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125:そろそろはじめようか

 獲得経験値のペナルティを受けた翌日の朝。食堂は随分と賑わっていた。


「おめでとうっ」

「ありがとう」

「えへへ。これで皆と同じ二次職ですぅ」


 輪の中心にいるのはエリュテイアとココットか。二人とも身長が低いから、姿は見えないが声で解る。

 ってことはあの二人、やっと転職できたのか。確かみかんとモリアーティ教授の魔法使いコンビで引っ張ってたんだよな。


『エリュテイア様、ココット様。転職おめでとうございます』

「ありがとう受付嬢さん。これでやっと皆に並べるわ。転職してまだ少ししか狩りしてないから42までしか上がらなかったけど」

「まだ、まだ。ここからが、本番、よ」

「んむ。そうであるな。今までは二人のレベルに合わせて狩り場のランクを下げていたからな。これからは我々のレベルに合わせた狩場でビシバシ鍛えてやる」

「ふぇ〜ん。教授が怖いですぅ」


 昨日転職して、もうレベル上げてんのか……。さすが高火力ウィザード同伴だな。

 こりゃあ俺たちも頑張らねえと、直ぐに追い越されそうだ。






 その翌日の朝。


「えぇ!? レベル44になったの?」

「はいぃ。でも昨日は二回も死んじゃいました」

「私なんて三回も……。なんで私よりHPの少ないみかんちゃんや教授は生き残ってるのに、私は死んじゃうのかなぁ」


 ナツメの驚愕したような声に、俺も絶句した。

 一日でレベル2かよ。すげえな。

 それに引き換え俺の方は――と落ち込むほどでもない。

 遂にレベル45に到達したからなっ!



◆◇◆◇◆◇◆◇


 名前:カイト

 レベル:45

 職業:アサシン / 種族:ケモミ族

 

 HP:5950

 MP:1680


 STR:100+60 → 100+61

 VIT:17+53 → 17+57

 AGI:120+66 → 120+72

 DEX:15+15

 INT:5

 DVO:5+1

 LUK:10+7


◆◇◆◇◆◇◆◇



 一次職だったメンバーを除き、二次では底辺だった俺と受付嬢が45になった。

 そろそろ……だよな。


「な、なぁ皆……」


 頑張って声を振り絞る。


「ん? 大家さんが何か仰っているよ」

「マック……恥ずかしいからその大家ってのは止めてくれよ」

「あはは。解ったわかった。で、どうしたんだい、カイト」


 マックは紳士だよなぁ。エルフ姿が良く似合うぜ。

 そんな彼に後押しされて、俺は食堂の中央に歩み出た。

 あ、緊張する……ど、どうしよう。

 どう切り出そうか。なんて言おうか。


 うほっ。レイド、やらないか?


 これどこのホモネタだよっ! そうじゃねえだろ。

 えーっと、えーっと……。

 頭を抱えて考えていたら鋼のおっさんがやってきて――


「なんじゃカイト。家賃でも請求するのか?」

「いやなんで今更。もう金は貰ってあるし、家賃なんていらねえよ」


 おっさんが自慢の髭――付け髭だが――を撫でながら言うので、つい突っ込みを入れた。


「じゃあ大規模改築の算段?」

「いやそれもしないし。この家建てて何日しか経ってねえだろ」


 ナツメがそう言うので、やっぱりつい突っ込みを入れてしまう。


「じゃあレイド戦デスかー?」

「そうそれだよそれ――あ」


 クィントに先に言われてしまった……。

 よく見たら全員、何故かにやついてやがる。


「はっ! 誘導尋問だったのか!?」

「まだまだカイトのコミュ障も先が長そうだしねぇ」

「えー、でも大勢の人前に立って話すのって、緊張しますよぉ〜。ねぇ?」


 ココット。ええ奴や。それに引き換えナツメの野郎。ニヤニヤしやがって、くそう。

 あ、でも地味にココットのいう事に頷いてる奴もいるな。

 なんだ。結構みんなも緊張するんじゃないか。

 はは。俺と同じじゃん。


 みんなも緊張するんだ。緊張したからって気負う事もないよな。

 よ、よし……


「えーっと、お、お集まりの皆さん……ほ、本日もお日柄がよろし……ちげーよっ!」


 あぁ、またやっちまったぁぁぁ。


「っぷ。一人ボケツッコミだよ」

「ネトゲやめたら芸人にでも転職するのか?」

「いや、あれじゃあ売れないだろ」


 余計なお世話だっ。

 き、気を取り直して……


「え、えーっと。レイド攻略メンバーの最低レベルも44になったわけで。そ、そろそろ、コボルトキングの攻略準備に入らないか?」


 同居人専用食堂を見渡し、集まったメンバーの顔を確認する。

 たまに野宿組もいたりして、毎朝全員が揃っている訳じゃないんだが……今日は皆いるんだな。

 俺の言葉と同時に、笑顔を浮かべる奴もいれば、緊張したような面持ちになる奴もいる。けど、直ぐに決意を固めるように頷くと、新しい玩具を貰った子供のようなという例えに合う様な顔になりやがる。


「よっしゃーっ!」

「待ってました」


 誰も反対する奴はいない。

 そんな彼らの反応を見て、今の俺はどんな顔をしているんだろうな。






「で、カイトはレイド攻略に乗り気なのか?」

「は? なんでそんな事を」

「いや、なんというか――」

「カイト君の顔が、物凄く仏頂面だったからさー」


 ……そういう顔だったのか……。

カイトのステータス。今回は略したものを掲載しました。

なんかずらずら長くなっているので^^;


スキルその他を含めた完全版を後書きにまとめておきます。


◆◇◆◇◆◇◆◇


 名前:カイト  レベル:45  職業:アサシン / 種族:ケモミ族

 

 HP:5950  MP:1680


 STR:100+60 → 100+61  VIT:17+53 → 17+57

 AGI:120+66 → 120+72  DEX:15+15

 INT:5           DVO:5+1

 LUK:10+7


 SP:36  スキルポイント:4


●アクティブスキル●

『石投げ』『足払い』『スティール:LV2』『シャドウスラッシュ:LV5』

『バックステップ』『カウンター:LV5』『ハイティング:LV3』『クローキング:LV2』

『スタブ:LV1』『スタンブロウ:LV3』『アヴォイド・ブースト:LV3』


『シャドウ・バースト:LV1』『カオス・スラッシュ:LV5』『ベナムクラッシャー:LV1』


●パッシブスキル●

『短剣マスタリー:LV5』『ダブルアタック:LV5』『二刀流』


●修得技能●

【格闘:LV54→56】【忍耐:LV51→55】【瞬身:LV58→62】

【薬品投球:LV29→31】

【岩壁登攀:LV15】【ポイント発見:LV32】【採取:LV29】【製薬:LV21】

【採掘:LV7】【裁縫:LV1】【伐採:LV10】【植林:LV5】【栽培:LV4】

【神速:LV8→10】【格闘王:LV2→3】


 技能ポイント:0


○技能スキル○

『巴投げ:LV12』『ポーション投げ:LV20→22』『素材加工:LV12』『ポーション作成:LV19』

『電光石火:LV25→26』『ポーションアタック:LV4』『正拳突き:LV1』『助走』

『急所突き』


●獲得称号●

【レアモンスター最速討伐者】【最速転職者】【ファースト・クラフター】

【ファースト・アルケミスト】【ダンジョン探求者・パーティーバージョン】

【鉱山を愛する者】【ソルトとの友情】


◆◇◆◇◆◇◆◇

 

うーん。長い

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