第二十一話:龍鳴渓谷の決戦(後編)
ゴオオオオオオオッ——!!!!
暴風龍が巻き起こした、天を突くほどの巨大な緑の竜巻。
風圧で目も開けられない惨状の中、シオリさんが竹笛を必死に吹き鳴らす。
俺たちの周りに強固な風の結界を維持してくれている為だ。
「トウマさん、アーサーさん! 今です、結界で嵐の勢いを一瞬だけ殺しました!」
「ナイスだ、シオリさん!」
「感謝する、シオリ殿!」
アーサーさんは豪快に笑うと、右手の大剣『青龍刀』を握り直し、左手で抱えた二胡の弦を力強く引き弾いた。
キュインッ……! と、龍の咆哮のような甲高い二胡の音が響き渡る。
アーサーさんの全身から青い竜気が爆発的に溢れ出し、青龍刀の刃に巨大な竜の幻影が浮かび上がる。
「トウマ! 俺が奴の風の結界を叩き割る! 決め手はお前さんに任せたぞ!」
「任せてください、アーサーさん!!」
俺も三味線を激しく打ち鳴らした!
ベンッ! ベベベンッ!!
師匠(天狐様)の二本の尾から溢れ出す黄金の天雷と、俺の三味線の重低音、そしてアーサーさんの二胡の音色が合わさり、峡谷全体を揺らす壮大な合奏となる!
『一気に決めるぞトウマ! わしの尾をあの怪鳥から引っぺがしてやるのじゃ!』
「いくぞぉぉぉっ!!」
「ハァァァァッ! 竜王一閃——【青龍波】ッッ!!!!」
アーサーさんが青龍刀を振り下ろす、身の丈の何倍もある青い光の竜が放たれた。
ゴゴゴゴッ!!
光の竜は暴風龍の纏っていた緑の嵐に正面から激突し真っ二つに切り裂いた!
『ギャアアアアッ!?』
風の鎧を剥がされ、体勢を崩す暴風龍。額に埋まった『疾風の霊核』が剥き出しになる!
「今だ……【雷閃】(らいせん)!!!!」
一瞬で間合いを詰め、黄金の雷光を宿した霊刀を一閃!
ズバッッッ!!!
絶妙な精度で、暴風龍の額に刺さっていた『尾』だけを鋭く切り落とす!
ドガァァァァンッ!!
力を失った暴風龍は、光の粒子となって崩れ去り、峡谷を覆っていた不気味な緑の嵐が一瞬にして吹き飛んだ。
あとに残されたのは、透き通るような青空と、空中にぽつんと浮かぶ緑色の光の玉——九尾の三本目の尾【疾風の霊核】だ。
『くははは! 戻った、戻ったぞい!!』
師匠が嬉しそうに飛びつき、緑の光の玉を呑み込む。
師匠の腰元からシャキンッと三本目のフサフサな黄金の尾が生え揃い、神聖な霊気が一気に膨れ上がった!
「やった……! 成功だ、アーサーさん!」
「ふふ、見事な連携でしたね、トウマさん、アーサーさん!」
「ハハハ! いや見事だったぞトウマ、シオリ殿! これで我が街と街道に平和が戻る!」
アーサーさんは青龍刀を背中に収めると、大きな手で俺の肩をバシバシと力強く叩いた。痛いけど、めちゃくちゃ誇らしい!
『ふむ、大仕事の後の空腹は体に毒じゃからのう。トウマ、アーサー、港町へ戻って大宴会じゃ!!』
「おーっ! ポルトに戻ってカミラさんの美味しいご飯を食べよう!」
無事に3本目の尾を取り戻した俺たちは、晴れやかな青空の下、大満足で港町ポルトへの帰路につくのだった。
読んでいただきありがとうございました!
アーサーとの連携で、無事魔物討伐し尾の回収も出来ました。
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