第1話「vs黒竜」
「ギュォォォォォォォン!!!!」
「おわっ!?」
黒竜が巨大な爪を振り回す。
回避は何とかなるが、祭壇が崩壊する。
なんでもいい、
取り敢えずこの少女を守らないと!
「えっ……!?」
「はぁぁッ!」
剣を構え、落ちてくる瓦礫を蹴って
飛び上がり、黒竜を斬りつける。
爪に弾かれるが、その勢いを利用して回転、
胴体を斬りつけることに成功する。
「ギュォォォォォァア!!」
「ぐが、ぁ!?」
腕の横振り回しを剣で防御するも、
重さが圧倒的に違いすぎる。
衝撃に吹き飛ばされ、神殿の壁に叩きつけられた。
強い…………!!
「!」
黒竜が鎌首をもたげる。
その口端から黒い炎が漏れ出していた。
ブレスか!?
それに、勝手に身体が動いた。
「ただで食らうと思うな!!」
剣を大きく振り下ろす。
無論、距離が開きすぎているため空を斬るが
……………なんと、その軌跡が斬撃となって
黒い炎のブレスを斬り裂き、
そのまま黒竜に命中する。
「す、すごい………」
「なんだ今の!?」
今の斬撃波もそうだが、
長年使ってきた愛剣のように手に馴染む。
背中の剣もいつの間にか消えており、
手にしている純白の剣は眩しい輝きを纏っていた。
「ギュォォォォォォォ!!!」
「……………!」
逃げるわけにはいかない。
コイツをこのままにしておくのは危険すぎる。
なんだか分からないが、
強い力を持った剣もある。
ここでコイツを倒す───!
「ギュォォォォォァ!!」
「っ!?」
「させるか!」
少女を狙い出した黒竜の爪を剣で弾く。
重い、が返せないことはない。
この剣がなんなのかは後でこの少女に聞けばいい。
振りかぶり、2連続の斬撃を飛ばして牽制する。
「危ないから離れてろよ───!」
「…………」
祭壇を駆け上がる。
大樹のような太い尻尾の叩きつけを
横に転がって回避し、破壊され衝撃で
打ち上がった瓦礫を足場にして跳躍する。
「ギュォォォォォォォァァ!!」
「うおぉぉぉ、っ!!」
黒竜の放った右ストレートを身体を捻り、
剣で受け流して懐に入る。
もらった!!
「ぐ、やべッ!?」
「ギュォォォォォォォア!!!」
油断しすぎた。
後ろへ下がられ、左手で身体を掴まれる。
締め付けられ、そのまま腕ごと地面へ
叩きつけられる。
「ご、がぁ、っ!!?」
全身の骨が軋み、おそらく腹辺りは
何本か折れた。
衝撃で身体から血が噴き出し、
意識が朦朧となったが何とか耐える。
「ん、の………おらぁぁッ!!!」
吠え、痛みを我慢しながら立ち上がり、跳躍。
剣を黒竜の腹に突き立て、そのまま右に斬り抜く。
「ギュォォォォォァァ!!!」
「っ、ぉぉぉあ!!」
再び掴もうとした両腕を回避、
それを蹴って更に高く飛ぶ。
(狙うは心臓、これで終わらせる!!)
黒竜の胸に、輝く剣を突き刺す。
黒竜が叫びを上げた。
「ギュォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
「────爆ぜろ」
限界まで集中、剣を握る両手に力を込める。
……………想像以上に、冷静になっていた。
そして、剣の光が黒竜の身体を中から溢れ出す。
剣で斬撃を放てるなら、
それを《《剣から放出する》》ことができるかもしれない
オレは、そう思って思って賭けた。
そして──────賭けには、勝った。
黒竜の身体から漏れ出す光は
徐々にその輝きを増していく。
光が、爆発する。
「疲れた………」
飛び散る光と血を背に浴びて、
オレは気を失った。




