恋してる者は大抵、挙動不審 02
「・・・また来たんだ、コハク?」
雪妃がコハクとフローラの二人が座る席につく。
「しかもフローラさんまで連れて。何、もしかして二人ってそういう関係だったの?」
「ふ、フローラさんとは偶然そこで会っただけで、恋人とかじゃあ、ないです・・・!」
「へぇ・・・そうなんですか、フローラさん?」
それが真実なのかどうか確かめる様に、雪妃はフローラの顔を見た。
「そうですね・・・私は、コハクさんのお姉さんという所ですかね?」
「えっ、フローラさんってコハクのお姉さんだったの?」
「いやいや! 実の姉じゃないからね!?」
雪妃が勘違いしてしまいそうだったので、コハクは慌ててツッコミを入れた。
「雪妃さんもどう? コハクさんの妹になってみたら?」
ふっふっふ。と、何か企む様に笑うフローラ。
「な、なんで私までそんな事・・・」
「コハクさんはどうです? 雪妃さんが妹さんだったら、可愛くて良いと思いませんか!?」
「え、ええっ!? そこで僕に話を振りますか!?」
何故だか理由は分からないが、コハクは「雪妃が妹」という単語だけで身体が熱く火照ってくるのを感じた。
「ね、どうです?」とフローラがコハクの返事を急かす。
コハクが雪妃の方を見ると、彼女も彼女でコハクの答えが気になるのか、興味深々な表情をしていた。
「そ、そうですね。雪妃さんみたいな妹がいたら、か、か、かっ可愛くて良いと思うな・・・」
「・・・」
「・・・」
にやにやとしながら声を押し殺すフローラ。
そして、目を逸らす雪妃。
「なっ! なんで二人揃って黙るんですか!? 恥ずかしいじゃないですか!!!」
「ごめんなさい! コハクさんがウブ過ぎてつい・・・」
「ご、ごめん。聞いてるこっちが恥ずかしくなってきちゃってさ・・・」
「あぁー、もう・・・!」
羞恥心で頭を悩ませるコハクである。
「あ、ところで雪妃さん? 気になってたんだけど・・・このお店ってもしかして、いかがわし」
「ち、違います!!!」
食い気味で雪妃が否定する。
「えぇー、そうなの? だってなんか、喫茶店にしては雰囲気がアダルトで」
「違いますってば! この店、夜はバーをやってるからそのせいで!」
どこかで聞いたことあるやり取りだと思いながら聞いているコハクである。
「へぇー、そうなんですか! 夜はバーを・・・あ、そうですそうです。雪妃さん、お仕事が終わるの何時くらいですか?」
「今日ですか? 私が店にいるのは昼間だけなので、大体夜の7時頃には上がりますけど・・・」
「なるほどなるほど、7時ですね! それでしたらー」
何を企んでいるのか、フローラがにやりと笑った。




