22話 2週間後
流歌がこの里を出て行くと決めてから2週間が経った。
その間、訓練や本を読むことに時間を割いていた。
(この力にも結構慣れてきたな・・・、接近戦では剣の使い方や型など教えてもらってるし。)
最近では白い球体を5つまで同時に出すことが可能になった。
言葉にしなくても3つの球体までなら自由に動かせるようにもなり、流歌の能力は大幅に上昇していた。
(思っただけで球体を操れるってのは本当に便利だ)
そう思いつつ、今日も里の外・・・森の入口まで出てきていた。
「ルカ、調子はどう?」
もちろん、監視役のリンも一緒だ。
里のエルフにも名前など覚えられ、最初のように怪しまれないようになっていた。
リンの監視役もそろそろ良いのではないか、と話が出ていたがニーユウスはこれを断固拒否していた。
「ああ、剣やこの魔法も大分慣れてきた。予定通りもう少しでこの里を出る。」
「・・・そう。」
もう少しでこの里を出る事になる。
日が近づくにつれて、リンは暗い顔をすることが多くなってきた。
「それと、しばらく訓練は中止をする。まだニーユウスが持っている禁忌魔法の本を読み終わってないからな。」
「たしか姉さんなら今日はいるはずよ、今から行ってみる?」
「そうだな、この魔法の使い方は分かってきてはいるんだが・・・普通の魔法の本にはこんな力は書いてなかった。」
「それって・・・。」
「もしかしたら、禁忌魔法ってやつかもな。それを確かめに行きたいんだ。」
こうしてまたニーユウスのいる場所へと向かった。
「あら、いらっしゃいませルカ様、リン。」
「今日は禁忌魔法の本を読みに来たんだが、大丈夫か?」
「ええ、もちろん大丈夫ですよ。やはりルカ様が扱う魔法は禁忌魔法の類だと思ったのですか?」
「ああ、ただ俺の場合は正体不明の変なチビからもらった力だからな。もしかしたら禁忌魔法ですら無いかもしれない。」
「結局シロ様、という方が何者かわかりませんでしたわね。」
「そうだな・・・。」
そう言いながら流歌が求める本を差し出した。
「さて、では読んでもよろしいですよ。今日は用事は無かった気がしますので・・・ああ、それと・・・」
「なんだ?」
「今日は三人で食事をしましょう。リンも喜ぶでしょうし。」
「ちょ、姉さん!」
「あら、嫌なの?」
「別に・・・嫌って訳じゃないけど・・・。」
「ふふ、なら決定ね。ルカ様は?」
「俺も賛成だ、何より旅館で食べる飯より美味いしな。」
「あ、当たり前よ!」
流歌のこの一言でリンの顔が赤くなりつつも、口元が緩むのであった。




