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見習い勇者と落第魔王の大冒険  作者: 話太郎
第五章 情報
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聞き込み

 セルジ商人が言う。

「ええ、何やら大口の商品補充の話しがありましてね」

「それで王都に来たのか」

 僕は聞く。

「安い方の宿は満室だったんだよね」

「多分冒険者でしょうな、それと私のような商人か。大きなクエストがあるとか」

 ケインが言う。

「野盗の残党狩りと隠し財宝のクエストだろうな、それで付近の町や村から冒険者が集まった」

 隊長は言う。

「納品先の道具屋を教えてくれ」

「はい、ちょっと待ってくださいね、紙に書いてありますので、ああ、こことここですよ」

 商人は紙を手渡す。

 隊長はそれを見ながら指示を出す。

「ケイン、ラルスと道具屋で話を聞け。セルジ商人が最初に情報屋と会ったのは道具屋だと言っていたのが気にかかる。あと念のためセリアとローナは安い方の宿屋で情報屋やクエストなどについて冒険者の聞き込みをしろ」

 こうして僕らは新たな調査へと進むのだった。


 僕とケインは道具屋を目指す。

 一件目の道具屋はすぐに見つかった。

 宿屋からほどなく、商店街の一角にある。

 ウィンドウに飾られた商品なども綺麗でなんだかお洒落な感じのするお店だ。

 中へ入ると、広さはさほどでもないけど、整えられた棚が並び、カウンターからお姉さんが声を掛けてくる。

「いらっしゃいませ」

 ケインはさっそく聴取をする。

「どうも、少し話を聞かせてくれ」

「はい、なんでしょう?」

「最近商人から商品の搬入を受けてるな」

「わたし共は定期的に商品を補充してますが、それが何か?」

「ちょっと調べ事をしてるんだ、納品された商品で気になる物はあったか?」

「気になる物と言いますと?」

「普段と違ったり、目にした物のない商品とか」

 お姉さんは少しだけ考えると、こう答える。

「気になる物、ですか…特には」

「なんでもいいいんだ、気付いた事とか」

「う~ん…そう言われても。私は店員なので、店長なら」

「店長は?」

「今は出かけてます、あ、ええと、そう言えばたしか」

「なんか気付いたか?」

「ここ数日、解毒剤がよく売れたんですよ」

 お姉さんのセリフに僕が聞いてみる。

「解毒剤って、風邪でも流行ってるのかな」

「そういうのじゃなくて、毒を癒す薬ね」

「病気に使う訳じゃないんだ」

 ケインが僕に言う。

「そりゃそうだろ、病気なら薬は医者だ」

 お姉さんも言う。

「そうですね、売れてる解毒剤は傷口から入った毒とかを治す物です」

 ケインが追加で質問する。

「どんな奴が買って行ったんだ?」

「う~ん、普通の人ではにですね、冒険者風とか」

 僕も聞いてみる。

「ギルドに出入りしてるような人かな」

「そう、そんな感じでですね」

「あとつでなんだが、情報屋について知ってる事はないか? ここへ来てたかもしれないという事を聞いたんだが」

「ああ、見かけた事はありますよ、私は詳しく知らないので店長が知ってると思います、帰ってきたら聞いておきますよ」

「助かる、また来るよ」

 僕とケインは店を出る。

 二人で話す。

 僕は言う。

「野盗の話しだと思ってたけど、ギルドに出入りしてる人とかの情報になってきたね」

「冒険者が絡んできたな、何か繋がりが有りそうだ」

 そんな話をしながら次の道具屋を目指した。


 私、ローナとセリアは安い方の宿屋を探して聞き込みをする。

 町中を酒場の方へ戻り、冒険者向けの安い宿屋へ。

 すぐに見つかり、その中に入る。

 よくある二階建てで質素ながらも小綺麗にされた宿屋の受付には男性が。

 セリアが声を掛ける。

「ちょっといいかしら~?」

 声を掛けられた男性は答える。

「なんだい? お泊りかな、小さい獣人のお嬢ちゃんもご一緒かい? 生憎今日は満室なんだけだ、悪いね」

 私の角を見ても笑顔を絶やさない。慣れているのだろうか、分け隔てなく接客してくれる良い人そうだった。

 なので私は言う。

「お仕事中すみません、宿泊ではないんです、少し聞きたい事があるんですけど」

「ああ、そうなのかい、何かな?」

「宿屋さんは繁盛してるようだと聞いたんですが、いつも混みあってるんですか?」

「いや、王都は賑やかだけど、一つか二つは空きぐらいはあるね、いつもならね」

 セリアが尋ねてみる。

「人手が増えたんでしょうか?」

「ああ、なんだかギルドの方が賑やかみたいでね。大きなクエストでも出たのかな?」

「クエストがあると宿は埋まりますか?」

「ああ、そうだよ、冒険者は多分みんなクエストに行ってるね、他の村や町から来て宿を取るからね、こちらも繁盛さ、それに今回は他のお客さんも増えてるからね」

 気になるセリフに私は質問のやりとりをする。

「他のお客さん?」

「商人や行商人とかかな、それに古物商なんかも」

「商人さんは道具の売り込みや買い付けですか?」

「そうだね、あとは冒険者はクエストで得た宝物とかを売却したりするから、道具屋や古物商、鑑定人なんかも集まるのさ」

「それで宿が満室なんですね」

「ああ、ここ以外も埋まってるんじゃないかな」

 私の話しを聞いていたセリアは追加で質問する。

「宿泊の予約が増え始めたのはいつ頃ですか?」

「つい最近だよ、ここ二~三日だね」

 私はセリアに言う。

「やっぱりクエストと同時に冒険者や商売人がこの王都へ入ってきたみたいね」

 男性は言う。

「ここから離れた所の宿ならまだ空いてるんじゃないかな、少しお高いけどね」

 セリアは答える。

「ありがとうございます、実はそこに泊まってて。次回はこちらを利用させてもらいます」

「そうしてくれると嬉しいな。待ってるよ」

「あ、そうだ、あと、情報屋について聞いてもいいかしら?」

「ああ、酒場で有名な人だね、たまに顔を出すけど最近は見ないね」

 そんなやりとりをして宿屋を出た。


 僕とケインは二軒目の道具屋へ。

 店番のお姉さんが声を掛けてくれる。

「いらっしゃいませ」

 僕は尋ねる。

「すみません、ちょっと調査をしてるんです、少しいいですか?」

「道具の購入についてですか?」

「いや、そうじゃないんでけど、野盗の残党や、情報屋の人の関係で」

「あら、随分若い子が調査してるのね」

 その言葉にケインが言う。

「うちの見習いでね、兵士たちと協力してる」

「そうなんですか、私で良ければ」

 僕は改めて尋ねる。

「ここ最近で気になる事はありませんでしたか?」

「最近、ですか。う~んお客さんが増えた気はしますけど」

「それはやっぱり、冒険者とかですか?」

「そうね、まあ、道具屋を使うのは一般の人もだけど、やっぱり冒険者が多いわね」

「冒険やクエストに使いそうな品物を買うんですよね」

「そうね。良く売れたのは解毒剤ね」

 そのセリフに僕とケインは顔を見合わせる。

 僕はケインに言う。

「さっきのお店でも売れてたよね」

「ああ、気になるな。なあお姉さん、解毒剤はよく出る商品なのか?」

 するとお姉さんは笑顔のまま答える。

「いえ、そう頻繁には出ないですね」

「たまに売れる程度か」

「珍しい商品でもないですよ、定期的に補充するぐらいには売れます。冒険者でなくても必要になる場合もありますから」

「今も置いてるのか?」

「いえ、品切れですね、昨日、一昨日辺りからですか、結構売れまして」

 ケインは「やっぱりクエスト関連か」と独り言を零す。

 お姉さんは続ける。

「薬草なんかも売れてますから、多分冒険者が活発になる出来事でもあったんじゃないかと」

「分かった、ありがとう」

「何かあれば当店をご利用ください、お待ちしてますね」

 最後に情報屋さんについて聞くけどここではその件に関しては何も知らない、との事だった。

 事情聴取を終えた僕らは店をあとにした。


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