に伝えてないことがあるのよ
まだ貴方と沢山の時間を一緒に過ごしていきたいの
ジオ様、会いたい…
「うああん!私の初めての相手はクロ様だって決めていたのに!リッツカールトンホテルで食事してティファニーの指輪をもらって、プロポーズされる!という夢をみるんだからあああ!」
…ジャスミン様相変わらず、意味不明だわ。
とゆうか、自分の願望の夢を見るのが夢って…
その時、
ヒュン!!!
「ぐあっ!」
一人の男の背中に白い弓が刺さり倒れた。弓の紋章を見るとそれは…
近くにいた男は弓が降ってきた方向を見て
「クソ!何者だ!」
そこにはジオ様、レイン様、ライラ様、タイガー様、クロが立っていました。マントをしていて、仮面を被っていますが、わかります。
ジオ様と目が合い
「メアリー無事だったんだね。よかった」
いつもの笑顔で私に微笑んでくれるジオ様に安心をした。
「お、お前ら!何者だ!」
…この国の王子よ。何故わからないのかしら。
そんな彼らをジオ様は、嘲笑い、
「何者だって?ふっ、しょーがない!
助さん!」
「私はライラですよー王子」
「よし!格さん!」
「…レインです。カクさんってどなたですか?」
「お色気担当お銀!」
「はっはっは!ジオ!私はタイガーだ。だが色気担当はよいな」
「そして、最後!うっかり八兵衛!!」
「最後の呼び名はなんだかムカつきますね、早く黙って片付けて下さい馬鹿王子」
呆れているクロ。
「くそっ!なんなんだあの変なやつ!」
…この国の王子ですわ。悪党さん。
「よしきた!お前ら、この紋所が目に入らねえかあああ!」
「水戸黄門かよ!」
とツッコミをいれてるジャスミン様。
さっきまで泣いて騒いでいたジャスミン様はクロを見ては
「クロ様がタキシード仮面様なってる!やば!カッコい!」
国の騎士団もこちらに着き、形成逆転。悪党貴族は周りに囲まれて観念をしたのか大人しくなった。
ただ、ローズさんは、まだブツブツと呟いていた。
「おかしい、こんなのおかしい…」
ローズさんと私は目があった。
涙を沢山流し、私を睨む彼女。一瞬の事だった。
ジオ様は青い顔をして私の元へ走る姿をみた。
私はローズさんに首を絞められて、ローズさんと私、二人共、海の崖から落ちてしまった。
いえ、無理やり落とされた、のかしら。
私は意識を失った。
「メアリー!!!!」
ジオ様…
ミトコウモンってなんですか?




