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同じくらい大切

8月12日

 お昼を過ぎた頃にユリちゃんから電話がかかって来た。

 マエダ「もしもしユリちゃん?」

 ユリ「急にごめんなさい。今時間大丈夫?」

 マエダ「うん、大丈夫だよ」

 ユリ「実はね、明日から近くで2日間夏祭りが開かれるの。よかったらマエダちゃんも一緒に行かない」

そう話してくれた。

 確か私とユリちゃん、レナさんの3人でヨシキくんのやってる屋台に買いに行った気がする。あの時は混んでたからあまり話せなかったのも覚えている。それで少ししょんぼりしたのをユリちゃんに気づかれ、そこから恋バナをし、2日目はヨシキくんも忙しいくしているだろうと行かなかったのを思い出した。最近ユリちゃんと遊べなかったし、記憶と同じように一緒に行きたい...しかし、そうするとヨシキくんとはあまり話せない。2日目に行くのも手だが、1日目も来ているのに2日目も行ったら流石に変に思われそう...すぐには答えが出せず「うーん...」と言葉を洩らしてしまった。するとユリちゃんが「はぁー、本当にヨシキが羨ましいわ」と話した。その話し方はため息混じりにだったが、呆れている感じではなく、少し嬉しいそうにしているようだった。

 マエダ「え?」

 ユリ「だって、ヨシキくんと行きたいんでしょ」

 マエダ「うん...でも同じくらいユリちゃんとも行きたいんだよ」

 ユリ「あら嬉しい、でも一緒には行けないわよ。ヨシキは屋台出すから」

 マエダ「そうなの?そっかー...だとすると」

 ユリ「ヨシキといられる時間が短くなっちゃう?」

 マエダ「え!あ、うん」

少し違うけれどユリちゃんが私の思ってる事を的確に当ててきてなんだか少し怖くなって来た。

 マエダ「なんでわかったの?」

そう聞くと「だって恋してるんだもの」とウキウキとした声で話した。それから「でも、だからと言ってヨシキにマエダちゃんと一緒にいられる時間を取られなくない、最近マエダちゃん一緒に遊んでくれないから寂しくて。だから私からの提案、明日は私だけヨシキに会いに行って、2日目に会いに行くのはどう?」

と話してくれた。

 マエダ「でも、2日目も忙しくないかな?」

 ユリ「大丈夫よ、ヨシキの屋台人気だから2日目はすぐに終わるわ。いつも花火が始まる前には片付けも終わっているイメージね」

それならヨシキくんとも話せそうと思い「わかったそれでお願いします」とすぐに答えた。

 ユリ「わかったわ、それじゃあ明日は16時に近くの公園で待ってるわ」

 マエダ「うんわかった」

そう言い電話を切ろうとしたがまだユリちゃんと話し足りないと思い。

 マエダ「そうだ、よかったらこのあとロードファイターやらない?」

と誘った。すると、ユリちゃんは嬉しいそうに「ええ、いいわよ。それじゃあ招待送っておくわね」と言い電話を切った。

 それから色々な話をしながユリちゃんとロードファイターを楽しんだ。

8月13日

 祭り当日、近くの公園で待ち合わせをしているので、ブランコに座ってユリちゃんを待っている。すると、藍色の生地にアジサイに似た白い花の描かれた、浴衣のユリちゃんといつものメイド姿のレナさんがこっちに来たのが見えた。

 ユリ「お待たせ、ヨシキに挨拶して来たわ」

 マエダ「大丈夫だよーじゃあ行こっか!」

 ユリ「ええ」

そう言い屋台の方に歩き始めた。

屋台のある方に向かっている途中、ユリちゃんの浴衣にずっと見惚れていた。

 マエダ「綺麗な浴衣だね」

 ユリ「そうでしょ。お母様から譲り受けた物で、とても気に入ってるの」

 マエダ「へー。この花は?」

 レナ「ヤブデマリと言います。5月から6月に花を咲かせる低木です」

 ユリ「お祭りでお父様の目を引く為に行くためにお母様が特注で作ってもらった物なの」

そんな話をしながらもその綺麗な浴衣を眺めていた。

マエダ「...あ!ごめんね、ジロジロ見ちゃって。すごく綺麗だったから」

 ユリ「大丈夫よ、何せ花言葉は[私を見て]だもの今日はマエダちゃんに見てもらうために来ているのだもの。でも、今は射的やりましょ!」

と言い屋台を指差した。

 マエダ「うん!」

そう言い3人で屋台を回り始めた。

 それからヨシキくんの屋台は避けつつ、3人で祭りを楽しんだ。くじ引きではレナさんが3等を当てたり。金魚すくいではユリちゃんの素晴らしいテクニックを披露し、私はりんご飴を食べるのに苦戦を強いられ、2人でお揃いのアニメキャラのお面を買った。一通り屋台を回った所で少し落ちついた場所に行き、今は3人でベビーカステラを食べている。

 マエダ「お祭りはやっぱりいいね」

 ユリ「ええ、去年はマエダちゃんも用事があって誘えなかったものね」

 マエダ「そうだね。でも、今年は一緒にこれで本当によかったよ!」

 ユリ「私も同じ気持ちよ」

2人とも遊び尽くし、少し熱がおさまった所で少し間を置いてから「ありがとう」とユリちゃんに言った。

 ユリ「あら?急にどうしたの」

 マエダ「ほら、高校入学するのと同時に引っ越して来たからあまり周りのことが分からなくて、困ってた時にみちおしえてくれてさ」

ユリ「そうね、初めて会った時、スマホで地図を見ながら周りを見渡してて明らかに困っていたから」

マエダ「あはは!そうだったね。昨日もそうだったけど、あの時から助けてもらってばかりだよ。だから改めて、いつも助けてくれてありがとねユリちゃん」

そう言うとユリちゃんはまっすぐこちらを見て「お礼を言うのはこちらの方だわ」と言った。

 ユリ「学校では大抵の人は私利私欲のために近づいて来たり、勝手に神格化したり、中学から仲良くしていた4人以外は本当の私を見ようとはしなかった。そんな中で純粋に私と接してくれたマエダちゃんが私の癒しになってたの。唯一の女友達のサエとは仲もいいけど趣味は合わなかったから。趣味があって本当の私を見てくれるのはマエダちゃんだけだったの。それがとても嬉しかった」

 マエダ「そうなんだ..」

 ユリ「ええ、だから私からも。いつも話を聞いて、遊んでくれてありがとう!」

そう満面の笑みで話した。それに対して私も「うん!」と笑顔で返した。

 マエダ「サエちゃんとは趣味は合わないって言ってたけどいつもどんな話してるの?」

 ユリ「彼女は体を動かすのが好きだから話より一緒にテニスやトレーニングしていることが多いわね。話も体型維持とかトレーニングメニューの話が多いわ。何だか他の人が想像している友達みたいな関係ではないけどお互いにそんな関係を気に入ってるわ」

 マエダ「そうなんだね。私も運動しようかな。最近体型も気になるし」

 ユリ「今度3人で行ってみる?」

 マエダ「それいいかも!」

 ユリ「サエのお父様が経営しているジムにヨガ教室もあって気になっていたから」

 マエダ「ヨガ!面白そう!今度サエちゃんに聞いてみようか」

 ユリ「そうね」

そんな話をしていると「お嬢様、そろそろお時間です」と綿飴の入った袋を二つ手に持ったレナさんが話しかけてきた。いつの間に買って来たのだろうか...

 ユリ「ごめんなさい、2人で話し込んでしまって」

 レナ「いえ、空気を読むのも私の仕事ですから」

 マエダ「なんかすみません」

 レナ「いえ、構いません」

と笑顔で話してくれた。

 ユリ「それじゃあ帰りましょうか」

そう言い3人で帰宅した。別れる直前、ユリちゃんから「明日は頑張ってね」と言われ「うん!おやすみ」と返事した。家に帰ってからはユリちゃんと話していたジムの話をサエちゃんにしてから眠りについた。


その日はぐっすりと安心して眠ることができた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。まだまだ未熟ですがこれからもゆっくり少しずつ進めていこうと思っております。

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