星か綺麗な夜に
「あれがおおいぬ座矮小銀河、隣のがM87」
「へぇ、案外小さいんだな」
常闇を必死に照らす小さな光達。その白い光が黒い色を飲み込むことはきっとないだろうけど、それでも黒にとっての脅威となっているのは間違いない。
この無数の星たちから僕らと同じようにこちらを覗いている誰かがいると思うだけでロマンが広がる。
「なあ、宇宙の外ってさ、何があるとおもう」
そいつは空から目を離すことなく僕に話しかけた。
「さあ?どこかの学者は、強力な真空があるって言ってたぞ。僕たちのいる銀河はどんどん吸い取られてるんだって。つまりなんにもない。」
「つまらんなお前は。もっとロマンはないのか。年老いて常識に囚われたおじさんか」
「誰がおじさんだよ」
一緒に小さな声でクスクスと笑う。
「ほんとに行ってみないか、いつか!今まで偉そうに語っていった科学者どもの論を覆してやるんだ。実際行ったら違うじゃねぇかって!俺は本気だからな」
「あはは、そんなの夢物語だろ。まず宇宙飛行士になること自体難しいのに。テレポーションのある宇宙船が作られるまで待ったら数百年はかかりそうだぞ」
「俺なら宇宙飛行士なんてなると思えばなれるさ。あとは行く手を阻むブラックホールだな!吸い込まれたら体が伸び縮みして、最後は地表の熱でゆっくり灰になるんだってよ。」
「それ全然笑えないからな」
僕たちは未来に酔っていた。まるで生まれる前の胎児のように。
なんだっていい。楽しいことを考えよう。
なんせ、時間だけは腐るほどあるのだから。
いまいまいです。
SF書けるかか分かりません。何年も前から構想していたものをゆっくり書きます。
私は序盤だけ考えて放置してしまう人間なので、ちゃんと完結に導きけるよう頑張りたいと思います。