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56話 流歌vsウサ耳女

(ふぅ・・・やっと一人になれたな・・・。)

流歌は街を歩いていた。


(こうやって一人になるのは久しぶりだ、いつもギルやリルンが傍にいたしな・・・。)


何故かいつも二人は流歌の近くにいた。

どこかでご飯を食べる時も、獣王がいる城へ行く時も。

その時、

「おーい!!また暴れてるぞー!!」


「誰か止めてくれ!!」


街の酒屋でなにやら揉めているらしい。


「てめー!!ここのマスターにいちゃもんつけてんじゃねーぞコラァ!!」

口調はとても女性っぽくは無かったが、それは女性の声だった。


「んだとテメェ!!ぶっ殺すぞ!?」


(せっかく一人になれたって言うのに、この街はゆっくりさせてくれないのかよ。)

そんな事を思いつつ、流歌はその揉めているであろう酒場に歩いていく。


6人の獣族の男に言い寄られているのは1人の兎耳をした女性だった。


(兎耳・・・?)


「てめぇもう我慢できねぇ!!ここで死ねぇ!!」


「オラァ!!」


6人の内の2人がそのウサ耳の女へと向かって突っ込んでいく。


(っち、めんどくさいが助けてやるか。)

刀を指輪から出し、踏み込もうとしたが・・・


「遅いわ、このノロマが!!」


その声と共に殴りかかった男達は店の壁を突き破り、外に吹き飛ばされた。

2人は白目を向いて気絶している。


(おいおい、なんだあの女・・・。)


「お?なんだお前もやんのか!?オラァ!!」

残りの連中もそのウサ耳女によって蹴散らされていく。


「ハァハァ・・・くそっ!!この女やべぇ、逃げろ!!」


あろうことか、その男達は流歌の方へと逃げてきた。

後ろにはそれを追いかけるウサ耳女。

そして・・・

「待ちやがれ!!お、強そうな奴だな!!くらえ、"爆拳"!」

流歌に向かって拳を突き出した。


(なっ!?)

流歌はとっさに刀で受け流すが、その拳が当たった箇所から爆発が起きる。


「・・・熱っ!」


「お、よく受け流したな!!やるじゃねぇか!!」


「このウサ耳女・・・いきなり何しやがっ!?」


距離を離したつもりだったか、気付いたら女は流歌の目の前にいて、もう一度殴りかかってきていた。


(話を聞かない奴が一番嫌いなんだよ!!)


今度は拳を受けずに避けた。

あの爆発は厄介だと思ったから、当たらずに回避することを選んだのだ。


「へぇー、手加減してやってるとはいえあれを避けるとはねぇ。」


(この女・・・もう我慢できないぞ・・・!!)


「お、どうやらあんたもやる気が出てきてるみたいだねー?」


「悪いが手加減はしてやらんぞ。」


「いいよ、私もちょっと遊んであげるから・・・っさ!!」


(速いっ!!)

ウサ耳女は物凄い踏み込みで流歌に迫ってきた。


「ん?何だこの白い玉は?」


「お返しだウサ耳女。"爆破"!!」

突如として現れた2つの白い球体によって、ウサ耳女が爆発に巻き込まれる。


しかし、直撃は避けられた。

右頬に軽い火傷の痕が出来ていたが、ほぼ無傷だった。



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