第57話 親しい人
すみません、今回ちょっと短めです
「はい、それじゃこれね。
スキル:運命を告げるものだよ!」
ミニろくさまからスキルを受け取る。
これで5個目。
相変わらず不定形で掴みどころのないものではあるけど、掴む以前に体の中にスッと入ってしまうので問題はない。
そっちは問題ないんだけど……
「なんですか、その名前?」
「え? だってかっこいいでしょ?」
「いや……前に、別のミニろくさまから教えてもらった時は違う名前だったはずなんですけど」
えーっと、確か……うん、覚えてないけど。
「そう言われてもなぁ。
ほら、ボクたちってそれぞれリンクが切れてるから」
この会話も5回目だなぁ。
この辺、やっぱり弥勒さまだよね。
「螢子ちゃん、なんか失礼なこと考えてない?」
「そんなことないですよ?」
違う、って言ってるんだから、じーっと目を覗き込むのはやめて欲しいものだ。
◇
ミルティ先輩の星で2つ目のスキルを受け取ってから半年。
細かく説明をしてもらったおかげか、その後はサクサクと進んだ。
3つ目の扉の先はガス状生命体ファラスさんの故郷だった。
そこでは人が全部ふわふわとした雲のような形だし、地面もあるんだかないんだかって感じで不安定だし(みんな浮いてるんだから、地面なんてなくても困らないみたいだった)、あまりにも未体験すぎて大変だった。
しかも、ファラスさんみたく『脳に直接語りかける』的な会話ができる人はかなりレアで、意思疎通にも難儀した。
4つ目は調査部のステキなおねーさんこと、トカゲ人間のYさんの星。
トカゲ人間は見た目こそとかげだけど、それ以外は私たち地球の人間と変わりなく、そこは楽だった。
ただ、食事しにお店に入った時に虫っぽい料理しかなかった時は泣くかと思った。
スープとサラダだけ食べて出てきたよ……怖くてなんのスープなのかを聞く勇気はなかったけど……。
で、5つ目がここ、イケメンエルフのクレィさんが住んでいた世界。
ドコを見渡しても美男美女しかいなくて、エルフはんぱねーな、って思わずつぶやいてしまうほどだった。
子供でさえ8等身あるんだもの、理解ができなかったよ(流石に赤ちゃんは違った)。
そのせいか、ここのミニろくさまはやたらとイケメンオーラを出したがっていてちょっとうざ……もとい、微笑ましかった。
ミニサイズでやられてもなぁ……いや、元のサイズだとイラッとしそうだし、ある意味正解なのか。
「それにしても」
「ん?」
「あ、いえ」
考え事をしながら、つい口に出してしまっていたらしい。
「ミニろくさまがいる世界が、ことごとく私が転生局で知り合った人の故郷なのって、なんというか意図的な何かがあるとしか思えないなぁ、と」
最初の2つまでは、ただの偶然である可能性はあった。
けど、5つとも全部、ってなると……。
「ふぅむ、確かに偶然で片付けるには無理があるねぇ。
とはいえ、ボクとしてもスキルの気配を追ってきただけだしなぁ」
「考えてもわかりそうにはないですけどね。
だとすると、最後の扉はどこになるんだろう」
「他には知り合いはいないのかい?」
「いるにはいますけど、なんとなく『ある程度親しい人』っていう条件が付きそうだなぁ、と思って。
そうなると、あと出てきてないのはフーちゃんかもふもふか……」
けれど。
転移局の局長であるところのフーちゃんは天界出身だし、転生局のもふもふ局長は私と同じ地球出身だ。
場所は違えど、地球は千代ちゃんの里で1つ目の扉で行ったし、とはいえ天界ってこともなさそうだし。
「まさかの天界にあったりしてね」
「いやいや、さすがにそれはないですよ。
天界の人たち、かなり必死に探してたみたいですし、もし本当にそうならどんだけなんですか」
「あっはっは、だよねー」
「ですよー」
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