兄貴の話④(中学校の校則)
小噺を一つ
前にも話した俺の兄貴の話をするよ
俺の兄貴はとにかく個性が強いんだよ
考え方が独創的というかさ
だから面白エピソードがけっこうあるんだよ
今日はその中から『中学校の校則』の話をしていこうと思う
兄貴と俺が通っていた中学校は結構厳しいことで有名な学校でさ
校則が結構きびしかったんだよ
今では考えられないんだけど、男子は坊主、女子はおかっぱって
髪型が校則で指定されていたんだよ
で、兄貴が先に入学した時には当然坊主にさせられたんだけど
それから1年経った頃、つまり俺が入学する前の学年の時に
校則が厳しすぎるんじゃないか、って話が生徒から上がったらしいんだよ
俺に取っては、「頼むから変わってくれ」って切実な願いだったのを覚えてるな
で、校則をこのまま変えないか、
変えるかを生徒全員のアンケートで決めることにしたらしいんだよ
俺は生徒が髪型自由に出来ないの嫌だろうと思ってたから
絶対校則変わるなって確信して狂喜乱舞してたんだよ
それくらい坊主にするのいやでさ
まぁ俺の話はいいや
で、そのアンケートがあった日に兄貴にルンルンで話しかけたんだよ
「なぁ兄貴、今日アンケートあったんだろ?当然校則変更に賛成したよな?」
ってさ
したら兄貴は憮然顔して、こういったんだ
「あぁ、あったよ。残念ながら校則変更に決定だってさ」
……??
どういうことだ
校則変更に決定ならもっと喜んでいいはずじゃないか
だから俺聞いたんだよ
「どゆこと?変更ならいい話しじゃん」
そしたら兄貴はこう言い返してきた
「実はお前には言ってなかったけど、俺は反対に入れたんだよ
だって、俺はもうすでに坊主になってるから、今更変更になったって
大して変りないからさ。
それだったら、俺と同じ坊主の苦しみを、これから入ってくるお前ら
新入生にも味わわせたかったんだけどなぁ」
……はぁ!?
なんとも憎たらしいことを悔しそうな顔して言ってんのさ
その時俺は思ったね、この人悪魔や、って
無事に校則変更になって、俺は坊主を免れたんだけど
同時に、兄貴には逆らわんようにしようと固く心に誓ったわ
だって、自分の幸せより他人の不幸を優先できる人間には敵わんて




