↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アニミ物語  作者: カボバ
冬祭り編
PR
98/419

26




「ミリアさん、ちょっといいかな?」



今日は土曜日で授業はないが12号館まで来てミチカにノートを見せてもらって個人学習に励んでいた。


姉さんの煙もあれからさらにいくつかの使い方を教えてもらい何度か使っていくうちに、今では姿を消すくらいなら難なくできるようになった。



それでも1人で行動するのは渋られたし、説得して説得して12号館だけそれ以外に移動する用事ができたら必ず連絡することを約束させられた。



「ユノカ先生、どうしました?」


いつも教職員室か多目的室でしか会わないのに、1211室にユノカが来るのは珍しい。



「ホオリさんわかる?Bクラスの子なんだけど。」


名前までは知らなかったがBクラスと言われて大体誰のことを指してるかわかった。



「あなたに会いたいって言ってるんだけど。」


その言葉にチラリとミチカを見る。


彼女は何も言わずうなずいた。



「1213室で待ってます。」


「わかったわ。」


そう言ってユノカは部屋を出ていった。




「ミチカ、悪いんだけど立ち会ってもらってもいい?」


「もちろんよ。」


そう言って広げていた勉強道具を手早く片付ける。




1213室でミチカと2人待っていると、控えめを通り越してなったかどうか顔を見合わせて確認が必要なほど小さなノック音がした。



「いらっしゃい、入って。」


扉が開いたことにもおっかなびっくりしている女子生徒を部屋に招き入れる。



「あの、私Bクラスのホオリです。」


ソファーに座ってもらい机を挟んで正面に座る。


ミチカには斜め前2人の間に座ってもらった。



「私はミリアです。」


「私はミチカ、何かあった時のために一緒に居させてもらうね。」


ミチカがそういうとホオリは頷いた。



「それで、今日はどうしたの?もう体調の方は大丈夫?」


ユリ殿の外で倒れていたホオリとは少し会話はしたものの、その後連れて行かれてから会っていなかった。




「うん、体の方は大丈夫です。あのあと色々検査とかされたけど、異常が見つからなかったから今日から普通の生活に戻っていいって言われました。」


あのあとも何度かお世話になった警備隊の人と話すことがあった。


意識のなかった生徒たちは何も覚えていないが、それ以外に異常はなくどうすればいいかわからず詳しく検査できる学園施設にお願いするしかないこと。


それでもまだ特段何かがわかったわけでもなく、一部生徒に関しては元の生活に戻って様子見することになるだろう。


そういう事は聞いていた。




「あの時も聞いたけど、できればもう一度何があったか聞かせてもらえるかな?できればもう少しさかのぼって。」


そう言うとホオリは朝起きて散歩に出かけたことを話し始めた。


座ったホオリの膝の上で暇そうにしている彼女のティーが飛び立とうと羽を広げたが、ミチカのティーが普段とは違う少々長い鳴き声をあげると羽を閉じホオリの服の中へと潜り込んでしまった。




「じゃあ、それより前に何か変わった事はなかった?」


「変わったこと?」


当日の様子からでは異常は拾え無さそうだったのでもう少しだけさかのぼってもらうことにした。




「そういえば、その前の金曜日に先輩に街まで連れて行ってもらったんです。」


プレパートリーの生徒は寮と12号以外の場所に行くことは例外を除いてできない。


街まで行くのはエレメンタリーに進級してからか、ブーケットの先輩の付き添いが必要になる。




「最近人気の占い師が居るって言ってて、私そのことにすごく興味を持ったから先輩が時間を作って連れて行ってくれたんです。」



話を聞くと、占いと言っても悩みを聞いて簡単なアドバイスにもならないような言葉とお守りをもらえるのだとか。


本物の占いをするティーを見てしまったせいか、あまりに胡散臭く子供騙しすぎると感じた。


ミチカの方を見れば、ミチカも似たり寄ったりな感想のようだ。




「それで、お守りをできるだけ肌身離さず持ってるようにって言われて、私あの日も間違えなくポケットに入れたんです。でも、気がついたら無くなってて。」


ホオリが言うには寝る時も枕の下に入れて寝ていたので朝着替えたときにポケットに入れたのは間違えないとのことだった。



「どうしても気になってあの時一緒に回収された物の中も探させてもらったんですけど、見つからなかったんです。」


「そのことは警備隊や先生たちに伝えた?」


「伝えました。」


「ちなみにそのお守りってどんな見た目?」


「えっと…。」



赤地に花柄の布で巾着のような形をしており指先で扱うのも難しいほど細い糸で結ばれていた。


触った感じでは中に細かい何かが入っていて、匂いなどはしなかった。




「もしかしたら拾い忘れててまだユリ殿の近くに落ちてるかもしれないから、探しておくね。」


「ありがとう、ございます…。」


そのあとしばらくして迎えにきたユノカに連れられてホオリは帰って行った。




その日の夜は収穫の日だった。


夜も遅くなり彼女が入れてくれた温かい飲み物を飲みながら花が輝だすのを待つ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。