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見えていた問題

 遅ればせながら、今日のマイの出で立ち。

 どうやらサファリルックというものらしい。


 アクセサリーの類いは見当たらない。恐らく迷宮三階に落としたら厄介なことになると警戒したのだろう。

 足元はブーツで固めている。


 確かに、この階を探索するには相応しい出で立ちと言えるだろう。

 ただタケルは……変わらない。


 Tシャツの上から、ポケットが沢山ついたチョッキ。

 ジーンズにスニーカー。


 完全に“身だしなみを整える”ということを放棄してるよなぁ。

 それとガントレットと兜は身につけてるけど、それはこっちで用意した物だ。


 ……鎧とか着そうにない気がする。


 ちなみに日本刀含めて、こっちで用意した物は迷宮攻略の基地になる、ファンファーレが響いた部屋に置いて貰う事にしている。

 あ、銃は持ち帰りで。ワルサーに戻せば問題無いらしいし。


 もちろん、こういった仕様はテストプレイ用だ。

 本番では愛用の武器を使いたがりそうだし……やはり武器をレベルアップさせる方が現実的かも知れないなぁ。


 てな事を話し続けている間に、二人はどんどん探索範囲を広げてゆく。

 タケルの言う、シークレットドア発見を中心にして探索を広げ、マップを作成していた。


 今まで作ってきたマップの穴を埋める感じで、二人は的確に怪しいポイントを指摘するわけだ。

 ……簡単すぎたかなぁ?


 いや方向性はあっていると信じよう。

 さらに二人は、水上歩行《ウォーター・ウォーキング》の効果をもたらすアイテムを使用して、シークレットドアがありそうな地点へと向かう。


 え? モンスターはどうしたって?

 お気づきのこととは思いますが、もう障害にもならない。


 日本刀を手に入れたんだから、使おうとするんじゃないかと期待したんだけど、二人はそんな素振りすら見せない。

 ひたすらマイの銃で片付けてゆく。


 ふたりはきっと「効率厨」という存在なのだろう。


 さて、二人が目星をつけた場所にもシークレットドアがありまして~

 その奥にある装置を動かすと――


 ゴゴゴゴゴゴゴ……


 水路から水が引いてゆく。

 これはもうダメだな。もう今日中にクリアまで行ってしまうな。


 謎を解いたはずの二人は、歓声すら上げない。

 黙々と、水が引いた水路に降りていって今まで行くことが出来なかった区画へと向かった。


 水路に配置してあったモンスターは退場させて、ジャイアントセンチピードルやケイブリザード等、新たなモンスターを配置したんだが、もう関心も持ってくれないようで。


 一応、毒を持っているモンスターで、その辺りで緊迫感を出そうとしてたんだが、銃があるとなぁ。

 ……これはもう、あらゆる意味でこっちの世界で銃は全面禁止だな。


 もちろん、水が引いた水路を辿って、たどり着いた区画では毒消し用のポーションも用意してるぞ。

 あくまで遊戯用の施設だからな。匙加減が重要だ。


 ……二人には完全に無用の長物なんだけど。


「……これで、ここがこう埋まって……ねぇ、この辺に大きな部屋がある感じなんだけど」

「そうだね。多分この辺りにシークレットドアがあるんだろう」


 久しぶりに言葉を交わしたと思えばこれだよ。当たりだよ。


「え? こんなバカ正直な場所に?」

「ちゃんとマッピングした事に対して、こういうご褒美があるとちょっとテンションが上がる気がする。僕としては、ここにシークレットドアがあると嬉しい」


 そ、そう?

 いや、さすがにタケルはわかってるね!


 二人は周囲のモンスターを一掃して、目をつけていた場所にシークレットドアを発見。

 そして正面に、この階特有の普通のドアを発見した。


「フロアボスだね。あたしは撃って良いと思う」


 自分はそうは思わない。


「まぁまぁ、マイちゃん。折角の仕掛けなんだしテストプレイなんだから、一応確認しないと」

「そのテストで、貰えるご褒美がさぁ……」


 言いながら、マイは相変わらずの思い切りの良さでドアを開けると、フロアボスを配置している部屋へと足を踏み入れた。

 そして、その足がすぐに止まる。


 何しろこの部屋は沼地をイメージしてるからな。足元がひたすら悪い。

 さらに踏み込むには、別種の勇気が必要になるだろう。そういった場所に設置するフロアボスは――


「やっぱり……八岐大蛇(やまたのおろち)だね」


 タケルがドヤ顔でそう言うけれど、ただのヒドラだから。

 確かに頭は沢山あるけれど!


「それで、多分水の上を歩けるうちに八岐大蛇に接近戦を仕掛けることが出来るか? っていう部分でプレッシャーを与える仕掛けだと思う」


 それは当たりなんだけども。さらにヒドラが吐き出す毒についても、同じように参加者にプレッシャーを与える構想がある。

 ……これはあとから説明するしかないな。


「もういい?」

「結局、同じ事だからね」


 何しろ、もう二人は事後処理状態だし。

 ささやかな抵抗として、ヒドラが頑張って何度頭を潰されても再生してくれた。元々、そういうモンスターだし。


 だけどそれはやっぱり、ささやかな抵抗で。マイは凄まじい早撃ちで、ほとんど同時にヒドラの頭を全部撃ち抜いてしまった。

 そして残された胴体にビームマグナム。


 まず、このマイの手際の良さがイレギュラーな気がするんだよなぁ。

 テストプレイになってないような……


 そしてクリアアイテムのリボンを出現させて、この階はクリア。

 二階で手こずった分、これでバランスが取れたことにしよう!


                      ▼


「先に説明させてもらいます。今度は、マイさん以外でお願いします」


 ……バランス大丈夫か?

こういう仕掛けって、定番だと思うんですよね。

ダンジョンじゃなければ滝の裏側にも絶対抜け道用意する感じ。


というわけで、ハーレム要素が火を噴きます。

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