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青春学校  作者: むにょこ
小学校編

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小学校編 76時間目 ―さすが大将騎!?4人の頼もしいチームワーク―

〈紗奈視点〉

 今日は、いよいよ騎馬戦の練習!

 女子の騎馬も、それぞれ実際に組んでみることになった。

 そして、私たちの騎馬は……。

 なんと、大将騎!

 ……いや、まあ。

 大将に選ばれたのは私なんだから、当然といえば当然なんだけど。

 それでも、やっぱり少し緊張する。

 だって、大将騎ってことは、私たちが倒されたら大変なんだよね。

 ほかの騎馬のみんなも頑張ってくれるんだから、私たちもしっかりしないと!

 私は、目の前にいる三人を見回した。

 桃、美香、愛理。

 この三人が、私を支えてくれるメンバーだ。

 ……うん。

 なかなか頼もしい顔ぶれだと思う。

 ただ、一つだけ心配なことがあるんだけど……。

 それは、またあとで考えよう。

「なんだかんだで、私たちの騎馬、大将騎なんだから、頑張ろうね」

 私がそう言うと、桃が少し緊張したように頷いた。

「う、うん! 頑張る!」

 続いて、美香が勢いよく手を上げる。

「頑張ろー!!!」

 ……元気だなぁ。

 まあ、美香が元気なのはいつものことだけど。

「頑張りましょ……」

 愛理も、静かに頷いた。

 ……よし。

 みんな、やる気は十分みたい!

 それじゃあ、早速組んでみようかな。

「いっくよー! せーの!」

 三人がそれぞれの位置につき、タイミングを合わせて立ち上がる。

 すると……。

「ぬぉぉぉぉぉ!」

 …………。

 えっ。

 何!?

 今の声、何!?

 下を見ると、桃がものすごい気合いを入れていた。

 ……いやいやいや。

 そんなに力まなくてもいいんじゃない!?

「桃、気合い入れすぎ……」

 愛理が、ぽつりと呟いた。

 ……うん。

 私もそう思う。

 というか、桃。

 騎馬を組むだけでそんなに気合いを入れてたら、本番まで体力が持たないんじゃない?

 ……まあ、桃らしいといえば桃らしいけど。

 でも、そんなことを考えているうちに……。

 …………。

 あれ?

 もう立ててる?

 しかも、全然ぐらぐらしない。

 ……えっ。

 意外と、すんなりできちゃった!?

「意外とすんなりできちゃったね」

 私は、少し驚きながら言った。

 初めてだから、もっと苦戦するかと思っていたんだけど……。

 どうやら、私たちは最初から上手くタイミングを合わせられたみたい。

 ……うん。

 これは、なかなかいい感じ!

 でも。

 ここで、私はあることを思い出した。

 ……そうだ。

 ちゃんと言っておかなきゃ。

「あ、桃。手、気をつけるんだよ」

 私がそう言うと、桃が顔を上げた。

「そういえば、美香もフルート始めたって言ってたんだから、手、気をつけてね」

 そう。

 私が心配していたのは、二人の手のこと。

 桃は、いろいろと手を使うことが多いし……。

 美香は、最近フルートを始めたばかり。

 騎馬戦で手を痛めたりしたら、大変だもんね。

 もちろん、誰だって怪我をしない方がいいんだけど。

 この二人は、特に気をつけてほしい。

「分かってる!」

 桃が、元気よく答えた。

「もちろーん!」

 美香も、明るく返事をする。

 …………。

 ……本当に分かってる?

 いや、信じたいんだけど。

 この二人、なんだか勢いで動きそうなんだよね……。

「何かあったら、私が支えるから……」

 そのとき、愛理が静かに言った。

 …………。

 愛理……!!

 なんて頼もしいの!!

 いや、本当に。

 この三人の中に愛理がいてくれて、よかった……。

 だって。

 あの二人、特に桃は、何かあったらすぐ手を離して逃げそうなんだもん。

 ……恐ろしい。

 もちろん、桃だってちゃんと頑張ってくれるとは思うけど……。

 何というか。

 危ないと思った瞬間、反射的に逃げそうなんだよね。

 その点、愛理がいると心強い。

 落ち着いてるし、周りのこともよく見てくれるし。

 ……うん。

 大将騎としては、かなりいいバランスなのかもしれない。

 桃と美香が元気いっぱいで。

 愛理が、しっかり支えてくれる。

 そして、私が騎手。

 ……よし。

 これなら、頑張れそう!

「あっさり騎馬組めちゃったから、ちょっと練習してみる?」

 私は、三人に声をかけた。

「そうだね! やってみようー!」

 美香が、元気よく答える。

「うん!」

 桃も頷いた。

「そうね……」

 愛理も、賛成してくれた。

 ……よし!

 それじゃあ、次は実際に動いてみよう!

 大将騎なんだから、簡単には倒されないようにしないとね!

―――しばらくして―――

 それから私たちは、いろいろな動きを試してみた。

 ゆっくり前に進んでみたり。

 方向を変えてみたり。

 私が上で体を動かしてみたり。

 もちろん、最初から無理はしない。

 みんなで声をかけ合いながら、少しずつ練習していく。

 ……すると。

 …………。

 あれ?

 思っていたより、ずっと上手くいってる……?

 最初から騎馬を組めたのもそうだけど、動くときも意外と安定している。

 桃も美香も、さっきまでの勢いが嘘みたいに、ちゃんと動きを合わせてくれている。

 愛理も、二人を支えながら落ち着いて動いてくれている。

 ……うん。

 なんだか、すごくいい感じ!

「いろいろ試してみたけど、意外といけそうね!」

 私は、三人に声をかけた。

「うん! 私たち、才能あるのかな……!」

 桃が、嬉しそうに言った。

 ……ふふっ。

 どうだろうね?

 でも、確かに初めてにしては上出来だと思う。

「さすが大将騎だよねー!! この調子でどんどん頑張っちゃおー!!」

 美香が、元気いっぱいに叫んだ。

 ……あはは。

 美香は、本当にいつも楽しそうだなぁ。

「そうね……」

 愛理も、小さく頷いた。

 ……うん。

 この調子なら、もっと練習すればかなり上達できそう。

 もちろん、まだ本番のように激しく動いたわけじゃない。

 相手の帽子を取る練習だって、これからだ。

 でも、最初の練習としては、十分いい結果だったと思う。

 ……よかった。

 大将騎なのに、全然組めなかったらどうしようかと思ってたんだよね。

 これなら、少し安心できそう。

 私は、周りの騎馬にも目を向けた。

 ……あっ。

 どうやら、ほかの女子の騎馬も、全部組めるようになったみたい。

 有羽たちの五人騎馬。

 紺たちの騎馬。

 綾音たちの五人騎馬。

 未穏たちの騎馬。

 みんな、それぞれ練習を頑張っていたんだろうなぁ。

 ……うん。

 よかった。

 最初はどうなることかと思ったけど、女子の騎馬は全部、無事に動けるようになったみたい。

 これなら、次の練習も楽しみだね!

 ……さて。

 私たちも、もう少し頑張ろうかな。

 そう思って、ふと校庭の向こうに目を向けると……。

 …………。

 ……ん?

 あれ?

 なんか……。

 男子勢、またごちゃごちゃしてるような……?

 …………。

 えっ。

 ちょっと待って。

 また?

 ……またなの!?

 女子は、こんなに順調に練習できてるのに……。

 男子は、一体何をしてるんだろう……?

 …………。

 ……まさか。

 また揉めてるんじゃないでしょうね……?

 私は、少し呆れながら、男子たちの方を眺めた。

 ……うーん。

 なんだか、嫌な予感がする。

 男子の騎馬戦、大丈夫なのかなぁ……?

〈76時間目・終〉

〈一色蘭〉

ボーイッシュでとってもかっこいい女の子。クラスの女子全員からとてつもなく好かれている。

母親や祖母は可愛くして欲しいと思っており、よく注意され、かっこいい服なども買ってもらえなかった。

別邸に来てからはかっこいい服を着れたり、髪を好きに切れたりできて自分らしく過ごせるようになったと思っている。

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