表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/590

リザードマンの体質

ここはブラント奴隷市場の収監室、落札した奴隷と互いに向き合い壁に設え

たベンチに座っている。

彼女は落ち着き祓った態度でセリアを見詰めていた。

「名前を教えてくれるかしら?」

「リーザと言います」

「私はセリア・トラーシュよ、宜しくね?それで貴女が捕まった経緯を聞き

たいのだけど?」

「それが今の私の立ち位置に何か関係が有るのですか?」

「今は無いわね、今後は有るでしょうけど、それともしダークエルフの里の

奥地に貴女のお仲間が居るとして、其れを捕まえる為に聞いている訳じゃ無

いわよ?」

それを聞いて、セリアを品定めするかの様な目線を浴びせた後、静かに話出

した。

「・・・滝壺で装備を外して水浴びをしていた所を襲われました」

「ひょっとしてダークエルフの警ら隊?」

「そうです、素っ裸な所に弓矢を一斉に向けられては太刀打ち出来ません」

「運が良かったわね帯剣していなくて、柄に手を掛けた段階で死んでいたで

しょうから、売られた理由は何?」

「不法入国の罰金を払えなかったからです」

「何故国元へ送還されなかったの?国交自体が無い訳じゃ無いわよね?」

「ダークエルフも変異種が向こうで受け入れられていない事位知ってますよ

、尻尾が命の種族ですからね」

「そう言えば貴女には尻尾が全く無かったわね、どうしてなの?」

「私の父親が元々変異種で尻尾が殆ど無く、母親が人族だからでしょうね」

「で、奥地に隠れ住んだと言う事か」

「隠れ住んだのは父親です、母は元冒険者チームの生き残りです、父が助け

ました」

「貴女は古里に帰りたいの?」

「別にそう言う訳では無いですが、狩りに出たまま捕まったので生きている

と連絡だけはしたいですね」

「貴女は金貨55枚で買われたという認識は有るのかしら?」

「私に価値を見出してくれた事には感謝しています」

「そうね、貴女が私の”所有物”に成る事によって貴女は”身分”を手に入れた

訳ですものね、これで大手を振って国境を越えられる様になった訳ね」

「え?それでは?」

「そんなに甘い訳無いでしょ?貴女が自由になれるとしたら売買手数料を入

れてせめて金貨58枚を返してからね、まさか無利子で長期返済なんて言わ

ないわよね?でも機会が有ったら返済終了前でも里には連れてってあげるわ

よ?貴女は今日から私の会社の従業員、給金は払うからちゃんと返済するの

よ?それと私は貴女を奴隷だとは思っていないわ、貴女に価値が有ると思っ

たからこそ投資をしたの、私の目に狂いが無かった事を証明して頂戴ね?」

「有り難う御座います、必ずや証明して見せます」

終始穏やかに見えた彼女の最後の言葉に並々成らぬ思いが込められていた様

にセリアには聞こえたのであった。



その後やる事をやって彼女を綺麗にし、衣服店に行こうとしてフッと思った

、彼女の場合この界隈で活動するには首元の鱗は隠した方が良い、他のメン

バーの様にミニスカメイド服では隠せないので一旦ブラント支店へと連れて

行く事にした。


皆を2階の会議室に集め彼女を紹介した。

「今日から皆と働いて貰う事に成ったリーザだ、解らない事ばかりなので皆

で協力して教えてあげて、それと彼女はリザードマンでこの界隈で活動する

為には首元の鱗を隠せる様な服を着せたいの、私にはセンスが無いので誰か

衣服店に同行してやって欲しいのだけど、行きたい人は居る?」

速攻で手を挙げたのは、ニナ、アンジェ、サラだった、悪い予感がしないで

もないが。


彼女達が出掛けている間に長さを測っておいたレイピアを創った、メンバー

の中でリーザが1番背が高いので新品にした、コピー品を創る時に伸ばすよ

り詰める方が楽だからだ、仕様は皆と同じだが今現在、彼女は魔法が使えな

い、人族の血を引いているので素質は有るのだが、今は眷族にする気は無い

、それも彼女次第だが。


待つ事3時間、日が暮れかけた頃に4人は戻って来た。

大方の予想通り基本はミニスカメイド服だが他のメンバーとは一味違ってい

た。

首には幅広のチョーカー、ロングブーツに高襟で長袖のセミロングコート、

プラチナブロンドの髪にも良く似合っている。

私が真っ先に確認したのは”パンツ”だ、スカートをガッツリ捲り確認した。

何故なら彼女には”局所の体毛が無い”為にパンツ無しでの戦闘は心臓に悪い

からだ。

但しこの世界のパンツに男女の区別は無い、トランクスを紐で縛った感じの

物だ。

(今度創ってみるか、女物のパンツ・・イメージが難しいな)










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ