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第3皇女4

カンビオン皇国北西部、街道が大きく迂回する峡谷の1画。

街道の向こう側は鋭く際立つ断崖絶壁が連なり大きく入り込んでいるカ

ンビオンの海を囲んでいる。

それを眺める様に戦隊マークを塗り潰した1機の黒い戦術機が山肌を背

に佇んでいた。

「IFFオフ、サーチエネミー」

<ピ、IFFオフ、サーチシマス・・・3ジノホウコウセンジュツキト

オモワレルキエイヲカクニン、キョリヤク10キロ、カズハフメイ>

「チッ、やはりまだ遠いか・・・隊長どうしますか?襲うとしたらこの

下の高台が絶好のポイントだと思いますが」

『でしょうね、だからここに陣取った訳だし、其れよりも貴女通信の出

力をもっと絞りなさい、幾ら秘匿回線とは言え傍受されたら其れまでよ?』

「あ、すいません、ですがここで大丈夫なのですか?」

『大丈夫よ、相手はあのイリアス大尉、野戦合同訓練で彼女の手の内は

良く理解しているし間違い無くあの高台に陣取るわ』

そう言われはしたものの副官であるジーナの表情は暗い。

「勝てますかね、相手はあの第2です、幾ら数が同数とは言え・・・」

副官であるジーナがそう言いたくなるのも尤もな話で、過去行われた野

戦合同訓練でエリンカ率いる第5近衛野戦術機動部隊は第2近衛戦術機

動部隊に勝った試しが無かった。

『大丈夫よ、合同訓練の様に正面切ってぶつかり合う訳じゃないわ、彼

女の事ですもの、万が一に備えての戦術プログラムは構築済みでしょう

けど何時も通りなら3つだけの筈よ、彼女が網に掛かった混乱に乗じれ

ば勝てない戦いでは無いわ、その為の仕掛けですもの』

「へいへい、了解です、私が死んだら飼ってるペットは隊長にあげます

から可愛がってやってくださいね」

『え~要らないわよ、私は貴女みたいに男の娘趣味じゃないもの、趣味

が合うサユにでもあげればいいじゃない?』

「隊長つれないっすね~あたしの遺言と形見位素直に貰ってくれてもい

いじゃないですか?折角キュバス族の隊長の事を考えてあげたのにそれ

じゃあ何時まで経っても彼氏なんか出来ませんよ?いっそイリアス大尉

みたいなムッキムキをあたしの遺産で買ってもいいですよ?」

『い、いいのよ!わ、私は好きでも無い男と情事を貪ったりしたいとは

思わないわ!、そ、それに私の趣向は貴女だって良く知っているでしょ

う?』

「あ?あ~白馬の王子様っすか~?知ってますけど現実的に戦術機に乗

ってる女なんか引かれこそすれ振り向いてくれる王子様なんているんす

かね?」

『う、五月蝿いわね!絶対に居るわよ!其れよりも索敵に引っ掛からな

い様に林に隠れて主機関を始動待機状態まで落とすわよ!』

「ヘ~イ、了解っす・・・でも夢見れるのも生きてる内なんすけどね~」

『何か言ったかしら?』

「いえ、いえ」

ジーナはそう返すと目の前に拡がる大海原を一瞥し隊長が待機する林へ

と戦術機の足を向けた。

 


同時刻、峡谷より10キロ地点。

第2近衛戦術機動部隊は予定ポイントへと移動していた。

数は10機、丘の中央付近を移動する9機から外れ高台の頂上付近を移

動していた1機がモニターから発せられたAIの声にその移動を止めた。

『隊長、所属不明機より索敵を受けました、場所までは特定出来ません

でしたが方角からして今回の件絡みと思われますが』

「・・・そう」

『プランを変更しますか?』

「いえ、いいわ、彷徨いているとしてもどうせ第5辺りでしょう」

『万が一にも計画に支障が出ない様に排除しておいた方が良いのでは?』

「大丈夫よ」

『ですが』

イリアスは少しムッとするも、直ぐに何時もの無表情な顔へと戻る。

「貴女は攻撃力の殆ど無い目標が1つ増えた位で私の隊が負けるとでも

言いたいのかしら?」

『い、いえ、決してその様な積もりでは・・』

「ならば私の指示に従っていればいいわ、第5に偶には黒星を譲ってあ

げたいなら私は止めはしないわよ?まぁそんな事をすれば私の隊には居

られなくなるでしょうけど」

『りょ、了解です』

「なら予定通りね、気掛かりと言えば監視役から連絡が有った目標にく

っ付いているあちらさんの新型車両かしら、余計な手出しをされると後

々面倒になるのよね、そう言えば上から向こうには確認は取れたのかし

ら?」

『は、それなら取れています、”軍属では無く冒険者ギルド所属”だそう

で1人此方の国民が乗り合わせていると連絡が来ています』

「他の乗員は?」

『向こうの国民だそうです』

「それは一寸厄介ね、向こうには軍事訓練が有る事は伝えてあるのかし

ら?」

『ええ、訓練域への立ち入りを時間帯封鎖する事は伝えてあるそうです』

「なら大丈夫ね、迷い込んで巻き添えになっても”弔辞を述べれば”それ

で済むわね」

イリアスはそう言うと戦術機の足を緩める事無くIFFのオフをナビA

Iへと命じた。

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