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序章・第5話

今回は少し長めです。

後2話ぐらいしたら学園にはいれるかもです。


兵士に連れられながら城内を歩き回ること約10分。

ようやく王の執務室らしきところにたどり着いた。

俺を連れて来た兵士の1人が、部屋の前の近衛らしき兵士に

俺が来たことを伝えに言った。

そしてどうやら入室の許可がでたらしく、中に案内された。


すでに王と巫女服に身を包んだ少女が1人いた。


「ご苦労。もう下がってよいぞ。」


「ハッ。」


王が兵士にねぎらいの言葉をかけて下がらせた。

その姿は威厳があり、これが王なんだなと、思い知らされた。


「早速じゃがお主に頼みg

「お父様、さすがにそれは失礼でしょう。」


王が喋りだした時、隣の少女に遮られてしまった。


「おっと、そうじゃったな。

コウジよ、こいつはわしの娘のハルピュアじゃ宜しく頼むぞ。」

「ハルピュア・テミストス・ガーラントです。

宜しくお願い致します。」


そういい礼儀正しくお辞儀をするハルピュア。


「ああ、知っていると思うが俺はコウジ キサラギだ。

こちらこそ宜しく頼む。」


いい終わり握手を求めた俺に、笑顔でこたえてくれた。


「あなたのことは存じていますよ。

この世界に来る前から。」


「そうか。」


大して気にした様子もなく返した。


「そうか、ってよくこんな大事なことを言われて平気ですね。」


俺の素っ気ない反応が面白くないのか、

僅かに口を尖らせながら聞いてきた。


「異常事態や驚く様なことに遭遇し過ぎちまったせいでそういうのには

なれているんでね。

それと俺に対してそんなにかしこまった態度で接しなくてもいい。」


「そう言われるのでしたら。」


はぁ~っと大きくため息をつきながらも少し緊張を緩めてくれた。


「話中悪いがそろそろ本題に入らせてもらうぞ?」


王様そっちのけで話していたら急かされてしまった。


「いいぞ」

「お願いします。」


2人そろって返事した。


「うむ、まずはお主にこの国のことを話さなければならんの。」


「頼む、俺もそれが聞きたかった。」


大体のことは分かっていたが怪しまれないよう、

続きを促がした。


「そうか、ではまずハルピュアについてのことなんじゃがの、

ハルピュアはこの国で召還の巫女を務めておる。」


「召還の巫女?」

分かっていることだが一応聞いてみる。


「そうじゃ。召還の巫女とは代々この世界の平和の象徴として

、時には本当の平和のためにこの世界ではない異なる世界

から”勇者”を召還する者のことじゃ。」

「しかしながら、私には異世界から”勇者”を召還をするだけの

魔力を持ち合わせておらず、困り果てていました。」


「しかし、じゃ。ハルピュアは生まれながら預言者としての才

を持ち、それを使って今までこの国の危機を何度も救ってきた。

じゃが、・・

「やはり平和の象徴である”勇者”が不在ではこの国は

安定しませんでした。

ですが私は1月ほど前にあなたが異世界からここに来る、

と預言しました。正確には{異なる世界から1人の少年

が現れる}でしたが。」


「わしはそれを聞いた時心から喜んだ。遂にこの国が救われると。

そして今日お主が現れた。

じゃからわしは王としての権力を使い、お主の処分と言う名目で

実力を測らせてもらった。

ここまで話せばわしの頼みごとが何かわかるな?」


王とハルピュアが交代交代で説明してくれた。

だが、その王の”頼みごと”が気に入らなかった。


「ちょっと待て、その巫女さんの預言では少年が現れる、

と言うことしか分かってなかったんだろう?

何故俺だと分かったんだ?」


「それはその後、私がもう一度預言をしてどのような現れ方か、

どのような容姿か、などを改めて預言しました。」


「それは分かった。だが、事情を話せば俺が

はい、そうですか”勇者”をやらせていただきます、

と言うとでも思っていたのか?」


「それはもちろん、やって下さると思っていましたよ。

”勇者”になるのはとても名誉なことですから。」


「本当にそう思っているのか!?

だとしたらお前らは頭が腐ってるよ!!」


怒りを隠そうともしないで俺は言う。


「何故ですか?」


さすがに頭が腐っているとまで言われては黙ってられないのか

ハルピュアが多少の苛立ちを混ぜて聞いてくる。


「何故かって?笑わせんじゃねえよ!!

俺はいい、だがもっと昔には異世界から無理やり召還されたやつら

がいただろう!そいつらはどうすんだよ!?自分の世界から急に

連れて来られて家族や親しい人たちと別れさせられる!

挙句の果てに言葉も分からない!」


「そ、それは・・


「もし自分がその立場になったらどうするよ!?

力のある奴はいい、だがそれすらもないやつはどうしたらいい!?

それを考えてやってんのかよ!?答えてみろよ!」


「まだ確立されてはいませんが元の世界に送り返す魔法だって・・


俺の迫力に押されて言い訳をしようとしたが

そんなもので終わらせる気はなく、途中で遮った。


「まだ確立されてない?

戻せる確証もなしにその人間の人生を壊すのか!?」


「すまん、そこまで考えておらなんだ。わしらが浅はかじゃった。

むかしからの慣わしでそれが平然と行われていたからのう。

ほんとうにすまなかった。」


床に手を着いて土下座の姿勢をとる王。

感情のままいってしまったのでまさかここまでなるとは

思ってなかった俺は慌ててしまう。


「俺に謝らないでくれ。

それは過去”勇者”にされた者達へと向けられるべき言葉だ。

俺は当たり前のことを言っただけだ。だから顔を上げてくれ。」


「そうじゃな、おぬしに謝ってもしょうがない。後でハルピュアと

歴代”勇者”の墓にでも行って来るとするかの。」


さっきまでの空気は消え、最初の雰囲気にもどる。


「それに俺は召還された勇者様じゃないんだ、

そんな俺でいいのか?」


そういった瞬間さっきまで暗い顔をしていた王とハルピュアは

顔を輝かせ


「「やってれるのか(やってくださるんですか)?」」


2人して顔を近ずけてきた。


「近い近い。まずは俺に頼んだ理由を聞かせてくれ。」


「それは異世界から来た者は総じて身体能力が優れ、

魔法の才もあり、カリスマ性があることから任されていました。

異例ではありますが同じ異世界から来たあなたに頼むことにしました。」

「少し待て、俺はまだ了承していないんだが。」


「ええ!やってくれないんですか?」


驚いたような声を上げるハルピュア。


「まだこのことは誰にも言っていないのか?」


それをスルーして王に尋ねる。


「ああ、まだ誰にも言っておらん。この噂が広がるとまずいんでの。

わしら二人と数人の信用できる部下しかしらん。」


「そうか。」


「改めてお主に頼みたい、

”勇者”をやってはくれぬか?」


「最初から事情を説明してお願いしてくれれば良かったのに。」

「事情説明はしたのに・・・」

「それは、その、お願いの仕方と考え方に怒りを感じただけであってだな。」


「それはさておきやってくれるのか?やってくれないのか?」


「そうだな、ならこういう条件でどうだ。

俺はまだこの世界についての知識が少ない、

だから学校に通わせてくれ。これがまず1つ。」

「学園のことかの?それぐらいならわしが手を回しておこう。」


「よし、では次に。この国に腕を上げながら、

金の稼げる組織はあるか?」

「ああ、”ギルド”と呼ばれる組織があるぞ。」

「ならそいつに俺を加盟させてくれ。これが2つめだ。」

「お安い御用じゃの。」


「そして最後に、仮の”勇者”はしてやるが

それは俺がこの世界に慣れてきてからだ。

ちなみにさっき象徴か本当の平和か、と言っていたが、今回はどっちだ?」


「今のところは象徴としてじゃの。

お主に何かしらの因縁をつけてくる奴もいそうじゃが。」


「それならあまり問題ないな、

”勇者”をするのはある程度たってからか俺が必要になってからだ。

その時は報酬を出してくれ。」

「お、お金とるんですか?」

「もちろん、あいにくと俺はボランティア精神は持ち合わせてないんでね、

ただ働きはごめんだよ。」

「ちゃっかりしとるのお。そういえばお主、

住むところなんかはどうするんじゃ?無いんだったら、

学園の寮を確保しておくが?」

「ああ宜しく頼む。」


「それと、ハルピュアがお主のお供として付いていってくれるはずじゃ。

これからお主の事を助けてくれる。」

「召還の巫女は代々”勇者”の補佐役を努めてきましたから。

分からないことがあったら私にきいてくださいね。」

「ああわかった。れから長い付き合いになりそうだからな。

改めて宜しく頼むぞ。」

「はい。こちらこそ。」


お互いにもう一度握手してお互いを確認しあった。



(これじゃ”勇者”というより

”雇われ勇者”といったほうがいいかもね。)


(・・・・・そうだな、舞。でも何か久しぶりだな。)



「それでは参りましょうか。」


「ああ」


とりあえず王の執務室をでようと扉に向かおうとした時、


「コウジ。」


王が呼び止めた。


「なんだ?」


「おぬしには感謝しておるぞ。

お主はさっき当たり前のことを言っただけだ、と言ったが

その当たり前にわしらは気付けなかったからの。

それに仮でもあるが”勇者”をしてくれたしの。」


「あくまで仮、だがな。」


なんだか急に恥ずかしくなってハルピュアを残し、

急ぎ足で部屋を出てしまった。



「フォッ、フォッ、フォッ、コウジなら

何かしてくれるかもしれんの~。」


「ええ、そうですね。」



1人部屋を出てきてしまった俺は帰り方が分からずしばらく

辺りをさまよい、執務室から出てきたハルピュアに連れられて

何とか客室までたどり着いた。





これからどうなることやら。

考えるだけでため息がでる。


はぁ~~。



次はおそらくハル先生の授業です。

ではまた次回お会いしましょう。


追記

この作品のアンケートを作りました。URLはhttp://enq-maker.com/1WJVRIbです。ご協力お願いします。

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