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【完結】こちら異世界転生管理局  作者: ただみかえで
第8章 弥勒と螢子
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第61話 オールスター

 う……きもちわるぃ……。

 確かに、前にミニろく様が『螢子ちゃんのイメージはワンパターンだから』って言われて、ちょっとムッとしたのは認める。

 だから、今度何か『幻を晴らす』時には『ガラスが割れる演出』はやめよう、と思ってた。

 とはいえ、こんな目の回るような過剰な演出までは求めていなかったよ。


「螢子くん?

 大丈夫かい?」

「……あ、もふもふ……」

 ゆっくり浮上する意識と共にうっすらと目を開けると、目の前に白いもふもふが。

「はぅ……しあわせ……」

 この感触、柔らかくてふわふわで暖かくて……このままもう一眠り……

「おおい!?

 螢子くん!?!?

 いきなり人のお腹に顔を埋めて二度寝しないでくれるかな!?」

「……あれ、局長どうしたんですか?」

「どうしたんですか、じゃないよ!?」


 体を起こすと、そこは……なんにもないだだっ広い部屋だった。

 あれ? 転生局にいた気がしたんだけど。

「これ、どうなってるんですか?」

「それがねぇ、よくわからないのよね~」

 横からミルティ先輩の声がする。

 ぐるっと見渡すと、フーちゃん、クレィさん、ファラスさん、Yさん、千代ちゃんとオールスターが勢揃いしていた。

 5つの扉の先に繋がっていた世界出身の5人が。

 そして6つ目の扉の先が転生局で、二人の局長が揃っている。


 私の関係者が7人。

 ……7つ集めると願いが叶うなんとかボールじゃないんだから……。

 とは思うけど、どう考えても偶然とは思えない。


 7つのスキルと7人の関係者。

 あれ、でも、扉は6つでミニろくさまは5人(ここに6人目がいる?)。

 7に意味があるわけではない?


「しかし……なんにもないなぁ……」

 見渡す限り平べったい空間。

 一応空らしきものはあるけど、遠くを見ても一切の凸凹が見当たらない。


「螢子ちゃんが帰ってきたタイミングでこれ、ってなると。

 何かしら関係ありそうね~~」

 遠くを睨んで頭を悩ませていると、ミルティ先輩がいう。

「ですねぇ。

 感動の再会、したかったのに」

「今からでもいいわよ?

 おかえり、螢子ちゃん」

「ただいまです!」

 バッと両手を広げる先輩に飛び込み抱きしめられる。

 このふかふかした感触もよいなぁ……。


「お前ら、遊んでる場合じゃないぞ」

「どうやらそうみたいだな。

 ミル、じゃれてないで」

 ずっと黙っていたフーちゃんとクレィさんが戦闘態勢をとっている。

 けれど、視線の先には何もない。

「ミルティ、螢子ちゃんは任せるわよ」

「おっけーY。

 任せて」

 何かから守るように前に立つYさん。

 見上げると、ミルティ先輩も厳しい顔をしている。

 ……もしかして、このハグは私を守るため?

「さて、ボクも本気を出そうかな」


ぼふっ


「あ! 巨大もふもふ!!!」

 軽快な音と共に、ちっちゃなもふもふだった局長が、巨大な毛玉に変身していた。

 ミルティ先輩のふかふかも捨てがたいが、あのもふもふには抗いがたい魅力が……。

「いや、だから、これ『バトルフォーム』だからね?」

「こーら螢子ちゃん。

 あとで好きなだけ堪能させてあげるから、おとなしくしときなさい?」

「後で好きなだけ……わかりました! 今は我慢します!」

 ちょっとの我慢で大きなリターン。

 うん、素敵。

「……ちょ、ちょっとミルティくん?

 今、さりげなくボクを売り渡さなかったかい?」

「局長……諦めてください。

 今螢子ちゃんをフリーにはできないでしょ?」

「む、むぅ……確かにそうではあるが」


 こんな、漫才気味な会話をしつつも、誰も視線を逸らさない。

「螢子先輩、これを」

 千代ちゃんから小さくキレイな石を渡される。

「万が一のためのお守りです」

 そういった千代ちゃんも同じ虚空を見つめる。


 その時――


ピシッ


 空間に亀裂が入った!


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