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おでんは現実
おでんは小説
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僕はドグラマグラ太郎先生が書いた駄文に目を通した。
僕の知る限りおでんは小説では無い。
小説は現実逃避だ。
おでんは現実だ。
大根は現実だ。
煮卵は現実だ。
餅巾着は現実だ。
そこに小説の介在する余地はない。
おでんが小説だとすると
現実が現実逃避になる。
現実が現実逃避になる事は往々にしてある。
ならばおでんが小説になる可能性も
ひょっとして有るのでは無いか。
何かがおかしい。
自己欺瞞を強いられている気がする。
仮におでんが小説だとする。
おでん小説なるものが有るとする。
誰がいつ読むんだ。
どの層が読むんだ。
どんな気分で読むんだ。
読後感はどうなるんだ。
おでんは小説では無い。
おでんは小説では無い筈なんだ。
僕の現実がまたぐらぐらおどりだした。
困るなあ。
おい断わっちまえよ。
おーい。
おでんと小説なんてまるで別だよ。
ちゃんと断らないと大変な事になっちまうんだぜ。