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優しいお姉ちゃん。

 ライルの本来目覚める魔法は土の属性魔法、だがそこから派生される土人形師[ゴーレム使い]が先に発現した場合、ライルの魔法特性が[人形使い]になる事がある。

 その先にある[傀儡師]に変化事も。

 

(つまりこの選択肢で、コイツの未来が分岐するんだったか)


 土属性の魔法・命の無い物を操る人形使い・

人間や獣・魔獣すらも操る傀儡師、どれも私にとっては面倒くさい魔法ではあるが・・・


「貴方の魔法の力よ、恐がる事は無いわ」

 憶えるライルを抱きながら私は彼の耳にそう囁く。


「で・・でも」

 

「ヌイグルミを動かしたのは多分、あなたの[人形操作]の魔法よ。

 頑張れば大きな土人形とか木の人形を動かせるようになるって、本で読んだ事がありますわ」

 

 魔力の使い方しだいで操る人形の数を増える。

 複数の木人形に鎧を着せて戦わせる武装軍団[レギオン]も使うようになるだろう。


 死を恐れず命も感情も無い戦士達、倒しても壊しても直ぐに復活して襲い掛かってくる戦闘人形の群れ、敵からすれば恐怖でしかない。


(こいつを使ってこの国を影で支配するなら、傀儡師ってのも有りなんだけどな)

 クソッ、こいつもあの女に惚れる事になってるから!


・・・

「ルージュ様?」

「ん?ああっごめんなさい、弟の貴方が魔法を使えるようになったから少し興奮して、、、それよりもライル?ルージュ様じゃなくてお姉ちゃんでしょ?」


「でも・・・」

「お父様達に何か言われたの?大丈夫、今は私しか居ないのだから。

 だからお姉ちゃんって呼んで良いのよ?」


「・・・・」


「まぁ良いわ、姉弟になったばかりなのだから緊張してるのよね。

そうだ!お姉様に貴方の魔法を見せて!

 わたし今まで父様の魔法、大きな炎の魔法しか見た事がないの。

 だからお願い?ね?」


『クマちゃん?解ってるわよね?』

 ライルに恥をかかせないように、お願い!


『まかせてよ!』クマのヌイグルミが立上がり、胸をポンと叩く。


・・・・・『何やってんだよ!馬鹿クマ!』


「お姉ちゃん、ボク、まだ何もしてないのに、、やっぱり、やっぱりお化けだよ!」


「・・・ライル、アレは・・!

 そう無意識、無意識で魔法を使ったんだわ!

 だって、だってこのお屋敷には、お化けなんかいないんだから!」


『お化けなんか嘘さ、お化けなんか無いさ。

ねぼけたひとが、みまちがえたのさ。


だけどちょっと だけどちょっと

ぼくだって こわいな。

おばけなんて ないさ、おばけなんて うそさ

ほんとに おばけが』


「でてきたら どうしようってね♡」

 ベットから降りた私は拳を握り、ポキポキと指を鳴らす。


「成敗!」

 ドカァァァ!

 

 立上がったクマの腹を目掛け、床の絨毯ギリギリの高さから振り上げるフルスイングのアッパーカット!

 馬鹿なクマを天井に跳ね飛ばし、そのまま壁に叩き着けられて床に不様な屍をさらす!


(フッ・・愚かなクマめ、だが悲鳴を上げなかった事だけは誉めてやる)

「ね?ライル、ただのヌイグルミだったでしょう?」


「・・お姉ちゃん格好いい・・」

「フフッ、そうよお姉様は優しいし格好いいの。だから何も心配いらないわ、ね?」

 キラキラ光るライルの目が眩しい。


(全く子供みたいな綺麗な瞳しやがって、、、未来の自分がどうなるかも知らないで可哀想な・・・)


「あ!」


「ん?どうしたの?」

 急に大声を出して・・・何をもじもじしてるの?


・・・(ああ、そう言えば)


「ライル、今日はお姉ちゃんと一緒に寝ましょうか。

・・・そうね、新しく姉弟になったのだから今夜は色々お話ししましょう・・ね?」


「え?!・・でも」


「慌てなくても大丈夫だから、ちゃんとしたパジャマに着替えてから私の部屋に行きましょう。ね」

 

(確か明日の朝だったか、ライルがオネショした事にされ叱られるようなイベントがあったな)

 

 新しい父親・ボルスの教育と言う名のお叱り、マゼンダの蔑むような目に晒されメイドに尻を叩かれる。

『幽霊が出たんです、恐かったんです』そう言訳しても尻か赤く腫上がるまで続く尻叩きは泣いて謝っても終わらなかったやつだ。


(それからしばらくの間、ライルは無口で陰気だったな)

 まとも?に戻ったのは親から離れて学園に入った頃だろうか。


 女性をどこかで見下し、馬鹿にした感じで話すような嫌なガキになってた。


(それを回避したら、今度は私の後をチョロチョロ着いてまわるようになるんだったか。

ハァ~~~どうせアイツに惚れるのが解ってるヤツに依存されてもな)


 どちらが扱いやすいかと言えば後者だった、だから面倒で仕方ないがフォローしてやるんだ、優しい姉に感謝しろよ?


「ほら、もじもじしない、一人で着替えられないならお姉ちゃんが手伝ってあげましょうか?」

 早くしないとズボンとパンツ、引き摺り脱がすぞ?


 ジリッ、両手を上げベットに迫るルージュにズボンを押えて涙目で抵抗するライル、ふふふっ可愛いヤツめ。


(こっちはガキのチン〇ンなんか見飽きてるんだ、さっさと脱がないと赤ちゃんみたいにひっくり返して脱がしてやろうか?)


「あのっ!・・ルージュ様、ぼく一人で着替えられますから、、その、向こうを向いていただけませんか・・・」


「・・・ダメデス、私はお姉様、ルージュ様ではゴザイマセン」

 可愛い弟を虐めるのはたのしい、なんだその涙目は、可愛いじゃないか!


「や~め~て~」「お姉ちゃんって言いなさい、でないと」

 ズボンを掴む手に力を込める、ふふふっお姉ちゃんの言う事を聞かないとパンツずらしの刑ですわ!

「やめて~~~」


・・・・・・・・・・・


 弟と色々遊んだでたら、クマのヌイグルミに押し出されるように部屋を追い出された。このクマめ!


「ルージュ、ダメだよ。男の子ってのはデリケートなんだから」

「いいじゃない、ちょっとくらい」弟のパンツ脱がすくらいいいじゃないの、ねぇ?



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