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アニミ物語  作者: カボバ
入学編
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「と言うと?」


「ミチカが来た前後くらいだったと思うんだけど、間違いなく学園に到着して入学の説明やら何やらやったはずなのに次の日から見かけないんだ。俺ウロウロしてるからさ、他のクラスのメンバーも結構顔見てるはずで新しいのがいたらわかるはずなのにさ。」


「なあ、それって女子か?」


ユウガの言葉に挟み込むようにコウヤが言った。



「たぶんそうだと思う。けど制服の上に大きな羽織?みたいなの着てフードもかぶってたからよくわからないんだよ。」


「それって前に1度見たことないか?確かミチカと一緒に。」


「それって、あの子のこと?」


ユウガに続きコウヤとミチカにも心当たりがあるようだ。




「まだSクラスが3人だった頃に1度だけクラスに別のやつが居たことがあったんだよ。」


「月曜日のクラスミーティングの時間の前にコウヤと部屋に向かったら別の子が居たことがあったの。」


ミチカがその時のことを思い出しながら説明する。



「もしかして新しいSクラスメンバーかと思って声をかけたらすぐに教室を飛び出して行っちゃって気がついたら居なかったわ。」


「それっていつの話?」


ユウガが日付を確認し、ポケットから手帳を取り出し何かを確認する。




「やっぱりそうだ。その日に新入生が来たんなら俺が見た新入生の初登校日と一致する。」


「他のクラスの子が部屋を間違えた可能性は?」


「それはない。その前の週に到着した子は他にいなかったんだから。」


「と言うことはさ。」



今までの話を聞いていて思ったことを少し整理して口に出す。



「Sクラスは本来もう1人居てなんらかの理由で今登校してない。でも、その子が今回の事件を起こしているかもしれないって事?」


その言葉にみんなが鎮まる。



「もしかして、最近多い物がなくなるのもその子のせいなのかな?」


テルマがポロッとこぼした言葉で空気が冷める感覚がする。



「いったいなんのために?」


「わからないけどさ。」


ミチカの疑問にユウガが言葉を重ねる。



「本人に聞くのが1番手取り早いんじゃないかな?どこのクラスにも居ないけど、これだけ事件やら紛失が起こってるってことは12号棟には居るってことだろ?」


「僕たちでその子を探すの?」


テルマの疑問に頷くユウガ。



「たまたま被害が出てないだけで、次は大怪我するかもしれない。そんな状態で学園生活なんて送れないよ。」


「そうね、せめてなんであんなことしたかくらいは本人の口から聞きたいわ。」


ユウガは興味があると言う感じだが、ミチカの言葉からは怒りを感じられる。


1度は被害にあい、1度は目の前で被害が出そうだった。この中で1番の被害者はミチカなのかもしれない。




「でも探すって言ってもどうやって?」


「そんなに難しくないんじゃないかな?」


テルマの言葉に即答する。



「ティーが校内を動いてるってことは動物のティーである可能性が高いわけだからテルマのティーでおおよそこの中に居ない誰か違う声が聞こえたら間違えなく近くに居るってことでしょ。」


「ミリアみたいに言葉を発しないティーだったり、コナミみたいにそもそも自立しないティーの可能性は?」


「被害が出たとき、誰も姿を見てないんだ。本人が姿を隠した状態でなおかつ私たちに気付かれないようにティーに指示をしたり行動を起こすってたぶん無理だと思う。」


ユウガの推理はもっともだった。



「じゃあ、居ない誰かさんを探すのはテルマ主体でやりましょ。それから、情報が欲しいわね。」


ミチカがそう言う。



「なぜ先生たちが隠すのか、その子はなぜ12号棟には来ているのに一緒に授業を受けていないのか。そんなところ?」


「とりあえずその方向で進めよう。他のクラスのやつから情報収集をするならコナミとユウガだな。」


「同じ寮のやつらにそれとなく聞いてみるよ。」


コナミの住む寮はどうやら他のクラスの人たちと共同のようだ。



「俺は適当に溶け込んで噂話を拾ってくる。」


「ミリアは先輩たちに何か知らないか聞いてみてくれる?」


「わかった。」


そう返事をしてグラスを持ち中のジュースを飲む。


グラスの中のジュースに浮かんでいた氷はすっかり溶け味が薄くなり、グラスの表面には水滴がいっぱいついていた。






それからしばらく時間が過ぎ慌ただしくブラウニーズが動き出した。


それをなんとなく見ていると突然手を引いて立ち上がらせられた。



「あぁ、みんな一回部屋に行こうか。」


「そうね、きっと何か大がかりな準備があるんだわ。」


テルマとミチカが何か察したようで、ミチカと2人で右側の廊下に、他の4人は左側の廊下に行った。



「よかったら私の部屋にどうぞ。」


そう言ってミチカの後ろについていく。


手前から二つ目のドアを開けて中に入る。



正面に勉強机、その横にベッド左手側の壁にはハンガーがいくつかかかっておりミチカが制服のジャケットを脱いでそこにかけた。


ベッドの足元側にはクローゼットがある。



「ベッドにでも座って。」


言われた通りベッドに座る。



「いい部屋だね。」


「ありがとう。こっちの女子寮は私1人だから誰かを招いたのは初めてだわ、」


ミチカは勉強机の方の椅子に座りながらいう。



「向こうは3人いるからいつも騒がしいくらいらしいけど、こっちは1人だから風呂もトイレも独り占めどころか夜とか恐いまであるんだから。」


確かにそれはふとした瞬間などに恐そうだ。


適当な話をしていると廊下からベルを鳴らすような音が聞こえてくる。



「あっ、準備できたみたいね。」


ご飯の時間になったらいつもあの音で知らせてくれるの。とミチカは言う。



廊下に出てみると食欲をそそるいい匂いがする。






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