第1章・14話 ある種の争奪戦
今回は変人が多いです。
では、どうぞ。
追記
そう言えば、どなたかキャラクターの絵を書いて頂けませんか?
作者が書くと大変な事になってしまいますので。特に書いて頂きたいも のは指定しませんので、お好きなものをお願いします。
もし、書いて下さる方がいましたらどんな方法でもいいのでご連絡お願 いします。
どうしよう。俺、今更ながらこの世界の通貨が分からない。
「なあ、舞。この世界の通貨ってどうなってるんだ?」
他の奴らから少し離れてばれないようにしながら舞に聞く。
「そういえば君はまだこの世界で買い物とかをしていなかったのか。」
「ああ、そんな基本的なことまで学園は教えてくれないからな。」
「そういうことなら僕が教えてあげるね。
え~っと、まずは通貨の単位だけど、これにはオーネが使われている。
それで一番価値の低いのが王国魔銅貨。一枚10円ぐらいかな。
次に価値があるのは王国魔銀貨。これは100円ぐらい。
一般的に出回っている中で一番価値があるのは王国魔金貨。一枚1000円ぐらい。
で、最後に国同士の貿易などで使われることの多い白魔王国貨。
一枚で10000円ぐらい。
一般的には滅多に出回らないからもし手に入れたら大事にね。」
舞の説明を聞いてふと思う。
「何で通貨の前に魔が付くんだ?」
「複製防止のために金貨自体に魔法で刻印が施されているんだ。
これによって複製が作られることはほぼ無いんだよ。
あんまりいないけどたまに刻印ごと真似しちゃう人もいるけどね。」
「そうか。教えてくれてありがとな。」
「別にいいよ。それよりも君はお金持ってるの?」
「・・・・忘れてた。どうしよう。」
「君の場合は能力でも何でも使って作っちゃえばいいんじゃない?」
「おお!その手があったか!早速やってみる。」
舞に言われたとおり、[創造]を使い作ろうとした。
が、俺は金の見かけを知らない。
不安になりつつもこの世界で使われている通貨、
という抽象的過ぎるイメージでやってみた。
「「・・・・」」
目の前にあるのは色鮮やかな通貨の群れだった。
俺の能力の万能性は証明されたがいい加減使い方に注意しないと危なっかしい。
とりあえず目の前の大量にある金を”隔絶空間”に押し込み、みんなを追いかける。
「さっきのお金があれば全員分奢れるかな?」
「余裕だろうね、あれだけあれば。でもあまりおおっぴらに出すと
まずいから自分の分だけにしといた方がいいよ。」
「それもそうだな。」
ようやくみんなに追いついたので会話を終わらせ、合流する。
「な~にやってたんだ?」
「特に何も。気になるものがあったからちょっくら覘いてただけだ。」
「ふ~ん。」
何やら意味深な視線を送られるが、
こいつの期待するようなことなど起こっちゃいない。
「これなんてどうでしょう?」
そう言ってハルが手に取ったのはパッケージから触手のはみ出たダークマターだった。
しかもまだ動いている。傘の会社の人たちが生物兵器として開発しそうな見た目だ。
とても食えたモンじゃない。
「ハル、それはやめなさい。凄く危険な香りがするから。」
「ええ~?そうですか?とってもおいしそうなんですが。」
ハルよ、そこまで言ったら天然でなく変態の称号を手に入れてしまうぞ。
「残念ですねぇ。」
そう言ってダークマターをたくさんの食品が置かれている棚へと戻した。
その瞬間、パッケージからソイツがはみ出て床に落ちた。
「「あっ。」」
落ちただけならいいのだが、
ソイツは遅いながらも自走して人ごみに消えていった。
「い、今のは見なかったことにしような。」
「は、はい。」
~放って置いていいのかなぁー、あれ。 by作者~
久しぶりにあのテロップが聞こえたが無視する。
いちいちあれに突っ込んでいたら何があるか分からない。
「みんな~、お弁当買ったからこっちに来て~。」
俺とハルが正体不明の弁当(?)と格闘している間に会長さんが
弁当を買ってしまったらしく集合がかかる。
「おお、うまそっすね。」
確かに会長さんのセンスは抜群だ。
少々値段は張るものの、とてもうまそうな弁当が人数分手提げの中に納められていた。
この世界ではビニール袋が無い為かマイバックの持参を余儀なくされるようだ。
「会長さん、これの代金は?」
「いらないわよ。これ、私の奢りだから。」
「本当にいいんですか?」
バシっとラウを引っ叩きながらナナが聞く。
奢り、と言った瞬間にラウの目が輝いていたのでそのせいで殴られたのだろう。
「気にしないで。あなたたちの初勝利のお祝いって事で。」
「そこまで言うなら・・」
「じゃ、この事についてはこれでお終い。」
初勝利でこれなら優勝とかしたらどうなるのだろうか?
と思いながらも会長さんに感謝しておく。
「これ食べたら、すぐに試合だからがんばってね。もし余裕があったら私の試合の
観戦もよろしくね~。」
「「「「「は~い」」」」」
五人で声を合わせ、会長さんに答える。
その後、観客席まで戻り、観戦しながら昼飯をみんなで食べた。
時間はあっという間に過ぎ、チーム戦の第二試合開始が迫る。
「んじゃ、行って来るわ。」
「はいは~い、がんばってね~♪」
会長さんに見送られ、観客席を離れ、闘技場の門の前まで移動する。
「第二回戦!!スタ~~ト~~!!!!!」
校長の掛け声と共に扉が開け放たれ、対戦相手も現れる。
今回の俺たちの対戦相手は全員が普通すぎて名乗りあったのに名前すらも覚えていない。
その戦闘スタイルも全員がいきぴったりに動く以外は特出した点も無く、弱かった。
ラウ1人しか戦っていないのにものの10分程度で全滅した。
「勝者!!一年生チーム!!またしても高学年を破った~~!!」
あれで高学年かよ!弱すぎだろ!実質たった4行で負けるとか無いわ。
・・おっほん、ちょっとメタ入ったが気にするな。よくあるけど。
「拍子抜けする弱さだったわね。」
「だな。あんだけ弱いと逆にかわいそうになってくる。」
ナナとそんな会話をしたながら観客席へと戻る。
「二連勝おめでと~。」
「あれじゃあ、な。」
「そうね、あれじゃあ、ね。」
さりげなくさっきの人たちを馬鹿にしながら会話をする。
「そんなことよりいかなくていいのか?試合。もう始まっちまうぞ。」
「何言ってんだ?一般の部での俺らが参加するにはまだ40分以上あるぞ。」
「さっきそこで校長がいってたじゃねえかよ。シードで入る奴らは
試合を繰り上げてやるからもう直ぐ始まるって。」
「って、俺らはシード枠だったのか?」
「ええ、言い忘れてたけど。そうじゃなきゃあなたが出られないじゃない?」
「わかった。さっさと行こうぜ。」
「もう他の生徒会は控え室にいるはずよ。」
会長さんと大急ぎで控え室へと向かう。
でもこのままでは軽く遅刻してしまう。俺1人なら楽なのだが。しょうがない。
「会長さん、ちょいと失礼。」
「え?ちょっと・・・」
まあ、あれだ。俗に言うお姫様抱っことやらで会長さんを担ぎ上げ、
{縮地}を使って控え室まで一気にたどり着いた。
「あ、ありふぁとお。」
顔を真っ赤に蒸気させ、言語機能の壊れた口でお礼を言う。
いきなり男に抱上げられたりしたらそうなるわな。
会長さんに悪く思いつつもゴルドに作戦を聞いた。
「俺たちの中でリーダーに向いているのはおそらくリアナだから
リアナにリーダーをやってもらうことにした。そして俺達は魔力
消費を極限まで抑えたリアナの十八番である幻影魔法発動までの
時間を稼ぐ。幻影魔法さえ発動できれば俺たちの勝利は確実だ。」
リアナの幻影魔法によっぽど信頼を寄せているのかゴルドはそう言い切った。
「別に発動前に潰しちまってもいいんだよな?」
俺の発言に驚いた顔をしたゴルドだったが直ぐに元に戻して
不敵な笑みを浮かべて言った。
「出来るなら、な。」
そんなゴルドに向かってニヤリと笑いかけこう返してやった。
「当たり前だろ。」
と。
「それじゃあみんな締まっていこ~。」
締まりの無い声でリアナが呼びかけた。
「あなたの締りが無いわよ。」
「一般の部!シード参戦で、再スタートッ!!!」
会長さんがリアナに突っ込んだところで丁度よく校長からアナウンスが入り、
試合開始が告げられる。
扉を開けたその先には、ずらりと屈強そうな人たちが並んでいた。
だが、その程度で俺たちは恐れることなく、試合に突入した。
[以下音声だけでお楽しみ下さい]
「俺は鋼鉄の肉体を持つ・・・
「黙れ!お前が鋼鉄の肉体なら俺はオリハルコンだ!」
ぐしゃ!
「僕と結婚しt
「俺に男色の気はねえええええええ!!!!!!!!!」
どごっ!!
「えっ、ちょっ、まっ、おわあ~~!!」
「ひひひははははは!!!!死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇ!!!!」
注・↑副会長です。
「・・・・」
ぐちゃっ!!!
「女子高生は何処だーーーーー!!」
「変態はもう間に合ってんだよぉぉぉぉ!!!!」
ばがっ!!!!
「や・ら・な・い・か☆」
「だ~か~ら~、変態は(ry
ぐちょっ!!!!!
[お付き合いありがとうございました]
「はあっ・・はあっ・・この連戦はきつい。特に精神面が・・・」
「そうね、何だったのかしらあの変態軍は。」
「気にしないことにしよう。」
「そう言えば途中でゴルドがおかしくなってたような・・・」
「コウジ君、ちょっとちょっと。」
ゴルドに手招きされて控え室の隅へ。
~10分後~
「ということでさっきのはなんでもないんだ。」
「さっきのは何でもない、さっきのは何でもない、さっきのは何でもない。」
帰ってきた鋼嗣の焦点は合っておらず、虚ろな目をして空を見ながら言葉を連呼していた。
「わわわ、ちょ、ちょっとゴルド!なにしたのよ!」
「少しだけOHANASHIしてきただけだ。特に何もしていない。」
「あなたがああなるのは仕方ないとしてさっさとコウジくんを元に戻してよ!」
「ではちょっとばかり刺激を。」
また部屋の隅まで連れて行き、なにやら呟いた。
「ハッ、俺は一体何を・・」
「少し疲れたんだろう。直ぐによくなるさ。」
生徒会役員としてなんとなく見えはいけないものを見た気がするレミネだった。
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~先ほどの変態との連戦の為、一般の部は決勝へ~
「やっと、決勝戦ね。」
「決勝って事は、あの馬鹿みたいに強い奴と当たるのかしら。」
会長さんとリアナが心配そうに会話をしているが、俺的には
早くそいつと戦ってみたくてしょうがない。
前にも言ったが俺は決して戦闘狂ではない。一介の武道家として、だ。
あくまで、武道家として、だぞ。
「数々の名(迷?)バトルがあったこの戦祭り一般の部もすでに決勝戦!
最後の戦いでは一体どんな戦いを見せてくれるのだろうか~!!!!」
「じゃ、ラストだしがんばりますかね。」
「そうね、折角だし優勝したわね。」
会長さんと話しつつも扉を潜り抜け、相手に向き合う。
「我が名はぺテル・リジェリア・ベルリード・ラ・ルバアルアリア。魔王だ。」
えええ~~~!!!!!!
この瞬間、俺の”勇者”イベントの発生が確定した。
時間が無いのでいつものは無しで、また次回お会いしましょう。
追記
次回は日曜日の10時に更新です。
土曜日は今回の分ってことで目をつぶってください。
スイマセン。
追記
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