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銀河を越えて。  作者: 五目御飯
4/12

第4話 電撃

水曜日、放課後、サエの家


「それじゃあ五日市、

質問をさせてもらっていいかしら?」

「いいよ。」

「答えたくなければ黙っててもいいわ。

あんたはどうして学校を休んだの?」

「ちょっと具合悪くなっちゃっただけだよ。」

「・・・・・・・、

まあ確かに、学校ってものはストレスの巣窟、

体調を崩したのなら迷わず休むのが得策よ。

でも今は思ってたより元気そうね。」

「まあね!

昨日今日と休んで大分よくなったから。」

「それじゃあ話を戻すわ、

アタシと協力してくれないかしら。

少し力仕事を任せることになるけど。」

「いいだろう。」

「ヤケにあっさりね。」

「キミ、ドッジボールの時の3組の子だよね。」

「あら、よく覚えてたわね。」

「3回も私のボールを投げ返してきたからキミのことすごく印象に残ってるんだ。目が怖かったよ。」

「満面の笑みで豪速球投げてきたあんたも中々よ、素人のようなフォームからよくあんな球投げられたわね。」

「私は体の作りがキミらとは違うのだ。」

「次にまたドッジボールする機会があったら負けないから覚悟をし!」

「望むところだ!

そんじゃ着替えてくるから待っててね。」

「わかった、その間に拝島に連絡しとくわ。」


放課後、宇宙船落下現場


「うーん、やっぱこの宇宙船に宇宙人が乗ってるようには見えないなぁ・・・」


現場の様子は前来た時と変わらなかった。

半径100mくらいの空間の真ん中に、

形も大きさも車に似た何かが地面に突き刺さっており

その周りには丸や四角っぽい模様が刻まれた

縦3mの円柱形の太い柱が50本、規則的に地面に垂直に刺さっている。

秋川の仕掛けた煙は健在だった


「なんかちょっと暇だなぁ。寝てよ。」


20分後


「拝島!!!!

おまたせぇーー!!!!」

「レイアーーー!!!」

「うぉぉっっっ!?!?

・・・・あれ?どこ?」

びっくりして起き上がったが、

視界には誰もいなかった。

「あ、ここにいた。

もう、なんかに昼寝なんかしちゃって、

メール見てないの?

それにしてもびっくりした、

この柱よく音が響くわね。」

「うお、あ、秋川かぁ・・

あの、なんかサエの声が聞こえたような気がしたんだけど。」

「五日市も協力してもらうことになったの、

彼女の怪力なら役に立ちそうじゃない?

向こうで待ってるから早く行きましょ。」

「えぇー!?!?」

「いいから来なさい。」

「うわっ、ひ、引っ張らないでぇ!!!」


「レイア、久しぶり。」

「久しぶり。」

うわぁぁぁおっ!?

サエ・・まさかの全身学校のジャージ!!??

学校ジャージとはいえ普通に似合ってんだよなぁ。

しかし何故かバケツを頭にかぶっていて、

足元には水の入ったペットボトルが3本置いてある。

2本は2リットル、1本は1リットル。

「そいえばなんで学校休んでたの?」

「ちょっと体調崩してただけ、

もう大丈夫だよ。」


ガチャンガサガサドサッドン


秋川はスクールバッグからカメラやらなんやらいろんな道具を出していた。

「おい・・なんだよその道具達。」

「何って必要なものに決まってんじゃない。」

「いや・・・・

全部スクールバッグから出したよなそれ。

まさか・・・」

「もちろん勉強道具なんか入れてないわよ?

勉強道具なんか入れてたら全部入らないし。」

「よくそんなんで学校来れたな・・」

「あんたや五日市に会うために仕方なく行っただけよ。授業受ける気なんてさらさらなかったわ。

でもあんたにはあんたの成績があるし仕方なく放課後まで待ったのよ。」

「結構不真面目だけど気は使ってくれるんだな…

そいえばここまで歩いて来たの?

前に見かけたときは山道を歩いてたじゃん、自転車持ってないの?」

「いい質問ね、自転車は持ってないこともないわ、でもアタシこの町には住んでないから電車通学なの、だから自転車が手元にないので学校からここまで来るのに自転車パクってきたわ。」

「えぇ!?大丈夫なのそれ!?」

「緊急事態だからしょうがないじゃない。

学校の自転車置き場は鍵かけっぱなしが多いから二人乗りできるのテキトーに選んで取って来たわ。持ち主の家は自転車で来れる距離、つまりそこまで遠くには住んでないはず、歩いて帰れば問題ないじゃない。」

「まあ・・確かに。

じゃあサエが被ってるバケツと足元の大量のペットボトルはなに?」

「これも実験に使うわ、重いから彼女にここまで運んでもらったのよ、ありがとね五日市。」

「このくらい大した事ないよ!自転車に乗ってる時何度か落としそうになったけど、無事ここまで運びきったぜ!」

なるほど、ペットボトルで両手がふさがるせいでバケツが持てないから被ってたのか…

「早速実験を始めるわよ!」

「イェッサー!!」

俺とサエは元気よく返事をした。

「まず五日市!

危ないからペットボトルを持って離れて。」

「・・・いぇっさぁ。」

サエは残念そうに離れた。

「そして拝島!これ持って」

秋川からトングとゴムでできた入れ物を渡された。

「それ持ってもう少し斜め右に下がって。」

「ここ?」

「もう少し後ろ。」

「ここ?」

「そこそこ!

それじゃあそここらトングで入れ物の中の磁石を掴んで

そこの柱に向けてみて。」

「イェッサー。」

俺は恐る恐るトングで磁石を掴み、

指定された柱に向けてみた。

・・・・・・・

「・・・あれ?何も起きない。」

「そう、電撃の射程距離は意外と短いのよ。」

そう言うと秋川もトングと磁石を取り出し

磁石を柱に向けた。


バチバチバチバチバチバチ!!


「五日市、拝島、見える?

このくらいの近さでやっと電撃が起きるの。

拝島、気をつけてアタシの方に来て。」


バチバチバチバチバチバチ!!


「うわっ!!」

「拝島、電撃の出所をよく見て。」

電撃は柱から出ていた。

「わかる?

あんたの磁石からアタシの磁石と柱は同じくらいの距離なのに、電撃は柱からしか出てないわ、

つまりこの電撃は磁石から磁石に行く事は無いようね。」

「なるほど・・」

「じゃああんたはさっきの位置に戻って。

戻ってもその体制は維持しておいて。」


電撃は消えた。


「アタシも一旦離れるわ。」

秋川は柱から離れると、

磁石をゴムの入れ物にしまった。

「五日市!1リットルのペットボトルを頂戴!」

「・・・ほい。」

サエはまだちょっと落ち込んでた。

秋川は1リットルのペットボトルをトングで掴み、俺と柱の直線上に向けた。


バチバチバチバチバチバチ!!!


「おわぁぁ!?」

「・・・・・・」

急に起きた電撃に、

秋川も動揺していた。

「マズイわね…

水を通すと電撃の射程距離が伸びるみたい…」

「マジかよ・・・」

金曜日にあの現象が起きたら

本当にマズイかもしれない…

それだけじゃない、金曜日に防げても雨の日はまた来る、マジで東京は壊滅するのか…?

「迷っててもしょうがないわ、

五日市、実験第二段階に突入よ!!」

「イェッサー!!」

サエは元気を取り戻すと、

ゴポゴポゴポゴポゴポゴポ

2リットルペットボトルの水をバケツに移し始めた。

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

俺と秋川は黙って水を移すサエを見つめていた。

「よし!完了!!えいっ!!!」

サエはバケツを大きく振り切り

水を柱に飛ばした。

バッシャァア!!

サエのコントロールは素晴らしく

水を柱の真上から被せることに成功した。

すると・・・・


バチバチバチバチ・・ビジッ!


電撃が止まった。

「はぁ・・・・」

「うおぉ・・・」

秋川と俺は安心して地面に膝をついた。

よかった・・・・

雨が降っても東京は壊滅しないな・・・

「よくわかんないけど、

柱自体に水をかけたら止まるシステムのようね…

これなら雨が降っても町まで届く心配は無いわ…」

「マジで終わったかと思った・・」

「でも安心するのは早いわ、

あの光の現象の謎がまだ解けてないもの。」

「・・・・確かに。」

「あのさ、現象とか宇宙船って言うのもなんだし正式な名前をつけることにしないかしら?」

「それ、俺も思ってた。」

「現象についてはアタシがすでに考えてきたわ、

その名も・・・・AK現象!!!」

「わぁ、なんかそれっぽいかも。

由来はなに?」

「アタシの苗字よ!!!」

秋川→AkiKawa→AK

「えっ・・・」

「うわぁ・・」

俺とサエはドン引きした。

「なによ!?悪い!?」

「いやぁ、それはちょっとダサくね?」

「私も無いと思う。」

「んもーーー!!!!

いいでしょなんでも!!

じゃあ次に移るわよ!!

宇宙船の名前はどうする!?」

「はいはーい!私いい名前考えたよ!」

「なによ五日市、自信ありげじゃない。

気に入ったわ、言ってみなさい!!」

「AK宇宙船!!!!!!」

「ぐふっ、ふははは!!!!

傑作だなそれ!!!!」

「やめろ!!アタシをからかうな!!

もっと真面目に考えろ!!」

「冗談だよ!!氷子落ち着いて!!

じゃあ、ゼイダスなんてどう?」

サエの提案が案外まともだった。

「ゼイダス・・・まあいいんじゃない?」

「俺は気に入った!!」

「そうだ、アタシ達でAK現象だけじゃなくて、ゼイダスの謎を追うグループを結成しない!?」

「・・それ、いいね!」

「俺もいいと思う、俺暇だし。」

「秋川研究会なんてどう?」

「私それやだ。」

「なんか近所のお祭りを開いてる

組合の名前みたいだな。」

「んがぁぁーーー!!!

じゃあ何ならいいのよ!!??」

「サエ、なんかある?」

「・・スーパー……研究隊とか?」

「俺気に入った!!」

「あんた、

五日市が決めればなんでもいいの?」

「秋川ってなんかどっかで聞いたことある感じで嫌なんだよ。」

「まあ五日市って珍しい方かもね。

あんたらがいいならそれでいいわ、

今日からアタシ達はスーパー研究隊よ!!

アタシが隊長ね。」

「隊長とかそういうの決めるのは無しにしようぜ。」

「私も賛成。」

「・・わかったわよ。

あら、もうだいぶ日が暮れて来たわね。」

「あ、そうだ、AK現象についてはどうすんだ?」

「ただの自然現象とかならずっとここにいる必要はないと思うし、誰かの手によるものでも何者かもわからない奴に関わるのは危険だわ、

だからアタシが持ってきたこの二つの赤外線カメラを林に仕掛けておいて明日録画データを取りに来ましょう。」


こうしてスーパー研究隊を結成した俺たちは

秋川が散らかした実験道具を隠したのち現場から立ち去った。


帰り道、町にちょうど着いた頃、

俺達は信号で足止めを食らっていた。

「おい秋川…

車来てないし行っちゃおうぜ。」

「ダメよ!!信号にはちゃんと従え!」

「自転車盗んどいて何を。」

「借・り・て・る・の・よ!」

「秋川、その自転車さ…」

カポッ

「ぎゃ、なに!?」

「ごめんね氷子、そのバケツはキミが運んでくれないかな?もう中身空っぽだからいいでしょ?」

サエはバケツを秋川に被せて

自転車を降りていた。

「私、ここまででいいから。」

「・・わかったわ。」

「レイア、氷子、また明日ね!」

「またな。」

「またね。」

夕日に照らさながら立ち去る後ろ姿が

美しかった。


それからしばらく俺は秋川と自転車を漕いだ。


「・・なぁ秋川。」

「なにかしら。」

「お前、なんで一連の事件にそんなに熱心なんだ?」

「アタシ、昔からSFアニメとかロボットのプラモデルが大好きなの、だからずっとこういうのに憧れてたんだ。」

「どうりて行動力がすごいわけだ、

これから学校よってその後電車で帰るんだろ?

明日も学校なのに大変じゃない?」

「アタシは全然平気よ、

あんたの方こそ五日市に振り回されてない?」

「え、そう?」

「先週の金曜日に宇宙船ゼイダスを見に行ったのも五日市の提案でしょ?実験にすごく参加したそうだったし、宇宙船とか興味あるのかしら?」

「・・サエからそんな話は聞いたことないな。」

「あんた、意外と五日市について知ってること少ないわね。」

「・・・まあな。」

「あ、もう学校だ、

アタシはこの自転車とバケツを返しに行くからこの辺で、今日は楽しかったわ、ありがとう!また明日会いましょう!アタシ達でAK現象の謎を解くのよ!」

「おう!そうだな!またな!!」


しかし、その日の夜にAK現象は起きなかった。


翌日

木曜日、昼休み


俺とサエと秋川で学校の人目につかないところで作戦会議をしていた。


「なんで昨日AK現象が起きなかったんだ?」

「私が思ったの、柱にかけた水が固まっちゃって電撃がふさがれたから起きなかったんじゃないかな?ほら、あの柱ってすっごくひんやりしてるじゃん!」

「良いところに目をつけたわね、

アタシも常々謎に思ってたのよ。

なぜゼイダスがあそこまで冷たいのか。

アタシが最初に見に行ったのは落下の翌日の夕方だったけど、その時からめっちゃ冷たかったわ。

焦げ跡みたいなものも全くないのよ!

大気圏を突入時に焼かれなかったのかしら。」

「機械が熱暴走しないように冷やす機能があるとか?」

「・・ゼイダスは宇宙人が作った可能性が高いわね、おそらくゼイダスは地球の技術をはるかに超えた技術で作られてる。」

「じゃあ宇宙人はどうしてゼイダスを地球に落としたのかな。」

「じゃあもう少し遡って

一番最初の謎を考えてみましょう。」


一番最初の謎・・・


〜先週の金曜日〜


「あのさあのさ、

村の方に『隕石』が落ちたって話知ってる?」


・・これだな。


「町の人がどうして隕石だと勘違いしたかってことだろ?」

「そうよ、噂を聞く限りゼイダスの落下を見た人は多いのに隕石だったと言ってる人が多いの、落ちる速度が速かったから大きな何かとしかわからなかった人もいるようだけど。それにもっと不可解なのはUFOって言ってる人もいる事よ、隕石とUFOじゃ全然違うわ、あまりにも意見がかけ離れてると思うの。でもアタシはこの町に住んでなくて落下を見ていないから何も言うことができないわ、そこであんた達に聞きたいんだけど、あんた達が落下を見た時は何に見えたの?」

「私寝てたからわからない、てへ。」

「俺も寝てたから見てない、うふ。」

「あちゃ〜…二人とも見逃してたか…」

秋川はしばらく考え込んだ。

「わかったわ、じゃあ今日の放課後はあんた達でアタシが指定した地域の人にゼイダスがどう見えたか聞き込みに行ってくれない?

アタシは昨日仕掛けたカメラを確認してくるから。

明日の昼休みにまたここで結果を話し合いましょう。

何かあったら連絡してちょうだい。」

「「イェッサー」」

「じゃあそろそろ昼休みも終わりね、

また明日学校で。」


木曜日、放課後

レイア&サエサイド


「この辺だと思うんだけど・・」

「あ!あのコンビニここに書いてあるのじゃないか?」

俺とサエは秋川から送られた地図のデータで指定された地域を確認していた。

「とりあえずあの人に聞いてみようぜ。」


「すいませーん!」

挙動不審に歩いている男に話しかけた。

「なんすか。」

「先週落ちた隕石について聞きたいんですけど。」

「隕石なんか落ちたの?」

「えっ。」

「あ、ごめん。俺最近会社辞めて旅をしててこの辺のこと知らないんだよ。」

「・・・じゃあいいや、次いこ次。」


今度は主婦っぽいおばさんに話しかけた。

「隕石?ごめんねボク達、

おばちゃん寝てて見逃しちゃったのよ。

夜更かしはお肌に悪いじゃない?おほっ。」

「そうですよね!

俺も見逃したんすよ!うふっ。」

「ほらレイア、次行くよ。」


今度はサエが若い男達3人組に話しかけた。

「あの、すいません。」

「おっ、JKきたーー!!

なになに〜?お姉ちゃんどうしたの〜?」

「やっぱいいです。」


「なんかマトモなのいないな・・」

「ねぇねぇねぇ!

あそこ歩いてる女の人はどうかな?」

「・・・行ってみるか。」


「あの、こないだの隕石について聞きたいんですけど。」

「あーあれ?私見たよ。」

「あの隕石、どんな感じに見えました?」

「赤く燃えてて石っぽい形の隕石に見えたよ。」

「レイア聞いた?

赤く燃えてて石っぽい形だって!!」

「やっとマトモな人に会えたよ・・」

「あの、映像とかないの?」

「あるけど・・友達が撮ったやつでさ、

なんか私が見たのとちょっと違うの。」

「ちょっと見せてもらってもいいですか?」

「あ、うん、ちょっと待っててね。」


俺とサエは女の人のスマホでゼイダスの映像を見せてもらった。

それは割と速いスピードで落下していて、

確かに赤く燃えていたが、

石っぽい形には見えずただの火が落ちてるようにしか見えなかった。


「私が見た時は石っぽいのがあったんだけど、

これだと火しか見えないんだよね。」

「ありがとう!この情報助かる!」

「ありがとうございます!!

よしサエ!!次はあの人だ!!!」

「ちょっと待って!

お姉さん、その映像データくれない?」

「あ、うんいいよ。」

「私、このこと氷子にメールで送っとくから!」


木曜日、放課後

秋川サイド


「隕石?あぁ町ではそう言われてるみたいだね、

でも村ではみんなUFOって言ってるよ。

落ちてくる時にそう見えたから。」

「なるほど、わかりました。」

「ホントアレが落ちてから毎晩眠れないんだよね。」

「どういうことですか?」

「毎晩毎晩チカチカしてて夜でも明るいし、

パチパチうるさくてよ。

昨日の夜もうるさかったしなぁ。

テレビも夜だけ見れないし困ったもんだよ。」

「・・有力な情報ありがとうございます。」


村ではみんなUFOって言ってるわ…

それに町に届いてないだけで毎晩AK現象は起きてるみたいね。

拝島と五日市は上手くいってるかしら。


ゼイダス落下地点


・・・・・おかしい、

やっぱりおかしい!!

何度見返してもゼイダスから発光現象が起きてないわ!

電撃の音も聞こえないし、

映像を見る限り何も起きてないみたい・・

バッテリーを取り替えてもう一晩様子を見ましょう。

仕方ないわ、今夜は泊まり込みね。

お母さんに連絡しないと・・

あら、ここ圏外ね。

あまり携帯見ないから気づかなかったわ。

仕方ない、一旦山を降りましょう。


ピロリン♪


五日市 16:10

[拝啓、氷子へ

役に立ちそうな映像を入手したよ。

サエより。]


五日市 16:11

[動画]


この子普段メール使わないのかしら、

手紙みたいなメッセージね。


・・・・・この動画って・・


木曜日、放課後

レイア&サエサイド


二人は日が暮れてきたので帰り道にいた。


「マトモに答えてくれた人はみんな隕石に見えたって言ってたね。」

「秋川は今日泊まり込むってよ。」

「えぇー?お風呂どうすんのかな。」

「あいつそういうの気にしなさそう。」

二人で話してると、

遠くから誰かが・・

「おーーい!!拝島!!五日市!!」

鮫洲だった。

「やっと見つけたぜ、ほら、

こないだの弁当箱返しにきた。

遅くなってごめんな。」

「大丈夫だぜ。」

「あ、そうだ、昨日の放課後に俺の自転車が盗まれてよ、今朝自転車置き場に帰ってきてたのにまた盗まれてたんだよ!!お前ら何か知らない?」


・・・・・・・・


『緊急事態だからしょうがないじゃない。

学校の自転車置き場は鍵かけっぱなしが多いから二人乗りできるのテキトーに選んで取って来たわ。』


・・・・・・・・


「あぁ、よく知ってるよ。」

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