勇者メイト
メイトさんは着席して話をする。
「僕の事について話してるのが聞こえて」
ケインは言う。
「それで聞き耳を立ててたのか」
「すみませんね、立ち聞きみたいになりまして」
「気にすんな、ケインだ」
「改めまして、メイトです」
隊長も言う。
「ヴァネッサだ」
「ラルスです」「ローナよ」
ケインは経緯を説明する。
「俺たちはな」
…
メイトさんは言う。
「なるほど、そこのラルス君が会いたいと」
僕はメイトさんとやりとりする。
「はい、でもそしたらなんか事件があって」
「行方不明者が二名ですか」
「勇者さんも行方不明なのかと」
「ははは、少し遠出してただけですよ」
隊長は聞く。
「単独か?」
「はい、普段はパーティーを組んでますが休みです。各自好きな事を過ごす休日みたいなものですね」
今度はケインが言う。
「休暇中に悪いな」
「いえ、良かったら手伝いますよ」
その言葉に僕は驚いて言う。
「ホントですか」
「はい、ギルドの方でも中々てこづってるようですので、あとで仲間を呼びます。よろしくお願いします」
ケインは「勇者パーティーには見劣りするがよろしくな」と言うと、「珍しい編成のパーティーですね、そちらの女性と、お嬢さんは特に」と言うので僕らは無言になる。
隊長は言う。
「種族は想像に任せる」
「ははは、別に他言はしませんよ」
ローナにウィンクして見せる。
どうやら魔族だとバレてるようだ。さすがは勇者さんだな、と思ってしまう。
ケインは言う。
「じゃあ情報交換だな」
「僕の方はまだ何もないですけど」
「構わない。それじゃ失踪者についてだ」
…
一通り説明する。
ケインは勇者メイトさんに告げる。
「てな感じだ。質問はあるか」
「二人とも冒険者や便利屋ですか。それに太陽の丘に行ってそうなんですね」
「そうだ」
「あそこは迷いやすいですからね」
ローナが話してみる。
「それはギルドでも聞いたわ、行った事あるの?」
「まあ、私のゆかりの地ですし」
「え、そうなの?」
「この辺りの聖地、ってほどでもないですけど、太陽神アポロンの神殿があります」
隊長が言う。
「天界から現世に顕現する際の仮住まいか」
「はい、丘をさらに少し行った所ですけど。まあ、実力者でないとアポロン様には会えませんが。丘の方は珍しい野草や花があったり、太陽神の力を得られる太陽光を浴びる事は冒険者にとっても恩恵があります。また、太陽光を蓄える特殊な魔石など、魔法や研究の触媒を集めたりもできます」
ローナは「そんな事もできるんだ」と感心していた。
僕は言う。
「やっぱり特別な場所なんだね」
ケインも同意のようで相槌を入れる。
「失踪者も色々目的があって行きそうな所だな」
隊長はまとめる。
「太陽の丘へ行くぞ。セリアを念のため呼べ。何か出るかもしれん」
こうして勇者メイトとの会合を果たした僕らは彼と共に調査に赴くのだった。




