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43話 流歌の本気

「お、おいなんだあれ!?炎みたいだぞ!」


流歌とケルベロスの間には白い炎が出ている。


(形態変化・・・"炎")

流歌の持つ"白器"の新しい能力、形態変化。

自分の思い描く物質の形・性質にすることができる。


その白い炎はどんどん大きくなっていった。

3メートルくらいだろうか。


「"突風"!!」


もう一つの球体から、突風が吹き荒れる。

その風によって白い炎はケルベロスに迫っていった。

しかし、ケルベロスの動きは速く避けられてしまった。


だが、流歌が最初に出した球体は3つだ。

最後の一つ・・・それは白い炎の横に付いていた。


「避けられる事は予測できていた。だからもう一度・・・"突風"!」


白い炎は方向を変え、ケルベロスに突撃した。


「グギャアアアア!!!」


「・・・まだ終わってないぞ、犬っころ!」


そう、今流歌が最大で出せる"白器"は5つ。

残りの二つは周りが炎に集中している間に出していたのだ。


4つ目の球体はコロシアムの中心に設置し

5つ目は中央の空へ。


「"吸収"!!」


その言葉と同時に、ケルベロスがコロシアムの中心へと吸い寄せられていく。

ケルベロスの力も強かったが抵抗も虚しく中心へと引きずられていった。

そして最後・・・。


「悪いな犬っころ・・・俺は負けず嫌いなんだよ。・・・"落雷"」


空にあった"白器"がみるみる大きくなり、バチバチと音を立てる。

瞬間・・・眩い光と共にケルベロスに向かって落ちていった。


「・・・・・。」


進行役の男やギル、リルンといったコロシアムにいる全員が黙った。

コロシアムの中心には倒れて動かないケルベロス。


そして突然起こった現象。

唖然とするしかないようだった。


「おい、進行役。」


「・・・は・・・はっ!?あっ!こ、この勝負!!人族の挑戦者・ルカの勝利です!!!」


進行役の男が勝負の結末を言うと会場は一斉に吠えた。

「ウオオォォォォ!!!!」


「なんだあいつ!!すげえ!!!」


「おいおいおいケルベロスに勝っちまうってまじかよ!!!!」


そんな声ばかりが聞こえてきた。


(ふぅー・・・本気でやったが、少ししんどかったな・・・力を結構消費したしな・・・。)

周りの観客にとっては、後半から流歌の圧倒的な強さに見入ってしまったが

あの球体一つ出すのに相当な力を消費する。

しかも、流歌の限界である5つも出したのだ。


「ギ、ギルさん・・・ルカ様ってあんなに強かったのですか・・・?」

リルンはまだ信じられないといった様子でギルに問いかけた。


「い、いや・・・俺もあいつがここまで強いなんて知らなかったぞ・・・本当に一体何者なんだよ・・・。」


流歌がコロシアムから退場する時、ギロリとギルの方を睨みつけると・・・


(やばい、俺死ぬ。)と自分がやった事を思い出して

うっすらと涙を浮かべるギルであった。


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