↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/25

第13話:羽毛の新聞配達員と逃亡

武装海賊ガレオン船の平和は、きっちり正午までしか続かなかった。


レオンは舵の近くの樽に快適に座り、太陽を浴びながら新鮮な水を飲んでいた。

その時、鋭く甲高い口笛が空の静寂を切り裂いた。


船長の犬の耳がピンと立ち、彼は勢いよく立ち上がった。

黒いシルエットが猛スピードで雲から急降下し、彼らの船の甲板に一直線に向かってきていた。


茨のミノタウロスが斧を掴み、攻撃の構えをとったが、レオンは前足を上げてそれを制した。

その生き物は攻撃しているのではなく、ブレーキをかけていたのだ。


力強い羽ばたきと共に、その姿は手すりにふわりと降り立った。


それは、タイトな革の制服に身を包み、紙の束が詰まった巨大な鞄を肩から下げた鷹人ホークマンだった。

彼は誇り高い眼差しと鋭いくちばしを持ち、ひどく急いでいるような態度をとっていた。


「南海ガゼット!特別号だよ!」


鷹人は、丸めた新聞を取り出し、翼でレオンに差し出しながら甲高い声で言った。


「銀貨2枚だ、犬っころ!急いでくれ、日没までにあと100隻も回らなきゃならないんだ!」


レオンは胸の前で腕を組み、軽蔑の眼差しでその鳥を見た。


「ただの紙くずの束に銀貨2枚だと?忘れな、小鳥さんよ」


犬人は、新しく手に入れた戦利品をケチりながら答えた。


「ニュースなんて興味ない。俺の船から降りろ」


鷹人は鼻を鳴らし、苛立ちながらくちばしを鳴らした。


「紙くずだと?この無知な野良犬め、自分が何を見逃しているのか分かってないな!」


新聞配達員は飛び去る代わりに、鋭いスナップで新聞を広げ、文字通りレオンの鼻先に叩きつけた。


「これを見な、ケチ野郎!お前がトップ記事だぞ!」


レオンは眉をひそめ、印刷された紙面に視線を落とした。彼は息を呑んだ。


「航路の新たなる脅威」という巨大な見出しの下に。

ページ全体を使って、船長の三角帽子を目深に被り、牙を剥き出しにした彼の犬の顔が信じられないほど詳細に木炭画で描かれていた。


電光石火の動きで、レオンは鷹の爪から新聞をひったくり、銀貨2枚を投げつけた。

鳥はそれを空中でキャッチすると、手すりから飛び降り、超音速で空へと消えていった。


「どうしたの、船長?」


アナベルがポールの横を走り寄ってきて尋ねた。


レオンは答えなかった。彼はただ新聞を彼らの方へ向け、そこに印刷された本格的な手配書を見せた。

魔法の羊皮紙はわずかに光を放ち、名前と懸賞金を強調していた。


【 海軍手配書 】

手配対象:レオン ”犬人ドッグマン”

罪状:軍艦の破壊、海賊行為、深淵の魔術。

懸賞金:金貨20,000枚(生死問わず)


ポールの黄色い目は極限まで見開き、尻尾の毛はまるで感電したかのように逆立った。


「に、二万だと?!」


猫の獣人は震える爪でその数字を指さし、悲鳴を上げた。


「船長、正気か?!とんでもない額だぞ!一体何をしたんだ?!

俺たちがさっき倒したクロコダイル船長でさえ15,000だったし、俺の前の不運なベテラン海賊の船長でも最高18,000だったんだぞ!海に出てからまだ昨日だっていうのに!」


「俺を見るな」


レオンは無実を装いながら髭を撫でて弁明したが、その胸には誇りが膨らんでいた。


「新聞で自分の顔を見るのはこれが初めてだ。それにしても、”犬人”か…もうちょっとマシな異名は思いつかなかったのかね」


一方、アナベルは身を乗り出し、懸賞金の横の小さな文字を熱心に読んでいた。


「これを聞いて」


リザードマンの少女は、縦長の瞳孔をショックで細めながら言った。


「対象は極大レベルの召喚士として分類されている。最後に目撃されたのはポート島沖で、そこで彼は闇の魔術を用いて巨大な海獣を召喚し、剣を抜くことすらなく、海軍の軍艦2隻を破壊し、守備隊全体を壊滅させた、だって」


アナベルは新聞を下ろし、読み取れない表情でレオンを見つめた。


「私はあの船にいたのよ、レオン。軍艦があの触手に飲み込まれるのを見たわ」彼女は声を潜めて囁いた。

「でも、あなたに海獣を召喚するスキルなんてないって、はっきり覚えてる…あなたはただ目を閉じただけ。あの獣を召喚したわけじゃないわよね?」


レオンは歪んだ、ずる賢い笑みを浮かべた。


「『運(LUCK)』のステータスに大量のポイントを振ってるって言っただろ、アナベル。時々、海がちょっと手を貸してくれるのさ」


アナベルは瞬きをし、縦長の瞳孔を細めると、ポールと困惑した視線を交わした。


「船長…『運(LUCK)のポイント』ってどういう意味?」リザードマンの少女は尋ねた。


レオンは、まるで彼女が当たり前のことを聞いたかのように見た。


「LUCKステータスだよ。『速度(SPD)』の下の一番最後にあるやつだ。文字通り、俺のポイントを全部そこに突っ込んだんだ」


ポールは黄色い目を見開き、尻尾の毛を逆立てた。

彼は自身のシステムハブを呼び出し、レオンの方へ向けた。


「船長、ここを見てくれ。俺たちの中に『運』なんてステータスを持ってる奴はいない。

HP、攻撃力(ATK)、防御力(DEF)、速度(SPD)しかないんだ。あんたの言ってることは、システム上では文字通り不可能なんだよ」


レオンは猫の獣人の画面を覗き込んだ。本当だった。

LUCKの行がそもそも存在しないのだ。彼こそが、この海全体でそれを持っている唯一の存在だった。


ポールは画面を下ろし、突然のひらめきに息を呑んだ。


「それだ…それで全部説明がつく!どうしてあんたがこんなエリートモンスターたちを全員クルーにできたのか、その理由だ!」


「どういう意味だ?」レオンは眉をひそめて尋ねた。


「海賊船長の勧誘スキルなんて、ほとんど成功しないって意味だよ!」


ポールは、ミノタウロスとオークたちを激しく身振りで指し示しながら説明した。


「倒した敵にクルーになれと提案するのは、純粋なサイコロの運任せなんだ。

もしモンスターの魂が拒絶したり、敵意が強すぎたりすれば、死体は単に消滅してしまう。


それに絶対的なシステムルールがある。一度クルーに誘って目覚めなかったら、二度と起こることはない。同じ死体でやり直すことはできないんだ。

普通の船長なら、運が良くても10体に1体勧誘できればいい方さ」


そのネコ科の獣人は信じられないというように一歩前に出た。


「だがあんたの成功率は100%だ!あんたが指さした全ての生き物が、あんたに仕えるために立ち上がった。

あんたの異常性…あんたのそのデタラメな『運』が、システムに常に『イエス』と言わせているんだ!」


リザードマンの少女は首を振り、その概念の異常さにショックを受けていた。


「もし海軍が、あなたにあんな獣を召喚したり、システムのルールを思いのままに曲げたりする隠しスキルがあると思い込んでいるなら、彼らはあなたに一息つく暇も与えないわ。

提督や艦隊全体を送り込んで、あなたを狩り——」


ドズーーン!!


アナベルには文を最後まで言い終える時間がなかった。


船の船首からわずか60フィートのところで巨大な水柱が爆発し、何ガロンもの海水が甲板に降り注ぎ、彼らを頭から爪先までずぶ濡れにした。


全員が急いで船尾の方を振り返った。


水平線の深い霧の中から、青い帆を張った巨大な白い船が、全速力で波を切り裂きながら音もなく現れた。

海軍の紛れもない青い虎の紋章が船首で輝いていた。


前甲板の砲門からは、今しがた放たれた威嚇射撃の煙がまだ立ち上っていた。


「クソッ」レオンは濡れた目をこすりながら唸った。

「この場所じゃ、名声を味わう時間すら一分たりとも与えられねえな!」


【 警告:敵対的交戦を検知 】

【 海軍軍艦 】


「船長、正面から戦うにはデカすぎるし速すぎる!あれは大型追撃艦だ!」

ポールがサーベルを抜きながら警告した。


「分かってる、磨きたての船を沈めさせるつもりはねえ!」レオンは舵輪にいる亡霊に向かって振り返った。

「アリック!面舵いっぱい、出せる限りの最高速度を出せ!オーク、ミノタウロス!船尾砲へ!奴らを近づけないために火を吹かせてやれ!」


クルーたちは即座に行動に移った。


亡霊の副船長が魔法の風で帆を満たして船を前進させる一方、茨のミノタウロスは煙を上げる大砲の一つを掴んだ。

狙いをつける時間さえほとんどかけず、獣は発砲した。


重い鉄の弾が完璧な弧を描いて空を飛んだ。


雷鳴のような木が砕ける音と共に、砲弾は海軍の船のメインマストに直撃して真っ二つに折り、巨大な青い帆を敵の甲板に直接叩き落とした。


軍艦はほぼ瞬時に速度を落とし、自身の残骸に行手を阻まれ、兵士たちは呪いを吐きながら甲板の片付けに奔走した。


レオンは弾薬庫をちらりと見て、素早く暗算をした。最初の一斉射撃の後、彼らの弾薬はすでに底を突きかけていた。


「ナイスショットだ、デカブツ!」レオンは吠えた。

「だが撃つのは待て、残りの弾はきっちり13発だ。本当に必要になるまで無駄遣いするな!」


敵の遅れに乗じて、レオンは操舵輪へと走り、副船長のそびえ立つ氷のような姿の隣に立った。

その亡霊の周囲の空気はあまりにも冷たく、結露が生じていた。


「アリック!お前はこの海の海賊の専門家だ!」レオンは空の水平線を見渡しながら叫んだ。

「奴らを撒くために一体どこに隠れりゃいい?!」


亡霊の副船長は一言も発さなかった。

彼はただ霧と氷でできた腕を上げ、現在の位置からわずかに西の霧から現れた、巨大な黒い影に向かって空気のような指を向けた。


アナベルは目を細め、息を呑んだ。


「あれ…あれはマウンテン島よ!」リザードマンは叫んだ。

「アリックの言う通りだわ。あそこはビーチもない、居住不可能な巨大な岩の塊よ。中に入る唯一の方法は、山の側面をまっすぐ登る巨大で古代の水門システムだけ!」


「完璧だ!山登りツアーに出発だ!」レオンは命じた。


海賊船は限界まで駆り立てられ、稼いだ時間を利用して島の周りを大きく旋回し、未だに水平線でもがいている海軍の視界から完全に姿を消した。


二つのそびえ立つ崖の間に隠された入り口を見つけると、彼らは狭い水路へと滑り込んだ。

水門システムは別時代の工学技術の結晶のようであり、苔むしてはいたが、まだ完璧に機能していた。


アリックは巧みな操縦で船を一段ずつ上の階層へと導いていったが、レオンは頂上まで進まないよう命じた。


「ここで止めろ!」船長は命じた。


彼らは少しだけ上昇したところで、山を覆う巨大な針葉樹の深い森のふもとに抱かれた、穏やかで深い青色の湖に到着した。

しかし、澄んだ湖水の真ん中に留まれば、海軍の鷹人が上空を飛んできた場合、格好の的になってしまう。


「全員、船から降りろ!」


レオンは岸に飛び降り、太い係留ロープの一つを掴みながら命じた。


「隠すんだ!」


それは壮大な作業だった。


ミノタウロス、三体の海オーク、三体のレヴナント海賊の怪力と、「船長の心キャプテンズ・ハート」のバフを組み合わせることで、ガレオン船全体が草の土手へと引き上げられた。


威風堂々たる武装海賊ガレオン船が森の影に完全に飲み込まれ、古代の木々の巨大な天蓋の下に完璧に隠されるまで、彼らはそれを少しずつ引きずった。


レオンは息を切らして草の上に倒れ込み、モンスターたちは仕事を終えた満足感から唸り声を上げた。


アナベルは木の幹にもたれかかり、手の汚れを払いながら、長い安堵の息を吐いた。


「やったわね…」リザードマンの少女は縦長の瞳孔を少しの間閉じながら言った。

「この深い森に隠れていれば、奴らに見つかることは絶対にない。あんな大仕事の後だし、これでようやく少し休めるわね」


しかし、アリックはその意見には賛同していないようだった。


偉大なる氷河の亡霊は、彼らの隣に音もなく浮かんでいた。

彼は音を立てることなく、再び凍りついた腕を上げた。


彼は野営を張る場所を指しているのではなかった。


アリックは森の深い闇の奥、山の頂上に向かって真っ直ぐ指を差し、あそこに何かがあるということを絶対的な明確さで示していた。


どうやら、彼が船長に見つけてほしいと望む何かが。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!


もしこの物語を少しでも「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、ページ下部よりブックマーク登録と、【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして評価をしていただけると大変嬉しいです。


また、もしよろしければ、お友達や知人の方にこの小説をおすすめしていただけると、作者としてこれ以上ないほどの励みになります!


皆様の温かい応援が、毎日の執筆の最大のモチベーションです。

これからもレオンと最凶の海賊団の航海をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。