03 討伐へ
トルートドラゴンの薄い目がこちらを見ているような気がします。
が、大丈夫だと二人は言う。
流石、歴戦の二人、落ち着きが違います。
このまま私たちで討伐をするのかなと思っていましたが、一度他のグループを集めてから倒すようです。
このグループでは心許ないのが、ラルドさんの目から察知されます。
少なくとも、遠距離攻撃は必要らしいです。
あのおじさんは身体強化メインの魔法を使うらしいので、遠距離は無理らしいです。
勿論、私は無理です。
他の二人は剣士になりたいらしく、魔法は一切使えないのです。
ということで、別のグループから魔法使いを呼んできましょう。
と、私が行こうとしましたが、おっさんが行くと言い一人で駆けていきました。
そうして見張っていましたが、
どんだけベタなのでしょうか。私のお腹が鳴りました。
それに反応したことが原因で、
トルートドラゴンが目をかっぴらき、暴れ始めました。
と、これだけでは私のお腹が大きすぎるようですが、違います。
風が吹けば、桶屋が儲かると似ていますが、私のお腹の音で、隣の人が笑ってしまったことが原因でしょう。
こんなことを考えながら、走りました。
「おい゛迎え打てぇ!!」
ラルドさんが、私たちに目を配って後、そう叫びました。
私は他の二人の行動を見てから行動しました。
二人は飛び込むことはありませんが、剣を構えていました。
私は遠距離型なので、近づく必要はないので、木の裏から小さな杖をトルートドラゴンに向けました。
こんな時には何を打てば良いのか、
それは素人の私にとっては、即決を出来るわけがありません。
炎がダメなのは分かりますが、さてどうしましょう。
私が打てる基礎的なものだと、水が一番良いでしょうか。
水で大きな一撃を与えることは出来ないですが、水では怯ませるしかないでしょう。
「さて……ウォーターッ」
すると、拳くらいの大きさの水が杖の先からポトって落ちていきました。
詠唱を覚えていなかったので、自信なさめで言ったのが原因でしょうか。
私には無理なのでしょうか。
と、私にはある程度実力があるはずなので、そんなことは有り得ません。
謎の自信に包まれている私を止められるものはありません。
さっきはあんなに上手くいったのですから。
なので、もう一度試してみましょう。
ただ魂を込めるのみ、詠唱は行いません。
つまり無詠唱で行います。
私は杖の先に、水の塊を浮かばせます。
それは次第に大きくなっていきます。拳よりも大きくなります。
それは勢いを増していきます。水飛沫がこちらにも飛び散ってきました。
ラルドさんに当たらないようにタイミングを見定めます。
ラルドさんは剣で軽く羽を傷つけていきます。
しかし二体に挟まれている彼は、攻撃に転じることは難しく、守りをメインで戦っています。
このままでは埒が明きません。
私は叫びました。
「ラルドさん!!避けてください!!」
避けてまで言い終わった頃には私は、すでに水の塊をトルートドラゴンへと放ちました。
ラルドさんはその水の塊を横目で確認します。
すぐには避けず、ドラゴンの向かってくる牙に剣をぶつけ、身を守っています。
水の塊を出来るだけ引きつけようとしていました。
その策が功を制したのか、水はドラゴンに風穴を開けました。
足から崩れるように倒れていきました。
もう一匹は相方の衝撃的な死を見たせいか、暴れて木々を破壊して空へと羽ばたいていきました。
「よくやった!!」
ラルドさんが駆けつけてそう言ってくれました。
私に疲れはなくて、達成感に包まれていました。
それでこの日の討伐隊は終わりました。
帰り道は驚きの声や歓声が聞こえてきました。
どうやら今回の討伐隊は完璧だったようです。
そうして私はいつもよりも豪華な宿屋へと泊まりました。
質の良いふかふかのベット、ベットの上に明るく照らしてくれるシャンデリア。
この部屋はラルドさんが、褒美だと言って泊まらせてくれました。
出来れば、宿屋よりもお金が欲しかったですが、そんなことは言えません。
けれど、私には三千リープの臨時収入が入りました。少額です。
もっとくれても良いと思いますけど。
そんな愚痴ばかり私は言っていますが、言うべきではないのです。
だって、私はギルドと報酬以外にある一枚の紙を貰ったのです。
その紙にいくらかの価値が代物だったという訳でもなかったのです。
しかし借用書という訳でもなく。
それはギルドのメンバーとして、認められた証でありました。
ランクD。
トルートドラゴンを葬った証でありましょうか。
そしてこの紙を貰ってから、初めてギルドへと言った時のことです。
「あなたとグループを組みたいという人がいるのですが、どうしますか?」




