76話 アランの実力
どんどんを内部に入っていく流歌とアラン。
もう騒ぎを起こしてしまった為、警備の兵士を次々となぎ払って進んでいく。
あまり兵士の数が多い場合は身を隠してやり過ごすが。
(このアランという男・・・身のこなしが凄いな。)
流歌は心の中でアランを評価していた。
攻撃をされても自然に避けて、一回の踏み込みで兵士の懐まで入り攻撃をしていっているのだ。
「ん、どうした?」
「何でもない。」
流歌が思っている事に気付いたのか、アランはフッと笑いこう言った。
「後で面白い物を見せてやるよ、お。昇り階段だ、行くぞ。」
一階への昇り階段を見つけた二人はそれを登っていく。
すると、広間の様な開けた場所に出た。
「ここは?」
「この場所はたしか食堂だな、俺も地図でしか見たことはないが。」
すると、どこからか兵士が次々と出てきた。
「伏兵か、やっぱこういった広けた場所には待機してるよな。」
「蹴散らすか。」
「あんまりここで時間をかけてやる義理は無い、少し耳を塞いでおけ。ああ、目も閉じるの忘れるなよ。」
アランは"帝器"である"業師の指輪"から3つの丸い玉を取り出した。
「本当はこれを使用している場面を見せてやりたいが・・・すまんな。」
その玉を持って、アランは大勢の兵士の場所まで突っ込んでいく。
流歌はそれを見て不安になったがここまでの戦いを見るに心配無いなと思い言われた通り耳を塞ぎ、目を瞑った。
それを振り返ったアランが確認したと同時に2つの玉を兵士達に投げ払った。
兵士達はアランが向かってきた事によって、両手には剣と盾を持っていて流歌のような対策が出来ていなかった。
だから・・・大きな甲高い音と、まともに見たら数時間・・・最悪失明する程の光量をじかに浴びてしまった。
「ぐわぁぁぁぁぁ!!!」
「うわあぁぁあ!!!」
悲鳴と共に、あまりの音と光によって気絶をして倒れて行く兵士達。
何人かはまだ立ち上がる気力があったみたいだが、それもアランの中では分かっていた。
「やっぱり何人か立つよな、だけどこれで終いだ・・・いい夢を。」
最後の1つの玉を投げた。
その瞬間、アランは流歌の場所まで走り手を引く。
「!?終わったのか?」
「ああ、これから終わる。」
後ろを振り向かないままアランは走り続ける。
流歌も一緒にだ。
後ろをチラッとみた流歌はその光景に絶句した。
あれだけいた兵士が一人残らず倒れているからだ。
「何をしたんだ?一瞬大きな音と光を感じたんだが。」
不思議に思った流歌はアランに聞いてみた。
「なーに、音と光の攻撃で気絶させた。残った兵士は・・・あれだ。」
クイッと親指で後ろを指差したアランは続けて説明した。
「あの黒い煙は俺特製の"匂い玉"だ・・・物凄い匂いがするからまともに立ってらんねぇよ。」
作ったアラン自身も思わず苦笑いするくらいだ、強烈なのだろう。
(なるほどな・・・視覚・聴覚・嗅覚を全滅させたって事か・・・。)
アランの手腕に、リレイズが言った言葉を思い出して同感していた流歌であった。
"あいつはとは戦いたくない"という意味が理解できたから。




