序章・第4話
今回は舞と鋼嗣の会話が主体となっています。
それと、主人公がまたパワーUPします。
ベッドに寝転がったまま俺は取り合えず、現状の把握をしてみることにした。
俺が今いるこの国の名前はテミストス王国で、城下町はそれなりに活気が
あった。馬車の中からで良く見えなかったが雰囲気で分かった。
だが、まだ分からないことが多いな。後であの王に聞いてみるか。
(そういえばその王に何か頼みごとみたいなのをされたな。
部屋に来いって言ってたし。)
そう考え、そろそろ行くかなと思いベッドから降りようとした時、
《まだ行かなくてもだいじょぶそうだよ。》
頭の中に声が響いた。ベッドから降りようとした時だったので、
体制を崩して床に頭から落っこちた。
「何だ?今の」
《また驚かせてしまったかな?僕だよ、コウ。》
「何でお前が・・・」
《おや?僕が神だとお忘れかな?》
「頭がおかしくなったかと思ったじゃねえか。」
《ははっ、ごめんごめん。君に伝えておきたい事があってね》
「伝えておきたいこと?」
《ああ、そうだよ。でも、その前に独り言に聞こえるから声を出すの
はやめたほうがいい。心の中で喋ってごらん。念じる感じで。》
(こうか?)
《そうそう、そんな感じだよ。》
(それで?今更何のようだ。)
《まだ、落とした事を怒っているのかい。それについては謝るよ。
本当にごめん。でもあれが一番手っ取り早かったから。》
(分かった。許してやるよ。でも他に方法があっただろうに。)
《だから一番手っ取り早かったからだよ。
っと、話がそれたね。それで伝えたい事なんだけど・・
(待て待て待て、俺はそっちの方が気になるんだが。)
《これ以上焦らすと読者の方g・・
(分かった!分かったからそれ以上はダメだーー!!)
《おほん。じゃあ、気を取り直して。
伝えたい事なんだけどそれは君がいる国と君の能力についての事なんだ。》
(この国と俺の能力?)
《ああ。まずはその国についてなんだけど、今君がいるくには代々、
召喚の巫女と呼ばれる人が”勇者”の召喚をしていたんだ。でも、
今の巫女は”勇者”をいせかい異世界から召喚をするだけの魔力が
無くて困っていたんだ。でも、
(でも?)
《でも預言者としての才能に恵まれてていて、君が来ることが
分かっていたんだ。それを国王も伝えておいたから、
君の処分があんなものになったんだ。》
(そうだったのか。だから王様はあんなことを。)
《そう。だから多分面倒なことになると思うけどがんばってね。》
(おい、ちょっとまて!俺はどうなるんだよ!)
《その辺は王様次第さ。それよりも君の能力についてなんだけど、
[能力自体を創造する力]ってあっただろ。》
(それがどうかしたのか?)
《う~ん、何というか効果について若干の修正があるんだ。》
(へー、どんな?)
《二つあってね。まず一つ目は、制限として
{”神”、”世界”、”生命”、”寿命”、を対象にして
使うことは出来ない。また、”戦っている相手と同じ能力”
を使うことは出来ない。}だったでしょ。》
(ああ)
《その”生命”、”寿命”ってところは、正確には”生命自体”
と”寿命自体”・・具体的には[見ただけで相手を殺す]能力とか
[自身を不老不死にする]能力とかそういうのがだめなんだ。
ようするに君が創った能力の一つで[分解]があっただろう?
あれを使って生命を対象にしたりすることは出来るんだ。》
(そうか。じゃぁ別に俺は不老不死なんかにはなりたかないし、
何の問題もないじゃねぇか。)
《ただ・・・》
(ただ、何だ?)
《君が創った[想像]の能力がまずかった。》
「まずいって、どんな風に?」
《非常に言いにくいんだけど、
あれを人の身で使うのには少し無理があるんだ。》
(無理、だって・・・?)
《ああ、あれを使えるようになるために君の体は神に近づいた。
そして寿命が数千年単位で伸びた。》
(はぁ!?なんだって!お前さっき自分の寿命は対象にできないって・・
《僕が言ったのは、君の能力を使って君自身の寿命を対象に
出来ないって言ったんだよ。君の寿命が伸びたのは”世界”
の影響だよ。”世界”が君を神として受け入れつつある。》
(何だよそれ!俺はお前が力をくれるって言うから、
貰っただけなのに!どうしてそうなるんだよ!舞!)
《僕も、反省しているよ。親友だから、という理由だけで
力を得るチャンスをあげてしまったからね。神失格だよ。
それにあの時もっとよく考えていればこんな事にならな
かったのに。全て僕の責任だ。許してくれ、コウ。》
(あそこで何も考えずに言った俺も悪いんだ。
だから、謝らないでくれよ。)
《・・・・・・ありがとう。こう。お詫び、
ってわけでもないけど、君にもう一つだけ僕から力をあげよう。》
舞がそう言ったのと同時に俺の体が淡く光った。
初めて舞に能力を貰った時のような強烈な光でなくてよかった。
(今度は何だ?)
(そう心配しないでくれ。今度の能力は[念話]だよ。
君のいる世界にもあるけどそれよりももっと便利なやつだよ。)
([念話]?)
《そうだよ。今しているような事が何時でも誰とでもできる。
今度のは”神”をも対象に含めるよ。まあ、僕だけだけど。
これは比較的君への負担も少ない。》
(これでいつでもお前と会話できるな。)
《そうだね。それと君が神として受け入れられつつあるって
言うのは君の能力を過剰に使わなければ”世界”に神として
認識されることはないから心配しなくていいよ。》
(そうか、これから気をつけるよ。)
《そうそう、君にあげた[魔法関連の能力最強化]は魔法が
使えるようになったわけじゃなくてただ単に魔法関連の
能力が上がっただけだから。
新たに[魔法使用可能]の能力でも創っておいたらどうだい?》
(そうだったのか。じゃあまた創っておくよ。)
《最後に、君はさっきいったように”世界”から
神として認識されかけている。そのせいで君には
{神力}が、僅かながら宿っている。》
({神力}?)
《神のみに宿る魔力のようなものさ。
正確には少し違うけど、{ドラゴン}と呼ばれるような生物に
傷を殆ど負わせられないのはこれのせいだ。あいつらにも、君
よりも少ないながら微量の{神力}が宿っているんだ。
君の場合は{神力}があいつらよりも多いからもっといろいろ
出来るはずだよ。便利な力だからためしてごらん。》
(なぁ。舞。)
《ん?なあに?》
(俺ってもうすでに神を名乗っても良いんではなかろうか?)
《ははっ、ちがいない。》
(笑い事じゃないぞ!俺は元の世界でも人外だったのにそれ
すらも通り越して神かよ。俺どんだけ化けもんなんだよ。)
《でもコウはコウだよ。それ以外の何者でもないさ。》
(舞・・・。ありがとう。少し気が楽になったよ。)
俺が親友の言葉に感動していると
「国王がおよびです。」
外の兵士から声がかかった。
折角人が感動に浸っているというのに。
《さて、そろそろ行ったほうが良いんじゃないか?》
(そうするさ。)
「ああ、直ぐ行く。」
そう外の兵士に声をかけ入り口へと向かう。
(がんばってねコウ、僕に出来ることは少ない。だからせめて君の無事を願うよ。)
舞の呟きは鋼嗣に聞こえることもなく霧散していった。
まだ、序章すら抜けていません。
次は王様たちとの話し合いです。
ではまた次回お会いしましょう。
追記
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