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〇を書くけど〇じゃないから  作者: 佳上 成鳴


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〇を書くけど〇じゃないから

 〇を書いてみた。心が真っ直ぐな人は綺麗な〇になるらしい。

 ……まぁ綺麗な〇ではない。何か右側に少し膨らんでいるような気がする。

 同じ感じで紙を真っ直ぐに切れるというのも漫画で見たことがあって若い時にやってみたことがある。


 曲がってた。


 その時は何だか悔しくて真っ直ぐに切れる練習をして少しマシになったのを覚えている。

 そんなことを思い出して、少し胸にちくりと何かが刺さった。

 私ももういい年。成長しているんだろうか?

 3年前に(奇跡的に)結婚できたけど高齢だし子供を育てる気は元々なかったので子供は無し。

 旦那さんは凄く真っ直ぐな人で正しい意見を言って私を正してくれる。

 もう、感謝しかない。

 昔、友達が「旦那には意見は言わずに黙っていてほしい!」と憤慨していたのを聞いていたことがあるが、私から言わせると間違っていることを正してくれるのに何故怒るのか?と思うわけで……

 きっとうちの旦那さんは〇を綺麗に書けるんだろうなぁ……なんて思いながら持っていたボールペンを置くとコロコロと転がった。机から落ちそうになってそれを止めた時にlineが鳴った。

 旦那さんからの仕事が終わったのでこれから帰るコールだった。すぐに返信して帰りを待つ。


 うちには「おもち」という名の白文鳥がいて、私が結婚前に飼い始めそのまま今も家にいる。

 そんなおもちは旦那さんが大好きで私がヤキモチを焼くくらい懐いている。仲が悪くなるより良かったけどね。

 旦那さんも私の連れてきた子だからととても可愛がってくれている。

 私と違うのはおもちに文句は言わせない!というところ。おもちは鳥なので突っついたり怒ったりするわけだが、私があああとなっていると旦那さんが断固とした態度で怒る。

 多分おもちはそんな旦那さんには逆らえないと思っているから明らかに私に対する態度と違うわけ。

 私も怒るけどやっぱり旦那さんのような態度は取れないからおもちにも舐められてるんだろうね。

 でもまぁ、嫌い合うよりいいなって思うからそのままにしてる。

 そんな旦那さんが家に帰ってくる時間になったので珈琲を淹れる準備をする。夕飯は出来てて温めるだけになってる。

 アイスコーヒーを淹れて暫くすると玄関で音がして旦那さんが帰ってきた。


「お帰りなさい」


 そう言って旦那さんを迎える。

 よくよく考えてみると3年経ったのにちゃんと帰るコールをしてくれる旦那さんはえらいと思う。

 周りでは連絡くらいしてほしい!という声を聞くから。

 本当に私にはもったいないくらいの人が旦那さんで良かったって思う。



 結婚してから始めたことと言えば家事はもちろん、ゲームだ。

 独身の時に一時期ゲーマーになる!とゲームをしていた時があるんだが何となく向かないのかなと売ってしまった。


 結婚してみたらゲーマーだった旦那さんにびっくりした(笑)

 仲がいい友達と話しながらゲームをするのを見て「なるほど1人でやってたから続かなかったのかな」と思っていた。

 そのうち私もやってみたいと思うようになり、ゲームを買ってもらった。

 しかし独身の頃から根を詰めてゲームをやるタイプではなかったので気が向く時にやっていたら怒られた。

 何故しっかりやらないんだと。正直驚いた。


「えっゲームってそんなにずっとやるものなの?」と。


 しかし旦那さんの話はそれだけの物ではなくて、私がなんでも中途半端に手を出してそのまま終わるのが良くないと怒っていた。

 ……確かに。

 いつの頃からか少しやっては終わりにしていた。

 そもそもそうなったのは向かないことをずっとやっていても結局得意にはならないって思い始めたからだったと思う。結婚前の話。

 私は子供のころから漫画家になりたくて雑誌に投稿とかもしていた。それこそ10代20代の頃は漫画一色の生活をしていた。

 仕事から帰って描いてご飯食べて描いてお風呂入って描いて……

 締め切りが近いと余裕で徹夜。若かったこともあるとは思うけどオールで仕事行ってよくミスしなかったよな。って思う。


 何だったらプロの漫画家のアシスタントしてた時もある。


 でも才能無いって思って夢を諦めてそこでなんだかぽかんとしてしまったんだよね。小学生の頃から目指してそれ一色でやってきたから目標が無くなってしまって。


 その頃からかな、最終的に無理なものに頑張っても結局だめなんだって思いになったのって。


 そこからずっと変わってなかったんだけど、先日Amazon kindleで小説を出してからちょっと変わったんだよね。


 無理だと思ってたけど長年携帯小説サイトで書いてた小説があって、それをkindleで発売したんだけど(一瞬だけど)1位になって頑張れば出来るのでは?と思い始めた。

 それでゲームも頑張っているんだけど、小説も書いて家事して…だと結局ゲームが後回しになってしまう。

 そして怒られる…。

 どうしたらいいんだ、うえーん。


 旦那さんに影響されて始めたことがあとふたつ。

 ひとつはサッカー観戦。子供の頃「キャプテン翼」が大好きだったからJリーグが始まったころは喜んでいたんだよね。


 でもその始めのサッカーがブームになった頃に、全く興味のなかった姉がマリノス戦?かなにかを見て帰ってきてひと言。「ルールが分からないから周りが喜んだらゴールだと思った」「オフサイドって何?」と。


 あーそういう感じなんだ。サッカー観戦に来てる人って。って思ったら何だか冷めてしまって。

 それまでは高校サッカーとかも見ていたし、凄くJリーグ楽しみにしてたのに。

 だから観戦に行ったこともないしテレビ中継も見てなかった。

 でも旦那さんがサッカー好きで、結婚してから観戦に行かないか。と誘われて行ったジェフユナイテッド千葉の試合でまんまとハマって、今ではユニフォーム着てフクアリでタオル振ってゲーフラ上げて大声でチャント歌って、シーズンシート買ってホームゲームにいそいそと出かけてる(笑)

 そして、年末にジェフがJ1に昇格した時、スタジアムにいて、号泣して喜んだ。もちろん2026年も応援に出かけている。うちからスタジアムまで電車で30分もかからないから通いやすい。


 もうひとつは筋肉少女帯。これも旦那さんが好きで結婚当初から色々YouTubeで見せてくれていたんだけどいまいちピンと来ていなかったんだけど、ある日「こんな曲もあるよ」と言って見せてもらったのが『日本の米』って曲。


 私的には凄く衝撃で、この日本には欠かせないお米だけどそれを歌うバンドがあるなんて!?と思って。

 大槻ケンヂって人は知ってたけど天才じゃん!と色々聴いたりしているうちにすっかり好きになってしまった。

 今も書きながら聴いてるくらいにはハマってる(笑)


 そんなこんなしていたら昨年末に父が癌で亡くなった。

 ここまで近い身内が亡くなったのは初めて。

 中学生くらいの時は父が大嫌いで本当に仲が悪かった。だけど数年前のある日、家に私しかいない時に父が心不全になった。

 慌てて救急車を呼んで何とかなったけど、チアノーゼは出てるし朦朧としてて本当に危なかった。

 救急車の中で「お父さんはおいくつですか?」と救急隊の人に言われて咄嗟に出てこずに「えーと年…78くらい?」と答えたら瀕死の父が「俺は80だっ!!」と怒鳴ってまたゼーゼーと言い始めて驚いた。

 しばらく入院して無事に手術も終わって退院してきたんだけど、その時から少しずつ痴呆が出始めた。

 調べたら老人は入院で痴呆が出る人が結構多いらしい。

 それからの父はというと、私に命を救われたと言ってとてもよくしてくれるようになった。最初は戸惑ったけど悪くしてる訳じゃないからいいか。と思った。

 それから数年経って心臓も落ち着いてきた頃には痴呆がかなり進んでいて、癌になった。肺がんだった。


 癌が進んで起き上がるのも大変になってきた頃には痴呆でとんちんかんなことも言うようになっていた。

 家族の名前を忘れるわけでもなかったし、酷い状態ではなかったと思う。                          でも聞いた話 によると病院で先生に「娘さんは何人ですか?」と聞かれて「2人です」とはっきり答えていたようだ。

 私たちは3人娘で母と「誰が記憶から消えているんだろう?」と笑っていた。はっきりと2人と言っていたらしく慌てた母が「3人でしょ!」と言ったらしいがピンときてはいなかったらしい。

 最終的にはヘルパーの人に来てもらい寝たきりだった。とてもよくしてもらっていたようだ。


 そんなある日実家から連絡が入り、父がもう危ないから。と言われた。

 家から実家までは電車で3時間かかるので旦那さんに言ってすぐに実家に向かった。

 そのころには緩和ケアで入院していて、病院に行ったんだけど呼吸もゼーゼー言ってて見てられなかった。


 次の日くらいに「今夜が峠」と言われて病院に泊まったんだけど、苦しそうな父を囲んでただ見守る図に耐えられなかった。


 そんなことは決してないんだけど、父が亡くなるのを待っているように感じてしまって……生きててほしいのにそんな状態が耐えられなくて理由を付けて病室を出て、仕事のため実家には来ていなかった旦那さんに泣きながら電話した。


 旦那さんはもうご両親は亡くなっているんだけど「最後を見れないのは後で絶対後悔するから病室に戻りなさい」と言われ、病室に戻った。


 朝になって大丈夫かも?と思い始めた8時過ぎ、父は息を引き取った。

 父は最後に空中に向かって何かを手で追い払っていた。後で家族と死神が来てて追い払っていたのかもね。そんな感じに見えたよね。と話した。


 妹は間に合わなかった。病院に向かっている時だった。

 もうすぐ妹が来るからと言われたが、父を看取れなかったことにショックを受けるかもしれない妹を見るのが辛すぎてまた病室を出た。


 旦那さんに父が亡くなったと電話をして年甲斐もなくわぁわぁと泣いた。

 あんなに仲が悪かったのにいざ亡くなってもう話しも出来ないかと思うと涙が止まらなかった。


 葬儀が始まっても家族で一番泣いていた。


 家に戻って日常生活が始まっても昼間はボーっとしている時間も多くて辛かった。立ち直るのにどれくらいかかっただろうか?


 新盆を済ませてちょっと落ち着いたのかもしれない。

もう父がこの世にいないって改めて自分に言い聞かせた日だった。


                                                                                                                                                                          

 うちには今白文鳥の「おもち」がいるが元々子供の頃から飼っていたのは犬だった。

 最初は黒い雑種の男の子で「かつ


 街中のポスターで「もらってください」というのを見かけて電話していきなり連れて帰った犬だ。


 母にしてみれば普通に遊びに行って犬を連れて帰ったんだから度肝を抜かれただろう。犬小屋も何もない。父が超特急で犬小屋を作ってくれてうちで飼い始めた。


 名前の「勝」は強い子になるように。とつけたもの。しかし実際は喧嘩が嫌いで温厚な子だった。


 遊んでいて間違って腕に牙が当たってしまった時、私が怒る前に一目散に逃げたくらい噛むこともしないようないい子だった。


 老衰で17歳で亡くなった。


 その後に来たのが赤柴犬の「莎羅さら」という女の子。


 この名前は私の創作した漫画に出てくるお気に入りのキャラクターの名前。


 犬なのにお散歩を面倒くさがる子だった。嫌がりはしないものの私の後ろからトボトボと歩いてついてくる感じのお散歩だったから引っ張ったことはない。もちろん、子供の頃に前に出たら怒って前に出て引っ張らないように躾はしたからだけど。


 「莎羅」は家の中で飼っていたので24時間一緒だった。


 寝る時は私のお布団で寝ていたし起きている時も大体一緒だった。

 勝を飼っていた時に最後が苦しんで亡くなったので莎羅は安らかにと思って飼っていたのでから16歳で病気でお薬のチカラで眠るように亡くなってもう犬はいいかなって思っていた時に来たのが文鳥の「おもち」。おもちは鳥なのでお散歩に行かなくていいのが凄く楽。お風呂も自分で入るしとっても良い子。


 まだ4歳と少しなので若いけどおもちがいなくなったら本当にもう何も飼わないと思う。


 動物は好きだけど先に亡くなってしまうからやっぱり悲しいしね…。


 私は3歳の頃からピアノを習っていたんだけど、なんだかんだと10年続けた。中学生になってテニス部に入ったので部活が忙しく、習い事との両立が難しくなりピアノは辞めてしまった。


 でも今でもたまにピアノを弾くくらいピアノが好きだし、実家を離れた時にも電子ピアノは持ってきた。そして今でも手元にある。


 そんなに上手くないしむしろ下手かもしれないレベルのピアノだけど聞くのも弾くのも好きだ。


 そんな私が数年前に突然「ギター弾けるようになりたい!」と思いたち、中古のストラトを買ってきた。安いやつ(笑)


 というかギターの相場も知らないくらいの知識なのにいきなりギターとアンプを買ってきた。


 その時に練習してもピアノとは勝手の違う左右の手の動かし方に苦戦した。


 ピアノでは音階は左右にあるわけだけど、ギターは左右上下に動くのが、頭が理解しても指がピアノと違う動きをしてくれない。これには困った。

でも楽しくてしばらくギターの練習をしてた。


 音楽に詳しい当時の友達に聞いてギターの知識を増やして、あれこれギターを増やしたら楽器収集の火がついてベースも買ってあれこれ中古店で購入していた。


 でも突出してうまくなる楽器があるわけでもなくこれも中途半端だった。

で、結局ピアノの練習に戻ってきている時に旦那さんと出会ったら旦那さんはベーシストだった。


 そもそも私たちはTwitter婚で、旦那さんとつながったのも音楽関係でだったのでそれにそんなに大きくは驚かなかった。

 でもその頃には私はギター類は手放していた。


 毎日ベースを弾いてる旦那さんを見て「こうやってコツコツ頑張ればよかったなぁ」なんて思ってギターを買ってもらったりしたけど、結局上手く弾けなくてうまくなることはなかった。


 でも旦那さんのいいベースを借りて少し練習した時に、ギターが好きだけどベースが合ってるのかもって思った。ベースの重低音は昔から好きでよくベースのネット配信を見ていたりしていたから元から気に入っている楽器だった。自分で買ったのは軽い音の安いベースだったからそんなに重低音でもなくて、何十万もする高いベースじゃないと無理なのはわかっていたが経済的に買えるわけもなくそのまま放置になっていたんだけど、旦那さんのベースを聞いたときに感動したのを覚えている。

 でも結局長続きはしなかった…。


 自分が嫌になる…。


 そんな中でもピアノは続けていて、弾いてみたみたいのを見るのも好き。


 特にクラシックが好きで、ピアノのリヒテル、指揮のカラヤンは好きだ。

作曲家はショパンとベートーベンが好きでショパンのエチュードはずっとエンドレスで聞いてられるし、ベートーベンの第九もずっと聞ける。


 かと言ってほかのジャンルが嫌いかっていうとそうでもなくて、高校生の頃はパンクのライブによく行っていたし、今はヘビメタも好き。


 節操無いと言えばそうなのかもしれないけど、別に好きな音楽を一つに決めておかないといけない訳ではないから聞きたいものを聞いている。


 その中には先ほど書いた筋肉少女帯もあるのです。


 やっぱり凄い歌詞を書く天才とバックで演奏しているメンバーの天才的なところも好き。


 自分がずっとやっていたからピアノのエディの凄さはめちゃめちゃ分かる。戻ってきてほしい。


 そんな色んな思いを巡らせた後にもう一度〇を書いてみたけど少しだけ以前より丸くなっていたかなって思う。


 そうやってどんどんマトモな〇になっていったらいいなって思ってボールペンを置いた。


ー終わり

私の初エッセイいかがでしたでしょうか?

是非感想などいただけたら嬉しいです^^

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