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4話
「で?何でまた急に?」
豪快に笑う女性の好意に甘えて、ご飯のおかわりを貰ったむつは漬け物を噛みながら、うーん?と唸っていた。
「仕事で近くまで来てたっていうのと、話し相手になって貰おうかとね」
「仕事いくつも来てるのか?」
「ううん、沼井の件で。とりあえず、手掛かりがなさすぎるから…手当たり次第に沼井の行った所に行ってみてるの」
先にご飯のおかわりを貰っていた西原の茶碗は、すでに半分ほどなくなっている。
「ふーん?何か俺らと似てるよな」
「似てる?」
「そ、事件が起きて犯人の残した手掛かりを元に調べていくっていうのがな。で、何か進展は?」
「なんにもない。っていうか、昨日から調べ始めたばっかりだしね…まぁ、まさかの社長まで見ちゃったけどね」
漬け物と味噌汁で、ご飯を食べながらむつは、ふんっと鼻で笑った。
「…やっぱり、あれか?不倫を…?」
「妙齢の女性と居たよ。今日の朝、メッセンジャーが来たから忘れてた写真を頼んだ所」
「メッセンジャー?」
「しろーちゃん」




