第92話「盗賊団 or 傭兵団」
いつもどおりに調理の準備と、テントの準備をする。
流石に国境門付近には、それなりの広さがある野営地がある。
「ん~、別の警備兵と一緒に行動している……」
「ノノ様、どうされたのですか?」
「あ、口に出てたか。さっきの警備兵がね、先とは別の警備兵と一緒に行動してるの」
探知魔法では二人が並んで歩いているように感じ取れる。
「見回りじゃなくてですか?」
その線も考えたんだけど、ちょっと場所がねー。
「それも考えたんだけど、場所がちょっと離れてるのよ」
と、言いながら食事の準備もする。
「ノノ、今日のご飯は何かしら?」
エミリーさんがやってきた。
「あ、エミリーさん、もうこっちに来て良くなったんです?」
いつもより早くやってきたので、聞いてみる。打ち合わせが早く終わったのかな?
ちなみに隣でルイさんは頭を下げている。
「一応、現状報告はしておいたわ。あと、警備隊長が戻ってきたわ」
お、警備隊長、帰ってきたんだ。
「それでどうだったんです?」
「誤報だったみたい。何もなかったらしいわよ」
エミリーさんが、そう言いながら肩を竦める。
「誤報? ……タイミング的に怪しいですね」
「ノノもそう思うかー。そりゃそうようね。ところで件の警備兵はどう?」
「さっきとは別の警備兵と国境門とは別の方向へ離れていってますね。……ちょっと見てみますね」
そう言って、符術で作った小鳥の目と同期をさせてみる。
「ちょっと離れたところに向かっています。二人とも妙に警戒してますね。かなり怪しいので、このまま見張ってみます」
「ノノ様、気付かれたりはしないのですか?」
ルイさんが心配そうに聞いてくる。
「小鳥を気にするような人が居ると思う?」
「そう言えば小鳥さんでした」
そう言って、ルイさんは眉毛の端を下げている。……かわいいなぁー。
……今はそれはおいておく。
「エミリーさん、これ、当たりです。小さな倉庫があるんですけど、一人がその周りを警戒して、もう一人はその裏手で、別の誰かに会ってますね。ちょっと移動して確認します」
そう言ってから、そっと倉庫の縁に止まって確認する。
「……何か紙を渡していますね。あと、金銭の授受はしてないみたいです。成功報酬にでもなってるのかな?」
紙を渡すのはバッチリ確認できたけど、金銭の授受はないなー。
「渡した紙は、恐らく商隊の構成でしょう。金銭の授受がないのは内通者というより、盗賊団の一味かもね」
「盗賊団が国境警備隊に紛れているんですか?」
エミリーさんの推測に、ルイさんが吃驚している。
「あくまで可能性よ。元からそうなのか、あとからなのかは分からないけど、そういった可能性もあるという話。ノノが言うように成功報酬の可能性もあるから、何とも言えないけど、盗賊団の一味なら説明が付きやすいでしょう?」
「……ですが、その場合、盗賊団が壊滅でもしたら、その二人はどうするんです?」
「その場合は、証拠も何もないからこのままここで国境警備隊員として過ごせば良いんじゃない?」
「それって、有りなんですか?」
「戻るところもないんだし、盗賊団の一味だった証拠もないし、別に不思議でもないわよ」
ルイさんはいまいち分かってない顔をしている。
「その人たちには罰とかは与えられないんですか?」
「証拠がないからね。盗賊団としても切り捨て出来る人を国境警備隊に入れてると思うから、連絡が途切れたら切り捨てられたと思うんじゃない?」
「ええ、それでしたら、最初から国境警備隊に盗賊団の情報を渡した方が良いんじゃないでしょうか?」
ルイさん、それは、ちょっと……。
「ルイさん、末端の団員に位置を教えてるわけがないでしょう。それに国境警備隊で討伐できるぐらいなら、既に討伐できてるわよ。それが出来ないということは、それなりの組織だということにもなる。そうでなければ、国境警備隊に潜り込ませるようなことは考えないわ。少なくとも切り捨てられる側も旨みがあるからの話なのよ。ついでに言うと、今、渡した情報を元に盗賊団の幹部どもが襲う襲わないの判断をするんだと思う。……そういう狡猾な盗賊団だと思えば、噂にもなってきているから、この地を離れる算段もしているかもね」
「え、噂で、ですか?」
「そそ。少しでも危うくなると、サッと身を引く。これが出来るから規模も大きくなってるんだと思う。ところで、ノノ、盗賊は今どうしてるの?」
お、こっちに話が来たよ。
「何か、辺りを警戒しながら三人で話し合ってます」
「何の話をしているかは、分からないの?」
「残念ですが、この距離だと声は拾えませんよ。それに小声でしょうから、近くでも難しいと思いますよ」
それに今回はそこまで考えてなかったから仕方ないねー。元々、探知魔法だけでどうにかならないかと思ってただけだし。
「あ、エミリーさん、三人とも同じ方向に移動を始めましたよ。どうやら今回で最後にするっぽいですね」
「商隊の荷物を見たら、そう考えてもおかしくはないわ」
商隊の荷物かー、実際のところ、何を積んでるのかは知らないのよね。
「エミリーさん、そんなに貴重なものを運んでるんですか?」
エミリーさんが私の顔を見て一瞬固まった。
「ええーっと、話してなかったけ?」
「聞いてませんよ。残月の団員ではないので教えて貰えないのかと思ってましたが、違うのですか?」
聞いた覚えはないなー。どうでも良いと思ってたから、気にもしてなかったからね。
「今更な気もするけど、価値がありそうなのは、龍の鱗とミスリルかな。ミスリルはそれなりの量があったわ」
うわー、そりゃ急いで運ぶわ。この人数で大丈夫なのかもあるけど、あんまり多いとそれはそれで目立つし、難しいところか。
「偽装してるんですよね?」
流石にそのままは報告しないでしょう?
「ミスリルは、まあまあ流通してるから量を少なめに報告してる。龍の鱗はミスリルで隠していたわ」
「……よく気付きましたね?」
「ミスリルも龍の鱗も少ないけど魔力を放っているからね。一度嗅いだ匂いは忘れないわよ」
ミスリルは分かるけど、龍の鱗はなかなか見ないんだけどねー。
「ところで三人はどこへ向かってるの?」
あ、そうだった。
「どんどん離れていってますね。方角的は、あそこに山が見えてるじゃないですか、その山の方に向かってますね」
「あの辺りって、先進むと森になってる?」
ちょっと高度を取ってみよう。
「あー、そうです、森になってますね。ちょっと奥まったところに開けた土地があります。そこに……、盗賊団というより、まるで傭兵団の駐屯地ですね。うまくカモフラージュしていますが、見張り台と門も見えます。なるほど、森の木々をうまく使って、どの方角からもただの森にしか見えないように作ってますよ。これ、そこそこ腕の立つ魔法使いがいますね」
森の中にそんなものを作っても分かりづらくするとか、なかなかの芸当だよ。
「ノノ、その魔法使いに見つかるということはないの?」
「そこそこ、ですよ。そこそこ。そんなのに見破られるような魔法ではありませんよ」
そこそこは、そこそこなのです。
それでも使い方がうまいので、普通の視線の範囲では見えないね。上空から見下ろしているから見えるのであって、地上からでは分からない。よく考えられているから単なる盗賊団ではないね。
「森かー。う~ん、困ったわね……」
おや、エミリーさんが困ってる。なんで?
「エミリーさん、どうかされたんですか?」
ルイさんも気付いたようだ。
「ほら、森だとさ、私の魔法が使えないじゃない」
あー、そうですね。確かに火属性魔法は使いにくいですねー。
「ああ、燃えますね。それは盛大に」
「ノノ、容赦ないわね。でも事実だから言い返しようもないわ。自領なら何とでも出来るんだけど、流石に他領だとねぇ。……何とかならないかしら?」
「何とか出来るんですか?!」
ルイさんが吃驚して、そう言い放った。
「ルイさん、燃やしたあとに水を掛ければ、うちの領なら問題にはならない。そのためにシンシアを必ず連れて行ってたの。彼女の水魔法で多少の延焼はしても、酷くはならないようにしてたのよ」
あー、物理的に何とかしてたのか。
「あ、でも、エミリーさん、盗賊団の駐屯地ですが、森の中の開けたところですよ。これならうまくやれば、被害は少なく済むと思います」
鳥の目線で見ていると、かなり整っている。これ本当に盗賊団?
「んー、ちょっと地面に描いてみますが、こんな感じですね。この真ん中の部分がボスのいるところかな。一番豪勢です。それと、あ、これ旗か。旗がありますよ」
「ノノ、その旗の紋様は分かる?」
「虎ですかね、こんな感じです」
そう言って、旗の絵を描き始める。それなりに絵は習得しているので、ちゃんと分かるはず。
まず、横を向いた虎が口を開けてて、そこを中心に4方向に伸びてるのは、剣と槍か。 ……あ、これ、槍と剣が交差した上に吠えてる虎を描いてるんだ。
「あ、この絵、うちの領に派遣されてた傭兵団の旗に似てます。兄から聞いた時に旗も教えて貰ったのであってると思います。確か傭兵団の名前は『白銀の虎』だったと思います」
ほー、ルイさんの領に、ねぇ……。
「他には何か聞いた?」
「兄からは、素行があまり良くないと。まあ、傭兵団はそんなもんだろうとも言ってました。……残月の皆様とは全然違いますね」
ルイさんはエミリーさんにそう答えて、苦笑いをしている。
「傭兵団もいろいろよ。でも『白銀の虎』かぁ。ノノ、装備はどんな感じ?」
ん、なんだろう?
「ええーっと、見えてる範囲では、特に汚れはないみたいですけど?」
傭兵団にしては装備が綺麗で整ってる。最前線で戦っていたとは思えないぞ?
「あー、じゃあ、噂どおりなんだ」
「噂どおり?」
どんな噂なのか?
「ホントかどうかは分からないんだけど、勝ってるときは良いけど、負けだしたらすぐ逃げる。まあ、生き残るためと言えば聞こえは良いけど、傭兵仲間の中では、組みたいとは思わないところも多い。あと、粗暴なのとヤバいこともしてるという噂の絶えない連中よ。魔王軍との戦いで、逃げてきたんでしょうけど、ここまで逃げてくるということは、陥落した領地で何かしらやらかしたかもね」
「それって、いわゆる火事場泥棒的な?」
それは、傭兵団としてはどうなのか?
「あくまで噂だからね~。でも、現状から察するに盗賊団もやってるんでしょう。うちとの国境沿いまで来たということは、ある程度稼いだら、うちの領に逃げ込む算段だったのかも知れないわね」
何か酒盛りを始めてるんだけど、何故?
「エミリーさん、酒盛りを始めましたよ」
「ノノさんや、人数はどれくらい居るか分かる?」
「ちょっと、ぐるっと回ってみますね。……ええっと、多くても300人には届かないですね。恐らく250人ぐらいだと思います。それにしても、普通なら居そうな奴隷とかも居ませんね。……置いて逃げた?」
ひょっとして、逃げる際に囮に使った?
「逃げる際に置いてきたんだと思うわ。噂が本当ならそれぐらいはしても、おかしくはない」
「それって、囮としてですか?」
ルイさんも気付いたようだ。
「そうだと思うよ。ノノ、他にどんなヤツがいる?」
「パッと見で分かるのは、魔法使いが数名と飯炊きの女性が数名、それ以外は戦士系ですね。ボスは良い体格をしてますが、ずる賢そうでもありますね。それと、そこそこの武器を持った戦士もチラホラいますから、傭兵団としてもそれなりなんだと思います。……何で盗賊団になったんでしょう?」
ここまでの戦力なら、どこかの貴族に雇われてても良いと思うんだけど。
「噂どおりだからなんじゃない。粗野でそこそこ力があって、そんなのが集まったら楽な方へ流れちゃうんでしょう。そして、気が付けば『白銀の虎』を乗っ取ってたと言われているわ。数年前まではちゃんとした傭兵団だったとも聞いたことがあるから、そーいうことなんでしょう」
「と、いうことは、以前の『白銀の虎』はマシな集団だったと?」
「そそ。だから、今でも傭兵団としての仕事も回ってくるんでしょう。勝ってるうちは、戦力的にも問題は無いみたいだしね。まあ、負けだしたら途端に居なくなるらしいけど」
ということは、ルイさんところが負け出したからここまで逃げてきた、ということか。
凄いね、ヤバくなったら即離脱とか。数で上回って、確実に勝てる見込がないと雇ってはいけない傭兵だな。
「兄からは粗暴だが、力はあるから頼りにはなると聞いてましたが……。難しいものですね」
ルイさん的にはどう思ってるのかなと思ってたけど、あまり気にしてないようだ。まあ、250人程度が抜けて、負けるようなら勝てるわけもないか。
「ルイさん的には、あの傭兵団のことはどう思ってるの?」
エミリーさんも気になったようだ。
「特には。250人が抜けた程度で負けるようなら、元々勝ち筋が無かったんだと思います。うちの兄たちは領主家ですから、逃げることは出来なかったと思いますが、そうじゃない人たちまで、逃げるなとは言えないです」
なるほど。その辺の区分けが出来てるからか。
「はぁー、ルイさんは見た目よりしっかりしてるよ。私なら、ふむ。まあ、確かに逃げるか。再戦するかは別として、無駄死にはしたくないから、逃げるね」
エミリーさんはそう言って笑っていた。
「ところで、エミリーさん、盗賊団はどうします?」
そう、傭兵団であることが分かったけど、盗賊団でもあるのだ。
「250人ぐらいの傭兵団なら、居なくなっても誰も気にもしないわよ。それにああいった傭兵の名を汚す輩は、他の傭兵団も迷惑なのよ。そうでなくても盗賊とどう違うのかと思われてるのに」
まあ、根無し草はどこも同じような扱いだからね、信用が無いうちは。
……あいつらのせいで、傭兵全体が信用ならないとかなると、確かに迷惑か。
「さすがにこの規模の傭兵団全員で盗賊してるとは思わなかったけどね。……噂が徒になったんだろうね。今回の対魔王戦では、早々に撤退して王都周辺で次の雇用主を探したけど、これまでの行いと噂のせいで見つからなかったんじゃないかな。それで噂の届いていない国境付近まで流れてきた。国境付近なら何らかの仕事が普通はあるんだけど、うちの領との間は不毛の大地なこともあって、問題は少ないから、そんなに人数は要らない。傭兵団としては、国境警備隊で雇って貰える人数だけじゃ、食っていけない。そこで、国境警備隊に雇われたヤツから情報を流して貰って、この辺で荒稼ぎ。という感じじゃないかな。そして、こいつらは逃げ時を誤って自滅することになるわけよ」
ほー。流石に傭兵団のナンバー2だった。
「エミリーさん、どこまで?」
「どこまでとは?」
「全滅までなのか、テキトーで済ますか、ですよ。全滅でもいいですが、その場合は確認するのが面倒くさいかなと」
全滅は生体反応で調べても良いんだけど、森だからね。他の生き物も居るからさ。
「んー、テキトーで良いんじゃ無いかな。うちの領でも無いし、確認に行く時間も無いでしょう?」
まあ、どうなったかを見に行く必要は無いか。
「それにある程度は、その魔法でわかるでしょう?」
「確かに。ある程度で良ければですが」
このまま見張っておけば良いか。
「それで、何時に移動します?」
「ご飯を食べて、寝る前に行く感じで良いんじゃない。慌てる必要は無いでしょう?」
まあ、向こうは宴会っぽいしね。
「そうですね、あちらさんは宴会みたいに飲んでますから、夜半過ぎには寝てしまうんじゃないでしょうか?」
寝込みにフレア一発で帰ってくれば良いか。
「それでは、夕飯にしましょう」
そう言って、鍋からシチューを取り分ける。そう、話をしながら料理もしていたのだ。
「ノノって、器用よね。こんな話をしながらでも料理はしてるんだから」
「慣れですね。それではいただきましょう」
そう言って、エミリーさんとルイさんにシチューと野菜を配っていく。
「ノノ様の魔法の鞄はどれだけの者が入るんですか?」
ルイさんが興味があるようで、聞いた来た。エミリーさんもこっちを見ている。
「う~ん、考えてことも無いですね。気にせず、ポイポイ入れてますが、これまで一度も満杯になったことはないので」
そう、この鞄、いっぱいに入れたことが無い。
「まあ、高性能だろうとは思ったけど、使ってる本人にも分からないとはねー」
「そうですね」
二人してうなずき合っている。まあ、分からないものは仕方が無い。
そうこうしているうちに食べ終わったので、あと片付けをして、全部、魔法の鞄にしまい込む。
暫く3人で魔法談義をしていると、レミさんとシンシアさんもやって来た。
「ノノ様~、エミリーをお願いしますね。多分、何も考えずにぶっ放すと思いますから」
「今回は私が行けないので、ノノ様、よろしくお願いします」
どうやら心配でやった来たようだ。
「何、二人とも。私だって考えながらやってるわよ」
「そう、例えば?」
「どうやったら威力が上がるか、見栄えが良いかをいつも考えているわ」
「だと思った。それがいけないとは言わないけど、もっと周りに被害を出さないように考えて欲しいのよ」
エミリーさんにそれを求めるのは難しいんじゃないかなー。
「ノノ、顔に出てるよ。私だって、多少は考えているわよ」
「多少ねぇー」
「多少でわねぇ……」
レミさんとシンシアさんが容赦ない。ルイさんは苦笑いしている。
「まあまあ、お二人とも。今回は私が被害を最小限に抑えますから」
要は盗賊団の居る場所を魔法障壁で囲めば良いのよ。
「ほう、ノノさんや何らかの方法があると?」
「ありますよ。要は森に被害が出なければ良いのでしょう。なら、盗賊団を囲えば良いんです。開けたところに居るのだから、そこをこうグルッと囲む感じで魔法障壁を張れば良いんですよ」
みんなアングリしている。
「皆さん、その呆れたような目で私を見ない。エミリーさんのフレアは真上から真下へ、ズドンと落ちる感じなので、あんまり横には広がってないんですよ。だからこの魔法障壁で十分耐えられるんです」
一瞬の沈黙が。何で?
「ちょっと待って。フレアって、そういう魔法じゃないの?」
レミさんとシンシアさんがエミリーさんをおかしな者を見るような目で見ている。
「待って、エミリー。そっち、そっちが気になるの?」
「気にすべきは、この魔法障壁の方じゃないの?」
二人は魔法障壁の方を気にしているようだ。ルイさんは諦めてお茶を飲んでいる。
「ノノが言うんだから、そこは出来るんでしょう。なら、気にすべきはフレアなのよ」
言い切ったよ。でもちょっと訂正しておかないと。
「エミリーさん、私でも流石にフレアの直撃をこの魔法障壁で受けきることは出来ないですよ。フレアの横風ぐらいなら何とかといったとこでしょうか」
みんな目が点である。直接当たると無理だけど、エミリーさんのフレアは真上から真下へなので、横方向には地上に当たったあとの横風?しか来ないので、防げるのだ!
「ノノさんが規格外なのは分かったわ。もう、そのことについては聞かない。それでいつ行くの」
レミさんが呆れ気味に聞いた来た。
「エミリーさんとは、夜半にと話してましたから、もう直ぐですね」
「で、俺たちは?」
グラインさんが出てきた。居るのは知ってたけど。
「ちょっとは驚けよ……」
ルイさんだけが吃驚している。
まあ、レミさんとシンシアさんは一緒に来たっぽいし、エミリーさんも気付いてたからね。
「ルイさんだけか、はぁ~」
グラインさんがそう言ってため息をつく。
「グライン、そう言うことだから、商隊長と傭兵隊長には話しておいて」
エミリーさんが和やかに言う。
「何がそう言うこと何だか……」
ぶつくさ言いながら、それでもグラインさんは商隊長達の居るテントへ歩き出した。
誤字・脱字は見つけ次第、修正しています。




