1話 HERO
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第1話 HERO
俺の人生は今日大きく変わった。
<とある高校>
ガラガラガラガラ
俺は教室のドアを開け、自分の席へとついた。
すると、茶髪のくせっ毛の背の高いイケメンはスマホをいじりながら
「おっ、亮おはよう」
「おはよう」
「おい、今日もでたぜ」
と嬉しそうに言いながら、俺にスマホの画面のSNSを見せてきた
「横浜ヒーロー現る。
今日の朝7時に停車していた軽トラの積荷が崩れ子供が下敷きになりそうなところを
現れたヒーローが子供を抱えて助けた」
とSNSには子供を抱えた仮面を被ったスーツ姿のヒーロの写真と一緒に書かれていた。
「いやー、やっぱかっこいいよなこのヒーロー」
「そうだな」
写真を見ながら嬉しそうに話している。
ここ最近SNSやネットではこのヒーロが話題になっている。
街に現れては今回のように人を助けてはどこかに消える。
人間離れしたパワー、
正体不明の仮面のヒーロ。
正体は何なのか?警察なのか?はたまた謎の謎の組織なのか?
ネットのスレなどではこの話題で尽きない。
そんな謎のヒーローの正体は何を隠そうこの俺”楠 亮”である。
そうなった経緯は3週間ほど前にさかのぼる
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<3週間前>
夜8時の帰り道。人通り少ない道を歩いていた俺はおそらく車に跳ねられ、気を失った。
目が覚めて体を確認した。
「あっれー、俺車と…」
しかし、体はどこも痛くなく、異常もなかった。
ある一部の場所を除いて。
カチャ
「んっ、なんだこれ?」
俺の左腕には画面に2つのボタンが表示されるスマートウォッチのような物がついていた。
俺は興味本位で1つボタンを押してみた。
ピカーン
「なっ、マブッ」
すると、突然俺の体が光だした。
「何だ、今のって、んっ!」
光が収まり、俺はいつのまにかヘルメットを着ていた。
体も見慣れないスーツを纏っていた。
俺は近くのカーブミラーの方に行き、自分の姿を確認してみることにした。
「おっ、これは」
俺の姿はテレビの特撮のヒーローのような姿になっていた。
「中々、カッコええな」
俺はこの姿を気に入り、しばらくミラーの前でポーズをとった。
「何かヒーローみたいだな」
俺は構えて目の前のカーブミラーの棒に空手の正拳突きのように軽くついてみた。
グニャン
「えっ!!」
カーブミラーの棒が車がぶつかった時のように曲がった。
俺は焦って棒を触り材質を確かめたが、”鉄”である。
俺には当然”鉄”を殴って曲げる人間離れした力は持っていない。
では、なぜ?
「もしかして、このスーツか?」
俺は確かめるようにジャンプをしてみた。
すると、近くの建物よりも高く飛び、屋上に着地した。
「まじか!これってヤバイ奴なんじゃないか?」
俺は左腕を見ながらそう思った。
その思いと同時に
「でも、コイツがあれば俺はヒーローに」
とも思った。
「まっ、俺のじゃねえしなそんなことしねえけどな」
俺は時計を取ろうとしたが、
「あれ?」
うんともすんともせず、とることができない。
画面の返信時とは違うボタンを押してみると、再びヒカリ、仮面とスーツが消えた。
その後も、同時押しなども試してみたが全くとることができなかった。
さて、どうするか?そもそも何なんだ?誰の何だ?
そんな疑問が頭の中でずっと回った。
そして、
「んー、とりあえず使っていくか」
という結論を出した。
コイツを使って目立っていれば、持ち主が現れるからと考えたからである。
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そして、今に至る。
ネットでは少し話題にはなったが、今のところ持ち主は現れていない。
最近は本来の目的である持ち主探しよりも、ネットでチヤホヤされて自己顕示欲を
満たすようになっていってる。
「はー、俺も生で会ってみたいぜ」
俺に記事を見せてきたコイツは”乾 蓮”俺の中学からの親友である。
そして、俺ことヒーローの大ファンで俺が活躍するたびに知らせてくる。
「何々、二人で何見てんの?」
俺と蓮が話していると、横から女子が一人話しかけてきた。
名前は”立花 雪音”雪のような白い髪のショートカットで、
コミュ力が高く、クラスの中心の人物である。
「これだよ、これ」
蓮はイキイキと立花にスマホの画面を見せた。
「あー、今日も出たんだ。カッコいいよね」
と二人で話、俺はそれを聞きながら自己顕示欲を満たしていた。
しばらく、会話していると、担任が来て、二人は自分の席へと戻った。
俺は窓を見ながら早く放課後にならないかと願った。
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「じゃあ、リョウまた明日な」
「おう、部活がんばれ」
放課後になると蓮は急いで部活へと向かった。
帰宅部の俺はゆっくりと支度をして学校を後にし、駅に向かった。
駅に向かう途中俺は、何かないか注意深く探したが、変身するような出来事はなかった。
まあ、毎日何かあるという事はなく、ここ3週間で変身したのは7回ほどであった。
「今日もなんにもなしか」
俺は少し落胆し、改札に向かおうとした。
ウワアーーーーーー
大きな声がいくつも聞こえた。
「何だ、何があったんだ?」
俺は急いで声の方へと向かった。
声がした所と思われる場所には人だかりができていた。
その場所を覗いてみると
「ウッ!!」
その中心には人間とは思えない黒い皮膚の角の生えた大きな化け物がいた。
化け物は暴れていた。
何人かの人が止めよう抑えていたが、全く話にならず、2人ほどが道端に倒れていた。
「何かの撮影か?」
「強すぎだろ」
「すげえ、着ぐるみだな」
周りの野次馬はそんなことを話しながら、騒いでおり、あまり危機感がなく、スマホで
撮影などをしていた。
これはチャンスだ!
俺は心の中でこんな展開、テレビのヒーローのような展開を期待していた。
あの化け物見たいの奴はすごい強そうだが、俺なら何とかできる。
その自身から俺はすぐに近くの建物の屋上に向かった。
屋上に付いたら、ボタンを押して変身をし、
「そこまでだぁ」
思いっきり叫んび、
スタッ
地面へとカッコよく着地した。
「オマエハ、ナニモノだ?」
しゃべるのかと思いつつ、俺は化け物に指を向け
「お前を倒すヒーローだ」
と答えた。
オォォォォォォぉー--
周りからは大きな歓声が聞こえ、とても気持ちがいい。
最高にキマッタ
俺が気持ちよさに浸っていると、化け物が詰め、俺の顔面目掛けて殴りかかってきた。
俺はそれを防ぐために、両腕を顔の前でクロスする体制をとった。
ガンッ
「ウッ!」
俺の腕には想像以上の衝撃が走り、腕が痺れた。
俺が腕の痺れに驚いている間に化け物は俺の腹を目掛けて拳を突き出してきた。
その時の奴を俺は怖いと思ってしまった。
ドンッ!
俺は腹を殴られ、その威力で俺は後ろのガードレールまで吹っ飛んだ。
ガードレールは俺の体に合わせてひん曲がり、俺は倒れた。
周りは一瞬静まりかえったが、すぐに
うわぁぁぁぁぁぁぁ
周りから悲鳴が聞こえた。
野次馬たちもこの状況はヤバイと思ったのか、逃げ始めた。
化け物はこの状況に口を大きく開けて笑いは始め、俺は戦意を失ってしまった。
この一瞬で俺は恐怖を覚えてしまった。
だって、しょうがないじゃないか。
今でも、殴られた腹や腕がまだ痺れて痛い。
こんな経験は生まれて初めてだった。
このスーツは確かにすごい。
身体能力がすごく高まるし、建物から飛び降りても全く痛くなかった。
奴の攻撃に対しても、多分普通の状態だったら骨が折れただろう、いや死んでもおかしく
なかっただろう。
このスーツのおかげでこの程度で済んだのだろう。
今の俺にはヒーローになるための”力”は持っている。
だけど、俺はヒーローに必要な”心”を持っていなかった。
それもそうか、世の人助けをするような人は”力”があるから人助けをしていない。
その”心”があるから人助けをしているのだろう。
俺は”力”を手に入れ調子に乗って、自分の自己顕示欲を満たしているだけだった。
だから、俺の心は折れてしまった。
まあ、何とかなるだろう。
警察とか誰かがあの化け物をどうにかしてくれるだろう…
あの化け物かを?
できるのか?
あの圧倒的な力を持っているのに。
このスーツがあれば何とかできるかもしれない。
でも、俺はもうだめだ
あの化け物を見てみると、周りの者を壊しまわったりして暴れていた。
何人か止めようとしたのか、奴の周りで倒れていた。
その光景に震えが止まらなかった。
しょうがないよな。
すると、逃げ遅れた一人が転んだのが見えた
それは見覚えのある女、立花だ。
化け物はそれに気づき、近づき始めた。
ヤバイ
誰か、助けてくれ
誰が?
誰が助けられるんだ、あの化け物から?
俺だったら。
俺が…
化け物が立花を殴ろうと拳を振り上げ
キャッ!
拳を振り下ろした。
ドンッ
俺はその拳を受け止めた。
俺にはヒーローに必要な”心”を持っていなかったのかもしれない。
だったら今作って、持てばいいだけの話だ。
俺は覚悟を決め、化け物の顔目掛けて拳を思いっきり突き出した。
ガン
化け物はよろけ倒れないように踏ん張っている。
俺はそのスキに拳を引き、勢いをつけ、奴の腹を思いっきり殴り飛ばした。
ドン
化け物は2,3歩後ろに下がり、腹を抱えながらその場に倒れた。
周りの人はその光景を見て、
「おっ、倒したぞ、ヒーローが倒してくれたぞ」
わああああああー-
周りが一気に沸いた。
勝ったのか?
緊張の糸が切れて、一気に疲れが来て、空を見上げた。
「あのー」
立花が俺におそるおそる俺に話しかけてきて、振り向いた。
泣きそうな顔で
「助けてくれて、ありがとうございました。」
礼を言い、頭を下げてきた。
しばらくして、顔を上げ俺からの反応を待っていた。
だから俺は、握った手を顔の横に持ってきて、親指を自分に向け、堂々と
「助けるのは当たり前さ、だって俺は”ヒーロー”だから」
仮面で顔は見えないだろうが思いっきり笑顔で俺は答えた。
この日俺は”ヒーロー”になった。
閲覧ありがとうございました。
次回は今週中頑張ってみます。




