第一章 守護者編2話の根本が違う世界線の話。没案!
もしも、蓮水が2話の時点で帰らなかったら。
────気配がした。
「やあ」
「は?」
振り向くとそこには赤い髪に毛先はオレンジの、男が1人。
和服なんだか、中華なんだかわからない服を着て半径1メートル以内にいた。
男の周りではささやかな風が吹いているのか、ゆらゆらと裾が揺れている。
「だ、誰ですか、あんた」
「…おや、君は…そうか」
ただ平坦な声で男は言葉にする。
男の顔は紙で隠されていて、表情はわからない。
「なに…」
俺の言葉を遮るように男は笑う。
「君の記憶を、いじりに来たんだ」
「は…はぁ!?」
「大丈夫、だーいじょうぶだよ。怖くないよ〜」
ジリジリと近寄ってくる男を避けるように後ずさる。
固まっている雨粒に当たると動いている俺に当たったからか冷たい感覚が肩に染み渡る。
「い、嫌に決まってるし怖いに決まってるだろ、あんたなんなんだ!」
「僕?…あー、僕はね」
「君《神無蓮》を消しに来た男だよ」
「ふざけ…」
ドッッ
雷が俺と男の間にぶつかる。
「…な、なに…」
「あちゃー、来ちゃったなぁ、君のセコム」
「セコム?」
『蓮水様?』
長い明るい茶髪に、ピンクの羽衣を背負った女性が1人、蓮水と呼ばれた男を見つめる。
蓮水さん?は両手を上げて笑う。
「ごめんよー、火雷〜」
『許しませんよ』
「やだ、僕と戦う気?」
『ええ』
ピリピリとした空気。
な、なんなんだ…?後ずさる俺の背中に何かが当たる。
「え、」
『大丈夫か』
白髪の、赤い目の男。緑の和服を着た男が俺を見下ろす。
「だ、だれ!!」
「その子は風伯、この子は火雷〜。君の神様たちだよ蓮」
「はあ!?はぁぁあーー!?」
蓮水さんは楽しそうに笑い、火雷と風伯は呆れたような顔をして蓮水さんを見ている。
何、どういうこと、俺はこれどうしたらいいんだ…。
『悪いな、蓮…蓮水、あんた蓮の記憶を思い出させようとするとはいい度胸じゃねえか』
「うげ…風雷に決闘を申し込む気は僕にはないよ」
『ええ、そうてくださいな…。
じゃないと』
『あなたを本気で殺してしまいます』
優しい笑顔で微笑む火雷さんに蓮水さんの笑顔が引き攣る。
「くぅ…火雷〜君は本当に本当に美人なんだ、僕はできれば君とも付き合いたいくらい好きだよぉ…でもだめだ、風伯がいる!!」
『話を変えるな、あと本当に火雷に手を出したら俺が許さないぞ』
『もう、その女癖だけはどうにかしてください…』
やれやれと2人に呆れられる蓮水さんと、俺の記憶をどうこうの話が少しずつ薄れていく。
しかし、蓮水さんが微笑む。
「でも、諦めないよ僕は…この国を守るためなら、犠牲も必要だからね……ね?蓮」
「ひっ…」
『蓮水様』
「はいはーい、じゃあ僕はこれで失礼するよ〜!それじゃあね君たち!またすぐにでも会うだろうけど♡」
ばいばい、手を振って、蓮水さんが消えた次の瞬間、ドッッと雨が降る。
「うわ、っぷ…」
ドッと雨が降り身体に重みを感じる。
土砂降りの雨の中、傘を置いてここまできたから買ったばかりの新品の制服が1日にしてびしょ濡れになってしまった。
これは世界線がそもそも違いますね。
まず、これ二つの軸がある。
一つは蓮水が帰らなかった世界線。もう一つは風伯と火雷に制限がない世界線です。
風伯と火雷が本来の姿として蓮の目の前に現れる。
これするともうストーリーが別モンになっちゃう…!
本編よりももっと能動的な動きになっていたに違いない。
しかもこの世界線の二人が大人ってことは、色々と…もうほんとに今後出す予定ではあるけど、色々と一気に話が変わる。
まあそれは第二幕以降に答えが出るのでお待ちください。




