32話 女神の指輪
「あら、おかえりなさいルカ様。」
流歌は一度、ニーユウスの家へと戻ってきた。
先程リンと話した事や、サレがくれた話などをした。
「ふふっ、どうやらサレにも気に入られた様子ですね。」
「・・・とにかく、俺は明日の朝に出て行くぞ。」
「ええ、分かりました。ですが出発の前に・・・また食事をしましょう。」
「ああ。」
こうして流歌はニーユウスとの話も終わり、旅館へと戻った。
(明日の用意・・・って言っても荷物なんか無いんだがな。)
一通り、準備はできた。
あとは明日の朝に食料や水などを持っていくつもりだ。
(この里とも一旦お別れか・・・。)
そんな事を思いつつも、眠りについていく流歌であった。
次の日、部屋を出るとリンと出会った。
「おはよう、ルカ。とうとう出発ね。」
「ああ。」
「出る準備ができたら姉さんの家へきて頂戴。そこに私もいるわ。」
「わかった。なるべく早く行こう。」
そして流歌は、里の中の店を周り食料の確保をした。
ふと路地裏をみると白猫がいた。
(この世界にも猫はいるんだな・・・。)
その白猫はすぐに裏に消えてしまった。
(さて、そろそろ行くか・・・。)
流歌はニーユウスの家へと向かっていった。
「おはようございます、ルカ様。食事の準備が出来ていますので。」
「・・・ああ、悪いな。」
「準備の方はもうできたのですか?」
「食料も水も用意したし、大丈夫だろう。」
「そうですか・・・では私からこれをルカ様にお渡しします。」
そう言うとニーユウスは机の上に置いてあった箱から指輪を取り出した。
「これは?」
「この指輪は中に荷物を詰め込めます。ただし、無限に入る訳ではありませんが・・・。」
「指輪の中に?どういうことだ?」
「まずは右手の人差指にこの指輪をはめてみてください。・・・そのあとに"契約完了"と言ってください。」
流歌は言われた通りにすると、指輪が光りだした。
徐々に弱くなっていくと、その光が消えた。
「そしてその後に、自分がその指輪の中に入れたい物を想像して"収納"と言ってください。」
「・・・"収納"」
再び指輪が光りだし、地面に流歌が置いた鞄が吸い込まれていった。
「これは・・・。」
「我が長耳族に伝わる"神器"の1つ・・・"女神の指輪"です。」
「神器?」
「神が創ったと言われる物です、この世界に様々な種類はあると噂をされていますが、お渡しできるのはそれくらいです。」
「そんな大切な物を俺に渡していいのか?」
「良いのです、こっちに戻ってきた時に返して頂きますから。」
「・・・・分かった、絶対に返しに来る。それとこの中に入ってる物を出すときにはどうすればいいんだ?」
「同じように出したい物を想像して"開放"と言えば出てくれます。なれてくれば自分が思った場所に出てくれます。」
「わかった。」
「二人共、食事の用意が出来たわよ。」
良いタイミングでリンが流歌達を呼び出し、そのまま二人は食事が置いてある部屋へと向かっていった。




