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どうやら、ホラー映画のモブに転生したらしい  作者: 御仕舞
第二章 怪物の園

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12/20

1 . 呪いの連鎖






 乗り越えたと思ったら、サークル崩壊。

この前のキャンプが原因?

殺人鬼の呪い?


 いいえ、違います。

サークルクラッシャーは、まさかの美咲と高森先輩の浮気だった。


 青天の霹靂すぎる。

最初怒ってる金光先輩から話を聞いた時は、季節外れのエイプリルフールを疑ったし、何かのドッキリだと思った。

でも、怒髪天な金光先輩を見ているうちに、現実を飲み込みざるを得ない。


 どうやら、美咲は山下先輩と関係を深めたくて、アタックの仕方を悩んでいたらしい。

奥手で清純派の美咲には男との付き合い方はわからない。

なら、サークルでも付き合いがあり、彼女もいて安心安全で、男の気持ちもわかるし、異性からはモテモテの頼れる男の高森先輩に相談を持ちかけていたらしい。


 そして、二人きりで相談しているうちに、弾みでいい雰囲気になり、やっちゃったと。

成り行きで、と泣きながら美咲は訴えていた。

責任取ってほしいとも。


 もちろん、クズな高森が責任をとるはずもない。

魔が差しただけだの、ごちゃごちゃ言い訳して、山下先輩と金光先輩にボコボコにされていた。

佐藤先輩はさっぱりしたもので、内心忸怩たるものはあるにせよ、高森先輩に欠片の未練もなく、二人をばっさり切り捨てた。


 一方山下先輩は、付き合ってはないけど、両片思いのような状態で寝取られたからショックも大きく、しばらく大学を休んで寝込んだらしい。


 金光先輩はせっかく立ち上げたサークルを壊され、高森先輩を見る度に殴りかかろうとするくらい一番ブチギレている。


 強子先輩はというと、実は既にサークルを辞めてたりする。

キャンプ後に体調回復してからも、サークルに来ず、先輩たちの口から辞めた旨を聞いた。

理由は、就活で忙しいということらしい。

幼馴染の強子先輩が辞めて、寂しがるかと思いきや、金光先輩はそうでもなさそうで、幼馴染といっても親しいわけでもなく、たまたま大学一緒になっただけ!浅い友人関係でしかない!となぜか金光先輩は必死に私に訴えかけていた。


 それよりも、思い入れのあるサークル崩壊が悲しいらしく、私に頻繁に連絡してきては、寂しいから会いたい、声が聞きたい、今どこ?誰と一緒?俺の部屋来ない?などと付き合いたてのカップルみたいなことばかり言ってくる。

もちろん、私は年齢=なので、貞操観念には自信があるため、個室に2人きりなど言語道断である。


 しかし、高森もやってくれたものだ。

おかげで、金光先輩の怒りの矛先の尻拭いは私がしてるんだぞ。

なんで30分ごとに金光先輩からLINEが来るんだよ、いい加減通知は切った。

命の恩人でもあるから強気には出れないけど、私の返信は一日二回の朝と夜である。用法用量は守る。



「おっ、肘置きはっけーん。な~に、睨んでんだよ」

「やっ、やめろおぉぉ!」



 思わず大学構内で高森の姿を見つけてしまい、無意識に睨んでいた。

女の敵め、私に触るな!

私の頭をワシャワシャとかき混ぜると、肘を置こうとしてきて、手を振り払う。



「触るな!クズが伝染る!」

「俺は病原菌かよ、絢音のくせに生意気だな。大体敬語はどうした、敬語は」

「敬語は敬う人に対してするもので、女の敵にするものじゃない」

「女の敵、ねえ」



 高森はポリポリと頭をかくと、睨みつける私に苦笑いを返す。



「まあ否定はしないわな」

「じゃあ、話しかけないでくれます?ひええ、来るな来るな、しっしっ。私の守り抜いた清い体が汚されるぅぅ」

「誰がお前みたいなちんちくりんに手を出すか!」

「はああああああ?!ち、ちんち?!セクハラ!セクハラ男だ!」

「英語でシックスって発言するたびに反応する中学生男子かよ。あのなあ、言っとくけど、俺にだって好みってものがあるんだよ。お前みたいなガキみたいなのは興味ねえの。ロリコンの金光とは違うんだよ」

「あ、金光先輩からメッセージ来てる」

「申し訳ありません、絢音様。金光様はロリコンなのではありません」

「次会った時は保険証を忘れない方がいいって」

「病院送りかよ、勘弁してくれ。喧嘩は自己負担だから、保険証持ってても意味ねえよ。だいたい、なんで金光がお前とのやり取り知ってんだよ?」



 私はキョロキョロと辺りを見回しだす高森の背後を指さす。

階段の陰に隠れている山下先輩がじっとこちらを見て、携帯を向けている。



「……………や、やました」



 流石の高森も気不味そうだ。

山下先輩、金光先輩、高森は高校からの友人と聞いたことがあるから、なんで山下先輩の好きな相手を寝取ってしまったのか。

佐藤先輩よりも、高森は山下先輩や金光先輩に負い目を感じているようだった。


 高森は、山下先輩を見るなり、そそくさと立ち去ってしまった。

それと同時に山下先輩は携帯を下ろし、私と見つめ合う。

どんよりした死んだ目と目が合い、そらすことができない。


 気まずいまま、私は山下先輩にゆっくり近付いた。



「山下先輩…」



 何かブツブツ呟いている。



「………呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ………」



 うーん、かーえろっ!!








→山下先輩に気付く

山下先輩に気づかない




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