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読んでいただきありがとうございます

 暫くは大使館の外に出てはいけないと言われたミルフィーヌは、二週間執務を手伝ったり図書館に行って本を読んで過ごした。

お茶を持ってきたララが

「お嬢様、あまり根を詰められると美容に良くありません。大使館の侍女に公爵家で働いていた方がいてマッサージを教えて貰いました。どうですか、されませんか?きっと旦那様も良いと言われると思うんですよ」

「それはどういうものなの?」

「今までのお手入れとテクニックが違うんです。頭の先から身体全体の凝りを揉みほぐすのです。お風呂に入ってからが効果的だそうです」

「癒されそうだわ、お願いしようかしら」

「お任せください。ではお風呂の用意をして来ますね」


ゆったりとお風呂に入り寛いだ後、全身をマッサージされるのは気持ちが良かった。髪もオイルで艶々になり、顔が一回り小さくなった気がする。


これは癖になりそうだとミルフィーヌは思った。母国のお母様にも受けさせたい、今度遊びに来られた時に是非お勧めしなくてはと固く決意した。



二ヶ月程大使館内にいたのでそろそろ外出したくなったミルフィーヌは父に許可をもらって国立図書館に行くことにした。

護衛はいつもの三人よりさらに増えていた。但し目につかないように隠れながらである。


国立だけありどっしりとしたレンガ造りの重厚な建物で歴史を感じさせる。

扉を開けて入ると書物の匂いがした。大使館の図書館とはまた雰囲気が違って良かった。


色々な国の歴史の本が置かれている場所に行った。ずっしりとした一冊を手に取り机に座って読み始めた。双子侍女も恋愛小説を見つけ両隣に座っていた。


もうミスは許されない。本を読むふりをして絶えず視線は周りに張り巡らされていた。ビルも本を探すふりをしてお嬢様から目を離さないようにしていた。



遠い大陸の歴史書は面白く物語のようだった。豪華な装丁のその本は受付カウンターで聞くと身分がはっきりしている場合に限り貸し出しが可能だそうだ。期限は一カ月。ミルフィーヌは身分証明書を発行してもらい借りることにした。


リリとララは大使館に読みかけの本があるからと言って借りなかった。



図書館から出ようとした時、出口で見たことのある人に出会った。美術館で心配をかけたハロルドだった。

「この間は助けていただきありがとうございました。ハンカチをお返ししたいと思っておりました。ララお出しして」


「却って悪かったですね、捨ててもらえば良かったのに」

「お隣の喫茶室でお茶でもいかがですか。侍女も一緒ですからご安心ください」

「では遠慮なく。本を借りられたのですか?」

「歴史書なのですが、物語のようで面白くて借りて帰ってゆっくり読みたいと思ったものですから」



喫茶室は図書館と雰囲気が同じだった。静かで落ち着いていた。


ミルフィーヌは紅茶とラズベリーのケーキ、双子の侍女は紅茶とチョコケーキを、ハロルドは珈琲を頼んだ。ビルは遠慮して立とうとしていたが場所が場所なので珈琲を頼むことにした。



「いつお返しできるか気になっていましたの。本当に良かったですわ」

「真面目な方なのですね。新しい物までいただいて却って申し訳ないです」

「気になさらないでください。あの時気に掛けてくださり助かったのですから。美味しい紅茶とケーキですわ。食べられません?」

「今日は止めておきます。又お会いできたらその時に。では失礼します」

「お忙しかったのでしょうか?お引き止めしてすみませんでした」

「気の使いすぎです。楽しかったです。お気づかいは無用です。では本当に失礼します」


ハロルドは全員の会計をさっと済ませると急いで出て行った。ミルフィーヌの護衛が密かに後を追った。



会計が終わっていることを聞いたミルフィーヌは

「なんてスマートな方なのかしら」と感心した。

遠慮のないリリが

「紳士なら当たり前じゃないですか」と言いララに脇腹を小突かれていたのは御愛嬌である。


護衛により伯爵にもたらされた報告は娘が図書館で出会った青年は王宮の官吏だというものだった。


身元に怪しいところはなく、二回偶然に出会っただけだと知り、伯爵は安心した。



大使の娘だと知り利用しようとする輩は多い。

娘の幸せを願う父は過保護になっていた。




夕方もう一話投稿します。

脱字報告ありがとうございます!


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