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異世界からの現代社会に転生しました。  作者: ヘッジホッグ
3章 小学生になりました。
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~クンクン冒険隊!ルナの鼻は奇跡の探知機!?~

「ルナ、お仕事だよ!」  聡一は御者台から身を乗り出し、アイラの膝の上で丸まっていた黒猫ルナに声をかけた。    「この街道に咲いている花とか、美味しい果実がなってる木の匂い、全部覚えておいて。 あとで唯奈のVR世界に、この『冒険の匂い』を届けてあげたいんだ。 」    ルナは「にゃっ!」と元気に返事をすると、馬車の縁に飛び乗った。  金色の瞳を輝かせ、小さな鼻をヒクヒクと動かす。  精霊であるルナにとって、匂いは単なる情報の断片ではない。  それは魔力の流れや植物の生命力が織りなす「記憶の地図」だ。


 「あ、聡一! ルナが右の方を見てるわ。 あっち、すごく甘くて香ばしい匂いがするって!」  アイラがエルフ特有の鋭い感覚で、ルナの意図を読み取る。    「よし、アタル! 出番だぞ!」  「おうよ! 虎の鼻も負けてねえぜ! 」  虎獣人のアタルが、馬車から軽やかに飛び降りた。  「この匂いは……日向の匂いがするハチミツ草か!? これなら唯奈ちゃんも喜ぶぜ!」  アタルは爆発的な脚力で草むらをかき分け、ルナが指し示した場所から、キラキラと輝く蜜を蓄えた花を抱えて戻ってきた。


 「クンクン……本当だ、いい匂い! 」  三人は馬車の中で、ハチミツ草の匂いを胸いっぱい吸い込んだ。  聡一はルナの背中を撫でながら、彼女が記録した「匂いの波形」を自分の脳内OSへと転送する。    「(これで、唯奈のVR世界に本物の『草原の風』を吹かせられるぞ。 )」    難しい薬の成分解析も大切だけど、今はルナと一緒に、この世界の「美味しい匂い」をたくさん集める方がずっと楽しい。  馬車は、甘い花の香りと、子供たちの笑い声を乗せて、ゆっくりと、でも着実にスーリアへと進んでいく。

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