54話 騒がしい2人
ギルが食材を持ってきて、それをリルンが調理する。
そして出来上がった料理を3人で食べていく。
料理はどれも美味しかった。
黒牛から取れると"ブラックサーロイン"は3人で食べるには小さかったが、それでもみんなで分けて食べた。
ギルは感動して泣き、リルンは恍惚な表情になり、流歌は言葉に出来ない状態になった。
(これは・・・美味すぎる!!)
そんなこんなで、楽しく美味しい食事会は終了した。
(さて・・・こいつらには伝えるか。)
そう思い、2人に声をかけていく。
「ギル、リルン。大事な話がある、座ってくれ。」
「お、どうしたんだ?」
「どうしましたか?ルカ様?」
2人は珍しく流歌の真剣な表情に少しの不安と緊張が走る。
「・・・俺は、明日の朝にこの街を出ていく。」
「なにぃっ!?」
「ど、どうしていきなり!?」
ギルとリルンはいきなりの流歌の発言によって驚く。
そして流歌はフーッと息を吐き、自分が異世界から来た者ということ、"白器"という力を受け継いで黒の種族に狙われている事などを話していった。
二人は最初、異世界なんて・・・と信じられない様子だったか、流歌の真剣さによって徐々に信じるようになっていた。
「そんな事が・・・ただ少し納得しました。」
「何がだ?」
「・・・ルカ様の魔法は、見た事も聞いた事もありませんでした。自由自在に雷を落としたり、炎を出したり・・・それにルカ様の動きも、もう私では追いつけません。上達の速さが並外れているのは感じていました。」
「そうか。」
上達の速さに関しては、流歌自身思うところがあった。
「俺はまだ全部を信じられないが・・・あのエルフの女神がそう言うんだったら信憑性が高いな・・・。」
「ニーユウスを知ってるのか?」
「ああ、昔に一度だけ会った事があってな・・・なんか、全てを見透かされる様な気はしてたんだ。その後にあの女神様は"真実を視る事が出来る目"を持ってるって話を聞いて納得したぜ・・・。それに・・・」
「それに?」
「物凄い美人だ!!」
「まぁ確かにあいつは美人だな。」
流歌がギルに同意すると、リルンがそれに反応した。
「ええっ!?ルルルルカ様もも、もしかして・・・!!?」
「何だ?」
「そ、そその・・・その女神様の事が・・・すす好きなのですか!?」
「・・・別に一人のエルフとしては好きだがそういった感情は無いぞ。」
「そ、そうですか・・・はぁ・・よか・・って!!べべ、別に深い意味はありませんよ!?ありませんからね!?」
「いや別に俺は何も言ってないんだが。」
「ガッハッハ!!いいねぇ!!青春だなルカ!!」
(はぁ・・・本当にこいつらは暑苦しくて騒がしい・・・。)
大笑いしているギルに、アワアワとしているリルン・・・この二人を見て流歌は頬を緩めながらそんな事を思うのであった。




