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眠れる星の少女  作者: 今井まい
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1空から落ちてきたもの


西暦20××年、私たちの日常は突如崩壊した。




その日は新月の空。美しく星がきらめく中、なんの前触れもなく巨大な光に飲み込まれた。隕石は闇夜を一瞬で昼間の青空に変え、大きな爆音とともに世界を恐怖に陥れた。

かつて、メキシコのユカタン半島に落ち、恐竜たちを根絶やしにしたきっかけとなった隕石と同じように、人類も滅亡するのではないか。と騒ぎ始めたものの、科学者が予測した太陽を隠すほどの粉塵は起こらず、しばらくして騒ぎは収まった。

しかし、ちょうど1ヶ月と半月たった時、人類の理解の範疇を超えることが起きた。


時間が止まったのだ。


正確に言うと、時間自体が止まったのではない。意識の活動が全人類同時に停止するのだ。

それは不規則にやってきた。初めて起こったときは3時間。1日後に2時間、3日後に4時間。予測のつけようがなかった。

人類だけが突然意識がなくなり、魔法にかけられたように眠る。


初めての時空波では世界中が大混乱に陥れられた。空を飛んでいた飛行機は動力を失い落下。高速を走っていた車は猛スピードで全車追突事故。ただ一つ救いと言えるのは、痛みを感じずに死ぬことが出来たということだろうか。


そしてもちろんその犯人は隕石である。

落下した隕石の核は太平洋のど真ん中に落ちた。

それは実に奇妙であり、数日経って隕石の外壁がはがれると水晶のような透明な姿をしていて、地球上のどの物質でもないことがわかった。いくつもの国が破壊活動をおこなったが、未知の物質には傷一つつかなかった。太平洋にある核の大きさは、縦3キロ、横1キロ。地面に刺さったような隕石が発する熱エネルギーが最小値を記録した時、爆発するかのように一気に最高値になり、隕石は青く光り輝く。そうすると世界中に特殊な電磁波が放たれ、それを浴びた人間は意識を失う。


人はその電磁波を「時空波」と呼んだ。


時間はかかったものの、5年も経つと人類は適応し始めた。いつ「時空波」が発生してもいいように道端に「簡易カプセルホテル」を大量に設置し、「時空波」の来る時間を的確に予測できるまでになった。人々はメディアで予報の情報を得ると、一斉に家に帰りベットに入る。全人類が熟睡することができるので寝不足という言葉は無くなった。時間が止まってる間は電力供給が全て停止するので、空気中の二酸化炭素濃度は減少、安眠することで犯罪率も減り、(高級羽毛布団はよく盗まれるが)ある意味平和になったと言えるのであろう。無条件で安眠できることのメリットから時空波が来ることへの渇望を持つ人々が現れ始めた。




しかしここにたった1人不眠症になった女がいる。それが私だ。「時空波」を受けても眠らない。その瞬間だけ、この世でただ1人起きている人間になる。


このお話は、眠れなくなった私が再び寝ることが出来るようになるまでのお話である。










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