97話 赤花の名前
「そういう事なんてルカ君は先に行っていて下さい。」
「・・・分かった。」
流歌が先に向かおうと走り出すと・・・
「先に行けると思っているのか?」
黒マントの男はいつ出したのか、手には鎖を持っており、それを流歌の方へと向かって投げる。
「っち!」
鎖は早く、あっという間に流歌に迫ってきた。
「遅いよ。」
しかし、赤花の少年はその鎖を途中で叩き斬る。
(鎖を使う相手か・・・リンベルが言っていた一人だな。)
「赤花、気を付けろよ。」
「心配してくれるなんて優しいけど、すぐに追いつくよ。」
二人はそれだけの会話だけ交わし、別々の方向へと向き直る。
「あの少年は見た事が無いな、一体何者なんだ?」
「さぁね、僕も知らない。でも別に知らなくてもいいでしょ?君はどうせこれから死ぬんだから。」
「・・・死ね。」
黒マントは両手を広げ、赤花へと向ける。
すると手から鎖が現れ襲いかかってきた。
「鎖を操る魔法、かな。聞いた事が無いから多分"禁忌魔法"かな?」
赤花は鎖を次々と避けていくも、意のままに操る事が出来る黒マントの男のせいでキリが無い。
「そんな悠長に話している暇があると思っているのか!"黒毒"」
赤花に襲いかかっている鎖は色を変え濃い緑色になり、所々に黒い斑点が付いた。
「へぇ・・・今までのはただ単純に目標を縛ったり捕らえたりする性質の物だったとしたら、これは触れた物を溶かしていくって事ね。」
鎖が当たった箇所は、次々と溶けている。
それを確認した赤花はこの鎖が先程とは違う性質を持っている、と推測したのだろう。
赤花は距離をあけ、少し遠い距離で相手を睨んだ。
鎖は相手が遠くてこれ以上は伸ばせないのか、黒マントへと戻っていった。
「・・・お土産に僕の名前を伝えておく事にするよ。ルーディン・レッド・レイン、これが僕の名前。それとこの刀は"血一文字"かの幻の鍛冶師と言われている"小町龍生"が生み出した刀。」
「ロアルド・シーデン、全てを支配する"黒の種族"である一人だ。」
二人は互いににらみ合い、赤花は左の腰にある刀を抜いた。
誰もが目を奪われ、嫌悪感を抱くような真っ赤な刀だ。
そして"小町龍生"という鍛冶師。
その鍛冶師はどこで生まれどこで育ったか不明・・・しかし、数々の強者が携えている武具はその鍛冶師が作ったと言われるような品物が多いと聞く。
謎も多い人物だ。
「・・・行くよ。」
「・・・"死乱舞"」
そして、二人は正面から猛スピードで突っ込んだ。




