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よろず屋-人形の街-  作者: 幹藤 あさ
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4話

先に土産物を買い鑑賞教室の始まる20分前にむつは、ホールに入って行った。


少し後ろの席ではあったが、全体を眺められるような良い席だった。これは受付の女性のおかげだな、とむつは感謝していた。


そう言えば、と今更ながらむつは鑑賞教室のパンフレットを鞄から取り出して見ていた。内容は二人禿だった。


幕が上がると、むつはパンフレットを膝に乗せて、人形の動きや音楽、語られる声に耳を澄ませていた。


禿とは遊郭に売られて来た少女の事を言い、太夫や天神という格の高い遊女の身の回りの世話をしながら、廓のしきたりや客の扱いなどを修行していずれは遊女として一本立ちをする。


桜満開の早朝、太夫が寝ている間に2人の禿は羽根つきや鞠つきをして遊ぶ。廓の中で開花を待つ蕾の花のような禿の、哀れなようなはかなさのある物語りだった。


むつは、いつの間にか物語りに引き込まれるようにして自分でも意外に思うほどに見いっていた。


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