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吸血鬼は小学生!  作者: zig
第五章 戦いの場所は夜空ノムコウ!
143/147

ジュナ、吸血鬼への目覚め!? 介抱された結!

 ジュナが、結の首元に唇を当てました。

 そして――――。

 

 (タカハル……)


 「!」

 座り込んだままの結が、一瞬だけ身体を強張らせます。

 傍目には結の首へ吸い付いているようにしか見えません。

 しかし、その行為が意味するところを、この中でアンブレラとジュリアだけは知っていました。

 (覚醒……。そう、ジュナが……)

 恐らくはジュナに、吸血行為を施そうという意識はまるでないのでしょう。

 それはあまりにも自然で、そして何かに導かれるようでもありました。

 二本の尖った牙が、ジュナの口からちょこんと生えていて、その先端は結の肌へとめり込みました。

 「あ

  あ

  あ」

 瞳を閉じて唇を寄せるジュナ。何かに絡めとられるよう、心細い声をあげて身体を震わせる結。

 しばらくすると、ジュナの身体がほんのりと淡く光り始めました。

 (ジュリア様。これは……)

 (普通の吸血行動……じゃあ、ないみたい)

 その様子を見たアンブレラが、ジュリアに視線を配りました。

 ジュリアも声には出さず、心の中で返答します。

 (人間と妖怪の混血だから……。普通とは違うのかも)

 (ということは、血を吸っているわけではないと?)

 ふたりがやりとりをする間にも、ジュナの身体から満ちる輝きは増していきます。

 アンブレラが気づいた時には、結の顔から苦しそうな表情が消えていました。

 溺れてしまい、酸素を求めて喘ぐような必死さは既にありません。

 それどころか、どこか安心しているような――――。

 「……っぷは」

 しばらくの間、ずっと結に顔を寄せていたジュナがそっと身体を離すと、ぽん、と息をはき出しました。

 「あれ? わたし……」

 「ジュ、ジュナちゃん」

 「詩惟花ちゃん」

 一息ついた瞬間に輝きは消えてしまいました。

 心配そうにのぞき込む詩惟花の顔を見たジュナは。

 「うん? なにやってたんだっけ?」

 (あらあら。ほんとに無自覚だわ)

 (無意識に半覚醒まで昇り詰めるとは……。さすがジュリア様のご息女です)

 ぽかん、としていたジュナですが、はっとして前を向きました。

 もう、動く気配すら感じない結。

 「うん。魅了をかける必要も、なくなったみたい」

 「おかあさん」

 「解くわね。たぶん、大丈夫でしょう」

 言って近づき、再び結の瞳を覗き込むジュリア。

 瞬きひとつする間に解除したのでしょう。すぐに上体を起こしてしまいました。

 「はい。元通り」

 果たして、結は。

 「……。えっと、ゆ、結……?」

 しばらく呆けたままでした。

 しかし、ジュナの呼びかけが届いたのでしょう。

 ぴくん、と顔がかすかに揺らいで、そろりと瞳を動かした結は。

 「あ















                          ありが、とう」

 「!」

 それだけを言うと、ふっと意識を失い、ジュナのもとへ倒れ込んでしまうのでした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「覚醒」ですね。
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